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電脳世界で美少女はじめました  作者: 有栖 璃亜
第一部 マスター、これからお世話になります
7/30

予想外過ぎる出会い

サイバネットワールドの住民は、人間界のデータに触れることでその中に入ることが出来ます。


「さて、周回はこの辺で終わろう」


 私はゲームの世界の場所把握を終わらしてゲームのイベントを周回をしていた。


 体感としては場所把握だけで六時間くらいかかった気がするが、人間界ではたった一時間しか経っていないんだろうなぁ。


「それにしても、このゲームのイベントはどれだけ周回させるんだ?」


 私が切刃だった時から周回しているがまだ終わらない。イベントアイテム交換のために必要なアイテムが中々ドロップしない。

 残り二日だって言うのに……。


「そろそろいい頃合いだからマスターの様子を見に行くとしますか」


 サイバネットワールドの上空にあるデジタル時計は人間界の今の時間を表している。

 右から二番目が日本の時間だ。これも昨日のうちに調べた。


 デジタル時計は午前の十時を示している。人間界の日本にある学校は二時限目の途中のはず。


「別に急いで行ってもいいけど、サイバネットワールドの時間の流れは人間界の六分の一だしなぁ……」


 こっちが急いだところで向こうの感覚では大して変わらない。

 歩いて行ったとしても移動手段が秒速三十万キロの電波なのだから。


「よし、歩いて行こう!」


 そして、私はゲームの世界からサイバネットワールドに出ると、マスターの学校に繋がる電波の入口まで歩いて行った。


 電波の入口に入るとなんとも奇妙な空間が広がっていた。

 電波で移動できるとは知っていたが、実際に移動したことは無かったので、見たこともない空間に私は驚きを隠せなかった。


「す、凄い……」


 まるで、こことは全く別の異世界に居るような感じだった。


 ——って、ここも向こうからしたら異世界か。


 サイバネットワールドと人間界は全く別の世界。だが、世界をつなぐ通路は存在する。

 人間ならパソコンや携帯電話。私達はパソコンや携帯電話に通じている電波がそれだ。


 とは言っても、お互いの世界に干渉することは可能でも、流石にその世界自体に入ることは不可能だ。


「おっとっと、危ない危ない。ボーとしてたら通り越してしまうところだ」


 電波の速さは秒速三十万キロ。歩き過ぎると、目的地とはかけ離れた場所に出るかもしれない。


 そして、私は電波の通路を抜け出して少し遠くにあるマスターの学校のコンピューターらしき物に向かって歩き出す。


「……少し抜け出すのが遅かったかな?」


 本来なら、抜け出してすぐ目の前にある予定だったのだが、今私から見える学校のコンピューターは少し遠くにある。


 恐らく原因は、電波の通路に見惚れていたことだろう。


「うん、自分が悪いんだ。反省反省〜」


 客観的に見れば、絶対に反省していないであろう態度で学校のコンピューターに向かう。


「………そう言えば、どうやって入ろう……?」


 あれだけ軽々しく言っていたのに、今覚えばどうやって入るかの作戦を考えていなかった。


 学校なのだからウイルスバスターがあって当然だから、容易にアクセスは出来ないだろうし、仮に入れたとしても出る時にウイルスバスターが起動したままだしな〜……。


 考える、考える。このままでは様子を見に行くというマスターとの約束が守れない。


「……………」


 長時間考えていると、私の前を何かのデータが通った。


 ——このデータは………?


 私はこのデータの正体を明らかにするために、人間界のこの辺のマップを思い出す。


 確か、マスターの学校の前には道路があった。そこを通るものといえば……車だ!!


 車、データ……よし、恐らくこの作戦でいける。


「よし、作戦決行!!」


 そう言って、私は車のデータに入り込んだ。

 人間界の車のコンピューターのセキュリティは殆ど弱い。

 それを利用した作戦を私は思いついた。


 その作戦の内容は、まず車で学校の教室に一番近いところまで移動し、学校のWiFiが繋がっていない生徒の携帯電話に侵入する。


 私が入れないのは、学校のWiFiが繋がっているコンピューターだ。

 そこで考えた。学校のコンピューターに入れないのなら、学校とは別のコンピューターに入ればいいと。


「やっぱり、私って頭が冴えてる!」


 中学校の生徒の内一人は必ず携帯電話を持ってきている、という勝手な考えだが今はそれに賭けるしかない。


「よし、この辺りで……」


 そして、恐らく教室に一番近いところに着いたので車のデータから抜け出す。


 ——よし、僅かに携帯電話のデータが見える……!


 賭けは成功だ。

 後は携帯電話のデータに入れば学校に侵n……ゲフンゲフン、お邪魔させてもらえるぞ。


「……にしても……やっぱり高いな〜」


 一番の問題は、その携帯電話のデータが高い位置にあることだ。

 あの位置は、学校の二階の辺りだろう。


「うーん……どうするか……」


 方法としては色々あるが、どれも有力な方法ではない。その中のジャンプで頑張るなんて絶対に無理な話だ。


 ——データに手さえ届けば入れるんだけどな〜。


 脳をフル回転させて入る手段を考えていると……。


「……何か困り事ですか?」

「ひゃい!?」


 突然男の人に声を掛けられた。

 完全に不意打ちだったので、今までに出したことのない声が出てしまった。


 全く気配を感じないほどの影の薄さを持った者が存在するとは……。


「えっと……どなたですか?」

「……私はこのコンピューターの管理者です」

「このコンピューターって……学校の?」

「……はい」


 ……まさか、この学校のコンピューターの管理者と出会ってしまうとは……これは想定外だった。


 だって、クマの着ぐるみのような姿をしている者が管理者なんて一体誰が信じる?


 なんて思っていたけど、もし仮にこのクマのぬいぐるみが本当に管理者なのだとしたら私の身が危ない。


「えっと……本当にですか?」

「……何度も言ってるじゃないですか。その証拠に、さっき貴方がしようとしたことも全て見ていました」

「……それはつまり、私がこの学校に入ろうとしていたことも?」

「勿論です。貴方がこの学校にアクセスしようとしたけど、それだとウイルスバスターが作動する可能性があるから別の作戦を考えて、今の現状に至っていることも知っています」

「勝手に入ろうとしてすみませんでしたぁぁぁ!!」


 管理者の言葉を聞いた瞬間に、私は管理者に向けての謝罪の意味を込めた必殺DO☆GE☆ZA☆をする。


 ヤバいこの人(?)私がやろうとした作戦とか全部知ってるよ!

 しかも、見ただけで私が考えてることの予測も全て当たってるよ!!

 管理者マジパネェっすわ。

 

 今度来る時は、隠れてコソコソするのは止めて真っ先に学校のコンピューターの管理者に挨拶してから用事を言おう。


 管理者の凄さを知った私はそうすることに決めた。

後半書いてる時、少し眠かったので微妙な感じになってしまったかもしれません。


もし、誤字や空白抜け等がありましたら報告してくれるとありがたいです。

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