8話 一人の運命
こんばんは きいです
まずは前回のあとがきの付け足しから、前回は‟SOS”について説明しましたが、既存で説明してないのが一つあったので、この場を借りて説明したいと思います
それは、‟魔力放出”です、拓相の修行内容のとこにちょろっとですが出てました、それと覚えてないと思いますが、2話に幻舞君が使っていました(見直して見てくれると嬉しいです)、それで説明ですが、読んで字のごとく、魔力を体内から放出して、直接相手にぶつけて攻撃することもできる技術です、放出する魔力の量が多ければ多いほど、直接ぶつけた場合は相手に与えるダメージが大きくなります、ですが、放出した魔力量=消費魔力量となるので、注意が必要な技術でもあります
長々失礼しました
それでは、どうぞ
ー幻舞が楓に呼び出された日の早朝、日本軍準本部、北海道支部ー
「おい、殺人鬼が来たぞ!」ザワザワ
「最初に戦ってるとこ見た時からやばいと思ってたんだよ」
「でもなんでこんなとこに来たんだ?強制的に除隊させられたはずだろ?」
「おい!やめないか!」
「しょ、将!」
「はぁ、その呼び方はやめろって何回も言ってるだろ…それよりもすまないね、朝早くにこんなとこに呼び出したりして、それに部下たちも失礼なことを」
(あ、やべ…<魔法破棄>解除)
「すいません、ちょっとぼーっとしてたのでもう一回言ってもらってもいいですか?」
「ああ、さっきの部下たちの無礼、すまなかった」
「そのことでしたら大丈夫ですよ、慣れてますので」
幻舞はさっきの陰口は一切聞こえてなかった、でも、何を言われてるかはおおよそ予測できた、なぜなのか、そう…慣れてるからだ、幻舞にとってこんなのは日常茶飯事だったのだ
「またそんなこと言って、楓も怒ってたぞ…まあいい、二人きりになれる場所へ移動しよう、これから話すことはあまり他人に聞かれたくない」
ー北海道支部、特別会議室ー
「ここなら大丈夫だろう、一応結界も張っておいたし…じゃあさっそく本題に入ろうか、幻舞、お前は本当にあの事件の犯人なのか?正直、俺も楓も疑ってる、なんか隠してるんじゃないか?」
「僕から言えることはもうすべて話しましたが」
「じゃあなぜ来た、お前は広代によく似てる、用がないのに呼び出しに応じる奴じゃないだろ、なんか言いたいことでもあるんじゃないのか?」
「…」
「まあいい、お前が話さないなら壱華のとこの当主に聞くだけだからな」
「そうしてください、無意味だとは思いますが…それではこれで」テクテク
「もしお前が犯人なら、いわばここは敵陣真っただ中だ、そう簡単に帰れると思ってんのか?」
「ええ、誰も僕を止めることはできませんから…現に、僕はこんなに自由でいられてるんですからね」
「はぁ…表向きは除隊処分になってるが、休暇にしてある…この事件頼んだぞ!すまんな、軍として協力できなくて」
ー翌日、月島学園ー
「会長ー、月島が昨日軍を辞めたって…どういうことですか?」
「おはよう、千鹿ちゃん」
「あ、おはようございます、それであいつは」
「大丈夫よ、幻舞君は辞めてないから…表向きは辞めたことになってるけど、本当は休暇ってことになってるの、他の人には言っちゃだめだよ」
「よかった」ホッ
「…でもなんでそんなことになってるんですか?」
「千鹿ちゃんは最近、魔法闘士が連続して惨殺された事件は知ってる?」
「はい、ニュースで聞いただけですが…」
「幻舞君はね、その事件の調査を今一人でしてるとこなの」
「そんな…なんでそんな危険なことを、軍は何でそんなこと許したんですか?!」
「許したんじゃないよ、そうするしかなかったんだよ…千鹿ちゃんは何で嘘の除隊処分なんてする必要があると思う?」
「わかりません…」
「じゃあ、これからいう話をちゃんと聞いててね…
楓は、今回の事件についてこと細かく千鹿に説明した…ただ一点、幻舞が自らの犯行を自白したときのあの表情とあの言葉を除いては…それを聞いた千鹿は
「それで辞めたなんて…なんだ、他人避けと何も変わんないじゃないですか!」
「そう、私に『自分が犯人』なんて言ったのも、幻舞君得意の他人避けだと思うの…でもなんでそこまでして、幻舞君は他人を遠ざけようとするんだろう」
「確かに…でもどんな理由であろうと私たちのやることは変わりませんよ、会長!あいつが逃げるなら、私たちは捕まえるまで追いかけ続けるだけです!行きましょう、会長」
