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[第4話:幽霊が見える]

「山里・・・」

千里は考えこむ。

一体山里は何者なんだ・・・?


すると目の前に、小学生くらいの

子供が立っている。??

いつの間に?その子供は道路の方に、

スーっと・・・

吸い込まれるように歩き出す。

って、え?

「待て!危ねーぞ!オイ!」

その子供は車に気づかない。

ヤバイ!

「待てって!オイ!・・・」

車がその子供に突っ込んでいく。

なんで気づかない?

子供がいなくなっている。

どこだ?

吹き飛ばされたのか?

じゃあ・・・

?!

さっきの子供が向こう側の歩道にいる。

確かにさっきの子供の顔だ。

何でだ?

な・・・?!

足がない・・・

透けてる・・・?

まさか幽霊・・・?

ってオレ、疲れてるのか?

そーいえば運動会もあったし・・・

だから透けてるように

見えるんだよな。うん。

よし。帰って寝るか。

「あのー・・・」

肩をたたかれる。

「ん?あっ!!」

さっきの子供!!

間違いない・・・

というか、いつの間に・・・?

「・・・なんだ?」

オレはそのガキに話しかける。

ガキはびっくりしている。

「オレに何の用だ?」

「あ、いや・・・ボクは幽霊なんだ。」

いきなりそんなことを言い出す。

でもまあ、からかってるのかもしれない。

さっきのも、オレが疲れていただけだったのかもしれない。

小学生くらいの年はウザいからな。からかってるんだ。

「おいガキ。早く家に帰れ。

 幽霊なんているわけねーだろ。」

そう言ってやった。

・・・ちょっと大人げねーかもしれないが。

「っ・・・ほんとだよっ!!」

するとそのガキは足をオレのほうに向けた。

そうなんだと思う。だが、足はない。

・・・?

「ガキ。これ夢か?それともマジックか?」

するとガキは悲しそうに、

「どっちでもないよ。ボク死んじゃったんだ。」

死んだ・・・?んなことあるわけ・・・

「じゃあ、おにーちゃん・・・ある男の子がお父さんとお母さんに、

 殴られて死んじゃったってニュース知ってる?」

そういえば母さんが言ってたな・・・

そんな話。

「おかしいね!!そんな親!」

とか怒ってたな・・・

「それが何だ?」

「あのね・・・どうしよう・・・

 信じてくれる?」

悲しそうな顔で聞いてくる。

「内容によってだな。」

「内容?なにそれ。」

こいつなんにも知らねぇのかよ!

「・・・いいから話してみろ。」

「うん・・・あのね、ボク・・・

 殴られて死んじゃったのは・・・

 ボクなんだよ。だから幽霊なの!

 信じてよ!ほら見て!」

ガキはズボンを少しめくる。

すると、ところどころ腫れていたり

打撲になっていたり・・・

「幽霊ってホントか?」

少し・・・少しだけ信じてやるか・・・

するとガキはゆっくりと、うなずく。

「おにいちゃん・・・みんなは

 気づかないのに、おにいちゃんは

 気がついてくれた・・・

 おにいちゃん、幽霊見えるの?」

幽霊が見える・・・?

オレが?

幽霊が見える?

「つーか、ガキ!オレはお前のアニキじゃねーぞ。」

そう言うオレに、ガキはよく分からない表情をして、

「ボクよりおにいちゃんだから!」

・・・!こんな小さいガキを殺す?

なんてバカな連中だ・・・

くそっ・・・

「おにいちゃん・・・

 いっしょにお話してくれて

 ありがとう・・・

 ボク、人間界にいられる時間が

 もうないんだ・・・

 ホントにありがとう・・・!」

ガキは笑っている。

虐待をうけて殺されたのに笑っている・・・

「ボク、この世界に来れてよかった!

 最期におにいちゃんに会えたから・・・

 バイバイ・・・おにいちゃん・・・」

「ガキッ!!オイ!」

ガキの姿が消えていく。

そして・・・

「ありがとう・・・

 おにいちゃん・・・」

「ガキッ!ガキィィィィ!!!」

ガキは消えた。知らなかった・・・

こんな悲しい幽霊もいるのか・・・

くそっ・・・

じゃあな・・・

ガキ・・・・・・


読んでくれて、

ありがとうございます。

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