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俺とシーナは、約一時間ぐらい森の中を歩き、自分達が同じ所をグルグル回ってる事に気付く。
んー何かあったかな?魔物とかまだ出て来てないし。何があったと言えば、綺麗な白い花が有ったからシーナに髪飾りみたいに付けてやったぐらいだし。そういえば、あの花めっちゃいい香りしなよな?俺はシーナの頭に付けた花を鑑定する。
『ミナス草』特徴:幻惑をみせる
うん!100%これのせいだね!
「シーナ分かったぞ。さっき作った花の髪飾りが俺達に幻惑を見せてるみたいだ。」
「えー本当に?この髪飾り結構気にってたのに!」
街に着いたら新しい髪飾りを買ってあげよう。
俺はミナス草で作った髪飾りを捨てる。
「これでもう大丈夫だが、一つ問題がある。」
「え?なに?」
「俺達は同じ所をグルグル回ってた訳だ。・「うん」・じゃーどっちが東の方角だ?」
シーナは、「あっ!」と、やっと気付く。
「ど、どうしよう!わ私達このまま迷いの森から出られないんじゃ」
シーナが慌て出し、俺は遠くの茂みから音がするのを聴き振り返る。振り返るとゴブリンらしき魔物が2匹いた。
ゴブリンは緑色の肌に、下半身に獣の皮を巻き手には棍棒を持っており、「ギャーギャー」叫びながら向かってくる!
「シーナ!話し後だ!攻撃系の魔法を使うからちょっと離れて!」
シーナを下がらせ、俺は魔力を強めに込める!最初はこんなもんかな!
「ファイアーボール!」空中に50センチぐらいの火の玉が出現し、2匹のゴブリンに向かって行き、命中する。
ドガーーーーン!!!込める魔力が多すぎて5メートルぐのクレーターが出来た。
シーナも唖然としており、なんかゴブリンが可哀想になった。
ゴブリンは命中した、ファイアーボールで丸焦げで2匹とも死んでいた。
「まー今度はもう少し魔力を抑えよう!」
「そう・だね。あはは・・そういえば、何でマオは演唱無しで魔法が使えるの?」
「演唱?なんだそれ?演唱ってアレか?紅蓮の業火よ!とか、疾風のごとく!とか、あの恥ずかしいやつ?」
流石にあんな恥ずかしい台詞は、中二病っぽくて言えないわ!
「は恥ずかしい?そう?そもそも、魔法は基本演唱をするのよ。お母さんが言ってたけど、演唱をしない人もいるけど、それは魔法を極めたすっごい魔法使いだって!」
シーナの話しを軽く聞き流して、俺はある事が気になっていた。さっきゴブリンを倒したからレベルが上がってるのではないか、と言う事だ!
名前:佐藤 真央
年齢:23
種族:人族
レベル:4
HP:2000/2000
魔力:∞
加護:創造神の加護
スキル:完全言語理解、鑑定、経験値取得(小)、魔法創造、マップ(new)、???、???、アイテムボックス(new)、エクストラヒール(new)、パーフェクトヒール(new)、ファイアボール(new)
魔法属性:火、水、土、風、光、闇、無
やっぱりレベル上がってる!使った魔法も表示されてるし、いい感じだ!今の俺達に最も必要なスキルが新しく使える様になってる!
俺はマップを使い現在の位置と人族の街がある場所と方角と大体の距離をマップ上で確認する。
「シーナ分かったぞー。ドールスの街は向こうの方角だ。えっと距離は・・300キロぐらいか。ちょっと遠いな。」
「方角と距離が何故わかったのか、すっごい気になるんだけど・・」
このマップは便利だな!頭の中に3Dマップみたいに森の地形や情報が入ってくる。しかもいい事に、俺を中心として半径5キロ内の魔物の反応まで分かる。
俺達は人族の街に向かって歩き出した。300キロを徒歩だと1週間ぐらいかな?夜になり視界が悪くても、マップのおかげで魔物の奇襲とか分かるし、色々なんか設定とかもできるみたいだから後で設定しとこう。
森の中を進み、途中またゴブリンが2匹現れ、魔力をかなり抑え気味のファイアーボールで瞬殺した。レベルは1上がった。この日はそれ以上魔物は出てこなく、まだそんなに奥に来てないからなのかな?
日が暮れ始めたので俺達は野営の準備をすることにした。狩ったウサギをさばき、森の中で見つけたキノコを軽く調理し夕食を作る。
ちなみこのキノコは鑑定して毒がないかは確認済みだ!
「シーナ見張り任せていいから、1日中歩いてる疲れただろ?ゆっくり休んいいからな。」
「 ありがとう。でも見張りは交代でする。マオだけ見張らせる訳には行かないよ!」
俺が先に見張りをすると言って、シーナは疲れてたのか少し横になると言って、10分ぐらいでスヤスヤ眠ってしまった。寝顔も可愛い
俺はアイテムボックスからシーナが家から持ってきた毛布を取り出し掛けてあげる。俺も少し疲れたな。
俺は、魔力を込めてある魔法を使う。
「『クリーン』、『リフレッシュ』」
クリーンで体に着いた汚れや汗などを取り、リフレッシュで疲労を多少回復出来るだろう。
シーナにも掛けて置こう。
結局シーナは起きず、見張りは俺が1人でやる事になった。
「マ・・オ、・・マオ・・い・・いで、行かないで。」
なんだ、シーナの寝言か。何の夢見てるんだ?
「置いて行かないで、1人にしないで・・」
シーナの目から涙が溢れる。俺はシーナの涙を拭き、手を握ってやる。
「大丈夫。ずっと一緒に居てやる。絶対1人にさせないよ。」
俺の声が届いたのか、シーナがギュッと手を握って来た。一瞬ドキッとしたが、もう片方の手で頭をそっと撫でてやり、安心したのか、またスヤスヤ眠りに着いた。