「行くってどこに?」
「そんなの決まってるじゃないですか、会長のお父さんのとこですよ!まずは、あいつがどこに行ったか知りたいですからね」
「そうね、じゃあ放課後生徒会室に来てくれる?」
「何言ってるんですか、今から行くんですよ!ほら行きますよ」
そう言うと千鹿は、楓の腕を引っ張って歩き始めた
「ちょっ、ちょっと千鹿ちゃん!学校はどうするの?」
「そんなの休むに決まってるじゃないですか!今は一刻も早くあいつのとこに行かなきゃいけないんですから」
「待って!私のお父さんは、そんな理由で学校を休むのは絶対に許さないよ」
「そんなの行ってみなきゃわかんないじゃないですか、『今日は特別』なんて言われるかもしれませんよ、あいつが許されてるんですから」
「それは…」
結局楓は、千鹿に言い負かされた形でなくなく勇のところに行くことになったのだが、楓はどこか嬉しそうな表情をしていた
ー北海道支部ー
「俺は知らん、学校に行け!」
「ほら言ったでしょ、千鹿ちゃん、帰ろ」
千鹿は、楓の言葉なんか耳に入ってこなかった、それどこじゃなかったからだ
「嫌です、なんで月島は許したのに私たちは許してくれないんですか!」
「君は確か千鹿君と言ったな、幻舞は軍の一員、私の信頼できる部下のうちの一人だ、でも君は違う、楓だってそうだ…これ以外に理由なんているかい?」
「軍の仕事であろうと、学生の本分を超えていい仕事なんてあるはずがありません!月島だって軍の人間である前に一学生ですよ」
「そんなに納得のいく理由が聞きたいなら特別に話してあげるよ、あまり知られたくない話なんだけどね…まあ、これを聞いたら幻舞を追いかけるのが、どんなに馬鹿げてるのかわかると思うだろうから…これを聞いたらちゃんと学校に行くんだぞ」
「たとえその理由に納得がいったとしても、私は絶対に学校には行きませんよ、月島が帰ってくるまでは…あいつは何でも一人で抱えすぎる、このままじゃ絶対に限界が来る、もしかしたらもう来てるかもしれない、だからもっと人の温もりを感じなきゃいけないんだ、私が与えてあげなきゃいけないんだ!」
「あいつも愛されたものだな、私の娘に限らず同級生からもとはな」
「え、ちょっ、おじさん!私は別にそんなんじゃ」
「あっはっはっ、まあいい、それでさっきの話、確かに私も同感だが、今回の件に関しては今の俺たちの出る幕じゃない…さっき言った納得できる理由を聞かせてやろう、俺の推論だが…今回の事件の犯人は強すぎる、それも俺ですら全く歯が立たないぐらいに、そしてそんな奴が一人だけじゃない可能性もある」
「そ、そんなことって…だっておじさんはこの国で一番強いんでしょ?そのおじさんが全く歯が立たない犯罪者なんて捕まえられっこないじゃん」
幻舞以外に化け物じみた人間がこの国にいること、そしてそんな人物が殺人をしていることを知った千鹿の表情は、絶望に満ちていた、幻舞が人を殺すなんて全く考えてなかったから、今回の犯人がそれほどまでに強いなんて思いもしなかったのだろう
「俺が何でこんな推測を立てたかだが、正直言って俺より強いやつは多少だがいる、俺も知ってる、とは言えそいつらだって俺とそんなに大差ない、そいつらとは何回も手合せしてるが勝ったり負けたりのほとんど五分だ、でもあいつは違った、俺は魔法を発動する時間さえももらえなかったよ、勝率なんてそんな次元の話じゃない、全く勝てる気がしなかった、そんなバケモノみたいなやつが言ったんだよ『まだだめだ、これじゃああいつらには勝てねえ』って、たぶん犯人は幻舞の言ってた『あいつら』だろうが、信じられるか?幻舞よりもさらに強いバケモノが何人もいるんだぞ、俺たちがついて行ってもただの足手まといになるだけだ…本当に推測で終わって欲しい話だろうが、多分間違いない」
「私もお父さんとはちょっと違うけど、幻舞君が『あいつら』って言ってるの聞いたよ、それに『私たちは絶対こっちに来ちゃだめ』とも言ってた、たぶん幻舞君は一人で私たちを守ってくれてるんだよ」
「それって元々、月島は一人になる運命だったみたいじゃん…そんなのあんまりだよ」ポロポロ
その時の千鹿は、怒り、同情などの様々な感情をどこにぶつけていいかわからず、ただただ膝から崩れ落ちて泣くことしかできなかった
