1ー2
「ん んー。ここはどこガバァ!」
目覚めるとそこは、海の上だった。
なんで海っ⁉︎普通森の中とか、街の近くじゃねーのっ⁉︎
俺はもがきながら必死に海面に向かって泳ぎ出す。だが、最初に結構な量の海水を飲んでしまい、息が保たない。やばい!し、死ぬ!誰か助けて!
意識が朦朧とする中、こっちに近づいて来る影が見えた所で、俺はまた意識を失うのだった。
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俺の唇に柔らかい感触がし、体の中に何か入って来た。はっ!と思い目を開けると、美しい女性が、俺にキスをしていた。
「がはっ!がはっ!はっはっ!」
「良かったーぁ!死んじゃうのかと思ったよ〜!うぇーん!」
彼女は泣きながら俺に抱きついてきた。そっか、この子に俺は助けられたのか、しかしなんでこの子が泣いてるんだ?
「助けてくれてありがとう。本当に死ぬかと思ったよ。おいおい、そんな泣くことないだろ。」
「うーぅ!だって、だって貴方が心配だったからっ!」
彼女は、ブルーの瞳にマリンブルーの腰まで伸びた長い髪、透き通るような白い肌、だが右腕に大きな火傷の後があった。胸も其れなりに出ており、腰から下は魚だった。これって人魚だよな?
それにしても、この子俺の事も心配して泣くなんてめっちゃ良い子!何かこの子の為に何かしてやれる事ないかな?
「助けて貰って申し訳ないが、今の俺には返せるようなのは…」
「そんな!べ別に私は見返りが欲しくて助けた訳じゃありません!私はあの付近で狩りをしてたんですけど、急に頭の中に「助けて!」って私を呼ぶような声が聞こえて、貴方の大きな魔力を感じやって来たんです!」
大きな魔力?なんか神様が地球人は魔力が高いって言ってたっけ?そー言えばなんか色々スキルを貰ったな。
俺は心の中で<メニュー>と念じるとなんか出てきた!
名前:佐藤 真央
年齢:23
種族:人族
レベル:1
HP:400/1000
魔力:∞
加護:創造神の加護
スキル:完全言語理解、鑑定、経験値取得(小)、魔法創造、???、???、???
魔法属性:火、水、土、風、光、闇、無
「ちょっとー!聞いてるの?」
俺は自分のステータスに夢中だった。
「ごめんごめん。と、取り敢えず自己紹介しない?」
「あ!そうだね!言ってなかったね!私シーナって言うの!見ての通り海人族で人魚です!」
「シーナって言うだ。良い名前だね。俺の名前はマオだ、よろしく。」
俺はそこでシーナを鑑定した。
名前:シーナ
年齢:19
種族:海人族
レベル:24
HP:3200/3200
魔力:2000/2000
加護:
スキル:言語理解、念話、水中呼吸
魔法属性:水、無
レベルはそこそこだな。HPもレベルが俺より高い分多いの当然だな。
「シーナ、その腕の火傷の事も聞いていい?」
「え⁉︎いいよ。私ね、小さい頃人族に捕まったの。人魚って海人族の中でもちょっと珍しくて、それで人族が私を捕らえて売って儲けようとしたらしくて、その時、運良く人攫いを稼業としている建物で火事が発生して、その騒ぎに紛れて逃げたってわけ。火傷はその時にね。」
俺はその話を聞いて驚いた!
「俺も一応その人族なんだけど、良く助けてくれる気になったね?」
「うん。なんか貴方、いえマオからは、そういう悪い感じがしなかったからかな?」
と笑顔で答えてくれた。シーナめっちゃいい子!あーこの火傷直してあげたい!よし!
俺は手に、んー、とチカラを込める。魔法の名前とか良くわかんないし、有名な回復魔法の名前を唱えるか。
「エクストラヒール」
するとシーナの体が光を放ち、みるみる内に火傷の後を治していくのだった。