~84 3人揃うとホント疲れますね……~
タケルも学園に居ることを知り連絡を取るサクラ。
(……ちょっと、タケル?)
今日は直ぐに繋がる。
(お? サクラか)
(そうよ、来てるなら連絡くらい寄越しなさいよ。
たくさん聞きたいこともあるし、前は繋がんないし、
急にユウコ様は現れーー
ーーわかったわかった、ゴメンゴメン。
後で話すからさ、
とりあえず今仕込みの最中なんだよ)
(えっ? た、大変ねぇ、こんな時間から。
やっぱり料理人さんて大変なお仕事ねぇ、
感謝して食べないと……
ってチガウ!! 違わないけどチガウ!!
また話が逸れる!!)
(なんだよ? 情緒不安定か? 便秘か?)
(チガウ!!!! けどーー
ーーなんでタケルがそれを知ってるのよ?)
(?)
纏まらない話を察したのかセイラが、
「おい、早くこっち呼ばんか?
作戦会議出来んじゃろ」
セイラの声で動揺していたサクラが我に返り、
気を取り直してタケルに尋ねる。
(コホン、その仕込みが終わったら
合流できるんですか?)
(この仕込み終わったら後は明日だし
合流するつもり~♪)
それを聞いて念話を切ったサクラ。
合流できそうか聞いてくるセイラ。
「どうじゃ?」
「仕込みをしてました。
料理出来るし機嫌良さそうでしたよ」
それを聞いて思い出したのかセイラがサクラに。
「そうじゃ、あ奴料理が得意なんじゃな?
聞いたときは驚いたが作らせてみたら
もっとビックリしたワイ」
まさか料理が得意とは思っていなかったセイラ。
話が出たところで、
タケルが来るまでの間、料理人枠で潜り込んだタケルと
ついでに自分のことについても話し始める。
「学園に潜り込むのに
愚弟とアリアから情報を取って吟味しておったんじゃ。
そのときにーー
回想 ギルド3階 セイラの自室
「求人の情報なんぞ要らんのに
余計なもん送って来おってからに」
バサリ
「? なにこれセイラさん?
料理人募集って書いてあるよ?」
「書いてあるから何じゃ?
聖光国に潜り込むのに料理人で何をするつもりじゃ?
要らんワイ」
ジッと求人の用紙を見るタケル。
「フン、そんなもん見とらんで、
こっちの国境を通るような商人の情報とか
色々あるじゃろ。
ワシはたまたまエレーナとして
潜り込める算段が付いたから構わんが、
お主の場合、
幸いにもアンデッドマンとして
いつもキチャなかったようだし、
容姿は目立ってないようだから何とかなるとして、
ギルドカードの偽造で名前を変えて
聖光国に入るだけでは意味ないんじゃぞ?
って聞いておるか?」
求人の用紙から目を離しセイラを見ながら
タケルは答える。
「うん聞いてる、だから見てるんだよ。
オレ料理出来るし適当に推薦書付ければ
この学園に雇ってもらえそうな感じだけど、
ムリかな?」
ーーといったことがあってな。
ギルドカードと推薦書を新しく作って
潜り込んだわけじゃ」
説明を聞き終わるとサクラは一つ溜息を吐いて
セイラに問い掛ける。
「まぁそれは分かりましたが、
ギルドカードは……セイラさんだし大丈夫として、
推薦書の中身は大丈夫なんですか?