「そうだね、でも私たちは私たちなりにやれることはあると思うよ、戦いに関しては力になれないと思うけど他の面で、それこそさっき千鹿ちゃんが言ってたことだって私たちならできると思うの、と言うよりもやらなきゃいけないんだったよね、千鹿ちゃん」サスサス
「すいません、会長」シクシク
「お前たち、確かにそれも大事だとは思うが、正直言ってそれでは根本的に幻舞を救うことにはならんぞ、闘いの面でも力になれなきゃ、たぶんあいつは…とは言ってもあいつに力を認められなきゃ『他人を巻き込むわけにはいかない』って押し通されそうだから、最低限、押し通させないぐらいには強くなんなきゃな」
「でも具体的にどうするの?お父さんも幻舞君の強さ知ってるでしょ?そんな人が認める強さって…」
「まずは拓相も入れて三人には、軍に入ってもらう」
「え!?やったー、試験やんなくていいの?」
「千鹿ちゃん?」
「えーっと、千鹿君、失礼を承知で聞くが君の“千”の字は“うま”と読むのか?」
「ん?」ポカーン
「 」クスクス
「軍に入ってもらって言うのは、入隊試験に絶対に受かってもらうっていう意味だ」
「そ、そんなの最初からわかってましたよ、わっかてて敢えて言ったんですから」
「あはは」ポロポロ
「ちょっと会長、泣くほど笑わなくても」
「ごめんごめん、あまりにも二人の会話が面白かったからつい」
「ついじゃないですよー、そもそもコントじゃないですし」
「ゴホン、そろそろいいか?」
勇の咳払いを合図に、楓と千鹿は真剣な表情に戻った
「「ごめんなさい」」
「別に謝らなくてもいい…それでだが、まずは学校に行け、で、放課後拓相を連れて来い!これからは四人で一緒に修行する」
「でも…」
「気持ちはわかるが今回はしょうがない…次からは一人で行かせなければいいだけだ」
「はい…わかりました」
千鹿は再び、力のなさに打ちひしがれた
「楓、千鹿君をよろしく頼む」
「うん、わかってる、いってきます」
「いってらっしゃい」
「行くよ、千鹿ちゃん、ほら元気出して、そんなんじゃみんな心配するよ」
・
・
・
「もう行ったぞ、いつまで盗み聞きしてるつもりだ?」
「やあ、さすがは鳳家現当主にして、日本軍大将鳳 勇さんだ、まさか気づかれていたとは」
三人の会話を聞いてたこの人物は一体何者なのか、敵なのか、味方なのか、はたまた
読んでいただきありがとうございます
今回は、幻舞君があんまり出てこない感じで、なおかつ堅っ苦しい感じになってしまったので、最後に申し訳程度にギャグ(?)を入れてみました、笑ってくれることに越したことはないのですが、目的はあくまで堅苦しさを少しでもなくすためなので、たまに入ってくると思いますが、その内容についてはあまり不平を言わないでくださいお願いします
それでは、今回のこの作品を説明するコーナーに移りたいと思います、今回は、鳳 拓相君と鳳 勇さんについて説明していきたいと思います
まずは拓相君から
固有魔法 :喝(一族特有)
魔法属法 :地属性
得意魔法系統:加速系、拘束系、移動系、
親 族 :実力的に一番強い一族
昔、この一族と闘った相手の死体がすべて干からびていたことから“ヴァンパイア一族”
と呼ばれていた(一族同士の争いごとがあった時代の話で、今はない)
補 足 :割と気さくで明るいが、戦いとなると別人のように変わる
(某警察官とは全然違います、ただ集中力がすごいって意味です)
つぎに勇さん
固有魔法 :停止、喝(一族特有)
魔法属法 :地属性
得意魔法系統:加速系、拘束系、幻覚系、移動系、複製系
親 族 :実力的に一番強い一族
昔、この一族と闘った相手の死体がすべて干からびていたことから“ヴァンパイア一族”
と呼ばれていた(一族同士の争いごとがあった時代の話で、今はない)
補 足 :鳳家現当主かつ日本軍大将
裏切りの英雄が死んだときにストップが発現した
こんな感じです、一族が同じなのでほとんど変わんないですが、一応説明しておきました(ネタ切れではありません、説明するものが全然ないだけです、まあそれをネタ切れというんですが)次は多分、ちゃんと中身のある説明ができると思います、今回はすいませんでした
最後に、読んでいただきありがとうございます
これからも応援のほどよろしくお願いします