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電脳世界で美少女はじめました  作者: 有栖 璃亜
第一部 マスター、これからお世話になります
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送り主不明の電子メール

 夜中の午前二時。俺はパソコンのゲームを起動させると同時に片手に持っているスマホでアプリゲームのイベントの周回作業をする。

 俺の名前は大神 切刃(おおがみ きりは)。現高校二年生だが学校には行っていない。言わば不登校だ。


「よし、あと一回したら寝るか」


 アプリゲームのイベントの周回をあと一回したら寝ることに決める。パソコンのゲームを起動させたのはただのログインだ。

 パソコンのゲームのログインボーナスを受け取ってからすぐにゲームを終了してシャットダウンする。


「はぁ……何か面白いことないかな〜」


 布団に寝転がりながら言う。


 俺が不登校になったのも単につまらなかったからだ。生徒は訳の分からないことで盛り上がるし、学校側が出してくる課題の量は多いし、俺が高校に行くメリットよりデメリットの方が多い。


 そんな高校に行くぐらいなら俺は家に引き篭る。


「……それにしても、凄い雨だな」


 今の天候は豪雨と言ってもいい程の雨。既に寝ている人は気になるどころか気付かないだろうが、今から寝る人にとっては迷惑でしかない。



 ——もう寝ずに朝まで起きててやろうか。



 そんなことを考えるくらい、今降っている雨の音は迷惑だ。


「でも、そんなことも言ってられないか」


 明日は朝からイベントの周回の続きを再開するつもりだ。今回のイベント限定アイテムは逃したくない。


 意地でも眠ってやろうと思い、目を閉じ始める。


 ピロリ〜ン♪


 パソコンの方から聞こえた音で眠り始めようとしていた俺の意識が覚醒する。



 ——誰だよこんな夜遅くに電子メールを送ってくる奴は。



 確かに俺はパソコンをシャットダウンさせた筈だ。

 電源が点いていないパソコンに電子メールが届くってのもおかしな話だ。


「せっかく寝れると思ったのに……一体誰だ?」


 電源が点いていなかった筈なのに何故か点いているパソコンを確認しに行く。

 


 ——ふざけた内容だったら即削除安定だぞ。

 


 そう思いながら届いた電子メールを開き内容を見る。


『こんにちは、kiriha君。いや、今はこんばんはかな?』


 その電子メールには俺のパソコンのユーザー名が載っていた。


 ——こいつ、どうやって俺のユーザー名を……?


 俺は基本的には電子メールを使って他人とのやり取りはしない。だから、俺のパソコンのユーザー名及びアドレスを知っている人は片手で数えられる程しかいない。

 送り主の名前は『unknown』。見るからに怪しい名前だ。そして、内容にはまだ続きがある。


『君はこの世界をどう思う? ま、答えはわかっているよ。君はこの世界のことを『つまらない』と思っている。違うかい?』


 電子メールの内容は、まるで俺の全てがわかっているかのような書き方をしていた。

 普段ならこういう迷惑系のメールは即削除しているが、何故かこのメールに限って削除する以前に気になってしまう。

 

 そして、俺はこのメールの続きを読む。


『そんな君に一つ提案をしてあげるよ。この世界よりも面白く、常に何かが起こっている世界に興味はないかい?』

「この世界よりも面白く、常に何かが起こっている世界だと?」


 このメールの内容を俺なりに解釈すると、この世界とは別の世界があるとでも言っているのか?

 確かに、パラレルワールドや異世界が存在すると言われているがそれは空想に過ぎない。

 そして、俺はそういう世界ご存在するとは信じていない。


『もし、興味があるんだったら君をその世界に招待してあげよう! その方法は簡単。君がその世界に行きたいと願えばその世界に行けるよ』


 まさか、そんな簡単な方法で異世界になんていけたら誰も苦労はしない。

 しかも、このメールの内容は俺以外が見ても誰も信じないような内容だ。


「いたずらメールを送るんだったらもう少しマシなのを送ってこいっての」


 そして、俺はマウスを操作してメールを削除する作業に入る。


 それにしても、この世界よりも面白い世界ね〜。

 そんな世界が存在するとははなから信じてないが、もし、存在するのなら行ってみたいとは思う。

 少なくとも、この世界よりは面白そうだし。


 そう思いながら削除にカーソルを合わせて左クリックをしようとした瞬間、パソコンの画面が急に輝きを放ち、光り始めた。


「な、何だ!?」



 ——君は願った。その世界に行ってみたいと。お望み通り、その世界に連れて行ってあげよう。



 急に声が聞こえてきたかと思えば周りには誰もいない。それじゃあ一体誰が……?


 その声が聞こえると同時に光が増し、体が引き寄せられるような感じがした。

 必死にその場から離れようとするが離れる力よりも強力な引力で引き寄せられる。

 そして、光は目を開けられない程に強くなる。


 光が完全に消えた時にはその場には誰もおらず、ひとりでにパソコンの画面に文字が現れる。


      『ようこそ、()の世界へ』

『電脳世界で美少女はじめました』の第一話を読んで下さりありがとうございます。

 もっとこうした方がいい、などのアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

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