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第3話 週刊BAERA 2024年5月15日号 ウェブ版

あのサロンに入ってから、夫がおかしくなったんです

失踪、自殺、洗脳……?

急増する『スピ系』オンラインサロンの闇に迫る。

『夫が別人になった』元会員の妻が語る衝撃の実態。

これは、単なるホラーではない。あなたの隣で起こっているかもしれない、現実の恐怖。



【警告】この記事には、精神的苦痛を伴う可能性のある表現が含まれています。閲覧は自己責任でお願いします。




 近年、自己啓発やスピリチュアルをテーマにしたオンラインサロンが人気を集めています。自宅にいながら手軽に『自分磨き』ができるとあって、20代から50代の女性を中心に会員数を伸ばしているという。しかし、一部のサロンでは、会員が精神的に不安定になったり、多額の金銭を要求されたりするケースが報告されており、社会問題化しつつあります。


 先日、AI怪談ブログ『コトリバコ』の危険性について報じたばかりですが、今回は、それと並行して調査を進めていた、別の闇についてお伝えします。それは、自己啓発オンラインサロン『言霊の会』。一見、健全なコミュニティに見えるこのサロンの裏側には、想像を絶する恐怖が隠されていました。


「夫は、もう戻ってこないかもしれません」


 今回、私たちは、『言霊の会』の元会員の妻、Bさん(48歳、仮名)に話を聞くことができました。彼女の証言は、まさに衝撃的でした。


「夫が『言霊の会』に入会したのは、2023年の8月でした。夫は51歳、福岡市内の大手企業に勤める会社員です。真面目な性格で、仕事熱心。それまで、スピリチュアルとは無縁の生活を送っていました。しかし、その年の春頃から、仕事のストレスで体調を崩し、休職するようになったんです。夫は日に日に元気を失っていき、口数も減りました。心配した私は何か気分転換になるものはないかと、インターネットで情報を集めました。そんな時、知人から『人生が変わる』と勧められたのが、『言霊の会』だったんです」


 Bさんの夫、Cさんは、知人の紹介で『言霊の会』に入会した。当初は、オンラインでの瞑想やヨガ、自己肯定感を高めるワークショップなど、穏やかな内容だったという。Cさんは、徐々にサロンの活動にのめり込むようになり、会員限定のチャットや交流会にも積極的に参加するようになった。Bさんは、夫が元気を取り戻していく様子を見て、安心していたという。


「しかし、12月頃からでしょうか。夫の様子が、おかしくなり始めたんです。独り言が増え、意味不明な言葉を発するようになりました。『カミサマ』という言葉を頻繁に口にするようになったのも、この頃からです。深夜に突然起きて、奇妙な儀式のようなことを始めることもありました。家中の鏡を隠したり、壁に『コトリバコ』と書かれた紙を貼ったり……。私は、夫の変化に恐怖を感じ、問い詰めましたが、『全てはカミサマのお導きだ』と繰り返すばかりで、まともな会話ができませんでした」


 Bさんは、夫に内緒で『言霊の会』について調べ始めた。すると、そこには驚くべき実態が隠されていた。


 『言霊の会』の主宰者は、カミシロ(本名、年齢不詳)という人物でした。『宇宙のエネルギーと繋がり、潜在能力を解放する』と謳うスピリチュアルリーダーで、優しげな外見と巧みな話術で、多くの人々を魅了しているようです。会員は、20代から50代の女性が中心。オンラインでの講義、瞑想会、交流会、個人セッションなど、様々な活動を行っているようですが、会費は月額1万円からで、コースによっては数十万円もするそうです。


 2024年1月、Cさんは、オンラインサロンの合宿に参加した。場所は、██県██市の山中にある施設。内容は、2泊3日の断食、瞑想、滝行、そして『カミカクシ』と呼ばれる儀式だったという。


「夫が合宿から帰ってくると、さらに人が変わったようになりました。私との会話もほとんどなくなり、家にも帰ってこなくなったんです。そして、3月のある日、夫は忽然と姿を消しました。部屋には、『カミサマに会いに行く』と書かれたメモが残されていました」


 Bさんは警察に捜索願を出したが、手がかりは見つかっていない。Bさんは、『言霊の会』が夫を洗脳して破滅させたと訴える。


「夫は、もう戻ってこないかもしれません。でも、私は諦めません。夫と同じような被害者を、これ以上出したくないんです。この記事を読んでいる方の中に、『言霊の会』について何か知っている方がいらっしゃいましたら、情報提供をお願いします」


 編集部は、『言霊の会』について調査を続けています。新たな情報が入り次第、続報をお伝えする予定だ。


(写真)

・閑静な住宅街に佇む、Cさんの自宅。

・██県██市の山中。合宿が行われた施設がある。(ぼかし)


(写真キャプション)

・Bさんの夫、Cさんの写真(顔にモザイク処理)

・『言霊の会』の会員限定チャット画面スクリーンショット

・『言霊の会』公式サイトのトップページ(URLは黒塗り)


関連リンク:

・【前回記事】AIが生成した『最恐の怪談』とは?専門家も警鐘

・『言霊の会』公式サイト(閲覧注意)

・『コトリバコ』(閲覧注意)


週刊BAERA 2024年5月15日号ウェブ版


(注意書き)

この記事は、特定の団体や個人を中傷するものではありません。また、掲載されている情報は、現時点での取材に基づくものであり、今後の捜査や調査によって変更される可能性があります。


読者の皆様へ:

『言霊の会』に関する情報提供は、メールにてお願いします。



#言霊の会 #カミシロ #神鳴り様 #コトリバコ #失踪事件 #洗脳 #カルト教団 #オンラインサロン #スピリチュアル #自己啓発 #詐欺 #カミカクシ #週刊BAERA #未解決事件 #警告


(編集部注:コメント欄は閉鎖されています)


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