22/22
永遠が始まった日。
あなたの離婚が成立した。
俺たちの新しい暮らしが始まった。
その朝、あなたは俺が用意した純白のローブを身に纏い、
窓辺に立っていた。
カーテンを少し開け、外を見ているあなた。
その横顔や肩に掛かる流れる絹のような髪に
輝かしい日が当たり、その姿は、まるで絵を見ているみたいだった。
その絵を壊したくなくて、俺は息を止めて、あなたに見惚れていた。
その神々しいばかりの美しさに、俺は思った。
何ものもあなたを汚すことは出来ない。
どんなこともあなたを傷付けることは出来ない。
やがて、あなたは俺に小さく微笑みかけると、ドレッサーの前に腰掛け、髪を梳かし始めた。
俺は、そんなあなたの前に跪き、完璧に手入れされたあなたの華奢な手を両手で包み込み、冷えちゃったねと言いながら、あなたの手に口付けした。
心の中で永遠を誓いながら…。