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~89 雷神ユウコ様と模擬戦ですね②~



 雷神ユウコの攻撃を全てカウンターで返すも

 轟雷王鎧ヴァジュラにより掻き消される。


 無言で睨み合うタケルとユウコ。

 両者頭の中は戦闘シミュレーションでフル稼働である。


 今度はタケルが

 突然ユウコの背後に現れ連撃を繰り出す。




 ボッッボドドドドドドゴドドドドーーーー

 ゴッッゴゴゴゴゴゴゴ バッババーーーー




 一瞬で数えきれない拳が行き交うが

 こちらはタケルの土俵。


 一発一発の拳に魔力を削る効果を乗せながら

 故意に急所を外した一撃と急所への一撃を混ぜながら

 ユウコを追い詰めていく。


 華麗に捌いていたユウコではあるが

 若干の遅れが出始めるのを見逃すタケルではない。




「軍神演義 修羅閃拳!!」





 シッッッッ ンーー





 一瞬の隙からユウコを逃がさないため

 スピード重視の一撃を見舞う。


 当然こちらも当たればゴッソリ魔力を持っていく。

 本来は物理的な効果も伴うのだが

 ユウコにその効果は期待できない。


 対してユウコは、



「ジイ」

「轟雷王技 雷打無神」



 またもタケルの攻撃が掻き消える。


 これを見て一旦距離を取るタケル。

 下がるタケルを見て魔法を繰り出すユウコ。




「雷光石火」

「雷光雪月花」




 ……




 ユウコの行動を見ていたタケル。



「カウンター系と近接はヴァジュラのジイさんが。

 攻撃はユッコって感じか?

 それにさっきのーー


 そう先程放った魔法は

 スピードに自信があるどころか

 雷そのものであるユウコが

 更にスピードを上げるために加えた身体(魔力体)

 能力向上の効果を持つ「雷光石火」


 そこにユウコの専用空間を作り出す「雷光雪月花」

 神域と似ているが、

 より戦闘に特化した空間にしてある。


 雷が常時パチパチとそこかしこで弾ける乾燥した空間、

 ユウコの考えたことをすぐに顕現させることが出来る。

 概ね概念魔法レベルである。


 ーー万全を期したってところか」



 話している間にも刻々とユウコの空間は

 領域を広げている。

 タケルはそれを待っているようだ。



「主殿と()るということはそういうこと」



 更に激しさを増すタケルとユウコの戦い。


 その余波は観戦している者達の居る

 離れた山の麓にも及んでいた。




 ゴォオオオーーーー

 バサバサバサーーーー

 ビュウオオオオーーーー




 乱れる髪の毛を気にしながら

 スカートの裾を抑えるサクラ。


 ヌフとディースは

 全身エナメルのような前開きタイプのピチッとした

 タイツ、ショートブーツといった格好なので

 少々風が強くても問題ない。


 ちなみにヴァジュラから宛がわれた趣味のモノである。

 趣味の割りに魔法効果を50%カットする

 優れものであるが今はその話は置いておく。


 エレーナ、中身セイラは目を細めてブツブツと呟いては

 観察分析しているようで

 髪の毛もスカートも捲れあがっているが

 仁王立ちである。


 見兼ねたサクラが、



「ちょっとセイラさん。

 エレーナさんの格好で(はした)ない」


 そう言ってセイラのスカートの裾を抑える。


「ん? おおスマンな」


 見ていたヌフが、


「その言い方だとセイラであれば問題ないのか?」


 とサクラに尋ねる。


「ハイ」


 即答するサクラ。

 即応するセイラ。


「いや、ダメじゃろ!!

 エレーナだからやっておるんじゃ」


「もっとダメです!!」



 アホな遣り取りの間にも戦局は進み、



(チェッ、あのジイさんが厄介過ぎるな。

 前はあんなの無かったぞ)


 考える間もお互いに魔法と技を繰り出している。



 ッカ!!!! 

 ゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーー

 シャッッ!!!!

 ドッドンドドドゴゴゴゴーーーー

 


 少々攻めあぐねるタケルを他所に

 着々と準備を整えるユウコ陣営。



(手数は雪月花で確保。

 あとは隙を付くだけ、ジイ!!)



 珍しく一際強い口調でヴァジュラに指示を出すユウコ。

 途端にマントに変化するヴァジュラ。


 ユウコを覆い隠し同時に、



「乱雷轟槍」



 一斉にタケルに襲い掛かるのは

 真面に目を向けられない程の光を放ちながら

 周囲を埋め尽くす雷槍の嵐。


 ちなみに一本で国が消滅するレベルの威力を持つ。


 更に魔力を練り上げ対応しようとするタケルの目の前に

 ユウコが現れる。


 ここまでが一瞬。




「雷轟雷霆掌!!」




 !?




 これは当たる!!

 とユウコ本人、ヴァジュラ含め

 サクラを除いた観戦者全員がそう思ったその時。




 ビカッッッッ!!!!

 バッッッッチバチバチバチバチバチバチ バチバチ

 バチバチ バチ バ チーーーー

 



 ジュウジュウ、シュウシュウと

 尋常でない高温で周囲の空気まで焼いているような煙が

 辺りを満たし、

 離れているサクラ達のところまで強風が吹き荒れる。


 やっぱりセイラはパンツ丸出しだが顔の前に手を翳し

 目だけは模擬戦から離していないが、

 横を向いて風を避けている格好だ。


 パンツはどうした?

 と思う周囲の者達だがそれどころではない

 煙と強風であるため放って置かれている。


 

 そして戦闘の中心にある煙の一切合切を

 大変な勢いで晴らしていく青白い光と風。


 その中から現れたのは無傷のタケル。


 いつもの紅い焔ではなく

 蒼の中に白が混じる焔を纏い

 ユウコの拳を左手で受け止めている。




「闘神演義 滅神滅掌」




 ユウコはハッと我に返り、

 一瞬にして雷化し距離を取ろうとするが、

 既に遅い。





 ピッ ッシッッッッ!!!!




 

「ッグ!!」



 何とか距離を取ったユウコは傍らにヴァジュラを伴い、

 地面に片膝を付き、

 丸くポッカリと開いた脇腹を抑えながら

 タケルを見据えている。



 蒼い焔を纏ったまま

 ユウコに声を掛けるタケル。



「まさか最後は近接で来ると思わんかった」



 ヴァジュラに支えられながら立ち上がるユウコ。

 既にマントから人化しているヴァジュラが

 回復に動いている。


 一息吐いてユウコが答える。



「虚を付くのは常套。

 雷霆掌を止めるとしたら2つ目の封印解くと思った」



 ジッとタケルの姿を目に焼き付けるように

 見詰めるユウコは続けて、



「ただ今日の目標は達成。

 次は3つ目を出させるようガンバル」



 その様子を見て目を細めるタケル。



「そうか、オレもガンバるよ」


「一緒にガンバる」



 そう言ってポヨポヨと浮いてタケルに近付き腕を取る。

 戦闘態勢を解くタケル。


 同じく目を細めるヴァジュラ。



「ホッホッ、ユウコ様はタケル殿がお好きですなぁ」



 顔を赤らめるユウコはプイッと横を向いて

 サクラ達観戦者の方へ向かうようタケルに促す。


 浮かんだまま腕を取り皆の方へ向かうユウコは

 タケルに尋ねる。



「強くなった?」


「ん? いつも強いぞユッコは」


「エヘヘ」



 後ろから付いていくヴァジュラは

 腕を組んだまま幸福感に包まれるユウコを見て

 更に目を細めるのであった。



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