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T  作者: 水面
16/22

旦那からの宣告。

いつものように屋敷の近くまで迎えに行った。

そっと車に乗り込んだあなたは、うかない顔で体を硬くしている。

俺のキスを受けようともしない。


何かあったの?と問えば、


早く車を出して。1分1秒でも早くここから遠ざかりたいの。


何があったのか、聞きたいが、まずあなたを落ち着かせることが先だ。

俺の部屋に連れて行き、ソファーに座らせ、温かい紅茶を入れた。

マグカップを両手で包むように持っていたあなたは、少しずつ話し始めた。


昨日夫が久しぶりに帰ってきて、私に言ったの。

最近、浮かれているようだけど、男でもできたのかって。


そして、何があろうと離婚はしないと言い捨ててまた、定宿にしているホテルに帰っていったとのこと。


自分たちは何のために結婚したのかを思い出せと言われたわ。

自分も好きな人がいたけど、それを犠牲にしたと言われたの。

私だけ自由になるのは許さないって…。

夫は、無理矢理押し付けられた私を恨んでいるのよ。

そこまで、心底嫌われていると思わなかった。


俺はそれを聞いて、唇を噛んで怒ることしかできなかった。


Tは、まず実家の母親に相談した。

母親は女同士、あなたの苦しい胸の内を分かってくれた。

結婚してから今までの旦那の仕打ちも訴えたようだ。

母親は、そんなこととは知らず、今まで幸せに暮らしているものだとばかり思っていたらしい。

結婚前からの愛人がいる旦那に遠ざけられていた娘のために涙していたらしい。

自分たちが悪かったと謝ってくれたらしいが、父親は…。取り合ってくれなかったようだ。


肩を落として帰って来たあなたを抱きしめ、俺も途方に暮れていた。

だけどもう俺たちは進むだけ。動き出したから。


こうなったら旦那と直接対決しかない。

今日、Tは旦那の定宿のホテルのロビーに出かけていった。

人の目がある方が冷静に話ができるだろうと言う判断だ。

俺もついていたが、少し離れた席から見守ることにした。

しかし、俺の存在は旦那の知るところだったようだ。

やり手の実業家だ。もうとっくの昔に調べはついていたんだろう。

結局俺も呼ばれて同席することになった。



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