働きたくない
初めまして、狩野楓人【カリノ フウト】と申します
貴方にとって、働くことで知ったものってなんでしたが?
私が描く憧れのヒーローというのは、最初こそ汚れていてなんぼだと思います
皆様がが果物屋で働いたらどんなことを知るでしょうか
4月はいつだって俺を苦しませる。
なにが苦しいかって?
未来を担う若者達の希望に満ちた顔や、安定した地位や生活を得たものが呑気に花見に行ったりしていることが俺を苦しませる。
いや、違うんだ…別に俺に希望がないとか安定した地位や生活がないというわけじゃないんだ。
『フリーターだけど。…って登場してきて春を語った後に最初の台詞がコレかよ…』
自己紹介をすると
俺、大塚望【オオツカ ノゾム】は身長178cm20歳という若く恵まれたステータスを持ちながらも
《フリーター》というジョブ?持ちなのだ。
千葉県にあるとても狭いアパートに住んでいて
一応1人暮らしだが、家賃や食費は実家からの仕送りと日雇いアルバイトなどで稼いでなんとか生命をつないでいる。
さて、ここらで自己紹介を終わらせた上で色々説明していこうか
『実は…母親がいつまでも定職に就かない俺を見限って実家からの仕送りがこなくなりました…』
これは非常にマズイことだ。
明日食べていくのもやっとな貧乏人な俺にとっては、実家からの仕送りは生活の4…いや6…すまんちょっと盛った
9割は支えてもらってると言っても過言ではない!!
『…こんなんじゃなかったんだけどなぁ』
一体この台詞は何度目だろうか
寝っ転がって見上げた天井の奥に隠れてる座敷童様もさぞかし笑っているだろうよ。
てなわけで、俺、大塚望は明日から仕事を探さなければならない。
この際、アルバイトでもいいから日雇い以外の安定という基盤を背負って働かなければならない。
20代初期にして、『仕事』という壁にノックアウトされた俺にコンティニューのボタンなどあるはずもなかった。