作ったセイラさんには失礼ですが
裏取りされて露見することは?」
サクラの方を見ながら
グッと親指を立てて答えるセイラ。
「当然万事抜かりないワイ。
推薦書は聖光教会トポロ支部発行、
ちなみにトポロはアリアとヴァッケンの国境近くの
小さな村じゃ。
司教には寄付金で話を付けてある。
ちょっと小遣い減ったがの。
まぁそれは良いワイ。
で、中身は
“聖光教本部のある聖光国で少しでも力になりたい。
料理、裁縫、掃除、洗濯が得意な敬虔な聖光教徒“
と記載したものじゃーー
セイラの説明の最中にタケルから連絡が入り、
廊下の突き当りの壁について説明するサクラだが、
同時にセイラの説明の続きも聞いている。
ーーほんでもってじゃな、
学園へのワシの入学書類を送って、
タケルの見とった求人募集に推薦書を付けて
応募したのじゃ。
まぁ賭けじゃったがの。
エレーナの件は学園にも伝わっておって
当初は入学せんと聞いていた学園側も副学園長か?
の面談の際に「せっかくのお誘いなので」と言うたら
スンナリじゃったわい。
そういう意味ではタケルの方が
どうなるか分からんかったの。
最初タケルは聖光国近くで野宿でもするつもりの
ようじゃったからの。
求人の日付が古いし
兵士に取られて人が集まらんかったように思うたから
通るかもくらいは思っておったがな」
更に説明を聞いたサクラ、
セイラが作る書類であるし大丈夫だろうと
不安がありながらも納得するが、
別のことでサクラが問い掛ける。
「ちなみにタケルはなぜ聖光国にまで?
フィーネでギルドの依頼をこなしていれば
その内帰るのに。
ユウコ様は助かりましたけど……」
これにはニヤニヤしながら答えるセイラ。
「心配だからって言うておったぞ」
赤面するサクラ。
更にニヤニヤが加速するセイラ。
無表情でサクラを凝視するユウコ。
といったところでタケルが部屋に入って来る。
「おお、久しぶりじゃんサクラ。
制服似合ってるじゃん。
あっ、ユッコもちょっとぶり」
ん、と頷くユウコ
真っ赤っ赤なサクラとニヤニヤする二人を
訝し気に見ながら、
「なに? べんーー
全てを言う前に遮るサクラ。
ーーチ・ガ・イますから」
タケルの勘違いから赤面が緩和されたサクラは
重要なことを尋ねる。
「もう、そのネタは置いておいて、
タケルの偽造カードの名前は?
間違えると困りますから聞かせてください」
そういえばとセイラと顔を見合わせるタケル。
「そうだな、まだ言ってなかったな。
フフフ、今のオレは敬虔な聖光教徒で女性であれば
結婚相手として引っ張りダコのスキルを持つーー
ワザワザ少し溜めてから言うタケル。
ーーゴンだ!!」
シーン
ユウコは興味がないのかプカプカと浮いている。
それがまた止まっている3人の静けさを際立たせる。
セイラはタケルの偽名も知っているため
とりあえず面白そうだから黙って見ている。
そんな中勇気を振り絞って恐る恐る尋ねるサクラ。
「……あなた、それまさか下の名前、
フ〇ークスじゃないでしょうね?」
バカにしたような顔で
ーームカつく顔してますね!!(サクラ談)ーー
サクラを見ながら答えるタケル。
「フフフ、まだまだだね。
ゴン・アチョプだ!!」
シーン
またも流れる沈黙。
ユウコは部屋の奥で天井と床を行ったり来たりして
楽しそうだ。
セイラは訳の分からない緊迫感に生唾を飲み込み
事の次第を見守っている。
「……"まだまだだね"もだし。
そもそもあなたそのネタ一体誰が知ってるの!?
ふつうゴンといえば
「はじめ人間」か「フ〇ークス」でしょう??
ズイを付けなかっただけマシですけど。
ハァ、疲れた」
と言って、
椅子に手を掛けながらグッタリと
お嬢様座りをしてしまうくらい疲れたサクラであった。
遠くでユウコがその様子を見ながら、
「いつも通りになった、クス」
と珍しく笑みを零したのは誰も見ていなかった。
昨夜から今朝にかけて
ブックマークを付けて下さったお二方、
有難うございますm(_ _)m
いつも読んで頂き有難うございますm(_ _)m




