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~72 後になさい!!~



「主殿、倒しちゃってる」

「怒ってたしねぇ~」

「セイラ様が何と仰るか……」



 王城上空からタケル達が戦っていたところまで

 結構な距離があるのだが、

 精霊神三柱は見えるらしい。


 戦闘が終わったと見て、

 其々が捕縛拘束したVVV(ブイスリー)No.1、2、3

 を其々の方法でタケルのところまで運ぶところだ。



 城下は上空で行われていた尋常では無い戦いに

 大騒ぎであり、

 また王城の兵士や高官などは国のトップ3人が捕縛され

 連れて行かれるのを口を開けて呆然と見ていた。


 これからヴァッケンの政治等がどうなるのかについては

 タケルは知ったこっちゃない。

 最終的にはセイラが何とかするだろうと

 丸投げしている。


 それより何より

 ヴルカヌスが明らかに人の命を軽々しく扱っていたのは

 明白で、

 これはマニスや先の戦いでのヴルカヌスの言動を見ても

 その他の人達にも同様のことを行っていたであろう事は

 想像に難くない。


 そういった者をタケルが放って置けるはずもなく

 といえば正義の味方のようで格好良いのだが、


 実際はサクラとも仲の良かったマニスの件で

 腹が立ったのとヴルカヌスを見てもっと腹が立ったのが

 今回の戦いの引き金である。




 さて置き、

 セイラに連絡を取ろうと思っているタケル。

 

 そこに、



「主殿、右手」

「おお、右手も背中の女子(おなご)もだの」

「ムッ」



 三柱が揃ってやって来る。

 タケル達に纏わりつく獄炎が消えていないため

 其々がその事を口にする。


「そうなんだよ、何とかなんない?」


 その問いに答えたのはスカージ。


「フン、さっきは何が引っ付いておるのかと

 思っておったが地獄の炎ではないか。


 サッサと妾を呼べば良かろうに。

 相変わらず鈍感なのか何なのか。


 熱いだろうて、タケルよ」


 そう言いながらスカージが魔法を行使する。


無限(インフィニット)氷結晶(アイスクリスタル)


 タケルの右手とエレーナの背中に纏わりつく獄炎が

 ポロポロと鱗が剝がれるように落ちていく。


「フゥ、サンキュー スカージ」



 お礼を言われたスカージはソッポを向いて

 真っ赤っ赤な顔を隠しながら話題を変える。


 

「フ、フンッ!! そんなことよりもじゃ。

 妾の氷塊(アイスキューブ)

 そろそろ何とかせんとシんでしまうぞ」


「そう、これどうする?」


「わたくしは暫くこのままで結構ですぞ、主殿」



 捕虜の3人についての処遇を尋ねる二柱と

 欲望そのままに希望する一柱。


 それに対しタケルはセイラに連絡を取る旨

 三柱に伝える。



「ああ、ゴメンゴメン。

 セイラさんに連絡してどうすんのか聞いてみるよ。

 ちょっと待ってて」



 そう言って連絡用魔道具を使用するタケル。


 時間はまだ夕方頃なので寝ているということは

 無いだろうが、

 一応ギルド職員でもあるセイラを大丈夫だろうか?

 と一応の心配はしてみるも大丈夫であろうが無かろうが

 あまり関係ないような気がするので連絡を取ってみる。


 

「お? タケルか?ーーガヤガヤ」


 直ぐに繋がったようだ。


「ああ、セイラさん? ゴメン仕事中に」


「ん? あれから休んだから心配いらんぞーーワイワイ」


 ある意味感心するタケル。


「自由か!! まぁいいや。

 親衛隊のVVV(ブイスリー)は捕まえたけど、

 そっち連れてっていいの?」



 連絡用魔道具の向こうで

 セイラが驚いているのが分かる。



「ククク、

 お主あれから何時間じゃと思っておるんじゃ?

 呆れるワイ。


 まぁ構わん、フィーネの街門まで転移して来い。

 あれからアリアには話を付けてあるからバロン辺りが

 そろそろフィーネに付くワイ。


 しょっ引きに来るよう言ってあるから大丈夫じゃ

 ーーガヤガヤワイワイ」


 タケルはタケルで少し驚いていた。


「ヘェ~、

 女王さんもよくオレが捕まえられるって信じたね」



 タケルがヴァッケンに行く前に聞いた例の映像記録を

 見せたこともあって話はスンナリ通ったそうだ。


 その折に、

 もうタケルとサクラと共同で攻め込めば

 聖光国を落とせるのではないか?

 と言った話にも発展したが

 アリアも聖光神の強さは重々承知しており

 時期尚早と一喝したことで一旦収まりを見せたようだ。


 更に別の話もあるのだが、

 セイラはここでその事については触れなかった。


 ーーとりあえず戻ってきたら色々と話すワイ。

 あとヴルカヌスはどうした?

 ーーワッハッハ、ガヤガヤ」


 とうとう来たか、と腹を括るタケル。


「……ああ、ゴメン。倒しちゃった」


 見えなくとも更に驚愕しているのが分かってしまう

 タケル。


「やかましい!!

 ーーゴンッ、ゴンッ、ゴンッ シーン……


 スマン、こっちのことじゃ。

 ククククク、そうか倒したちゃったか。


 もう笑うしかないの。

 VVVもおるし構わんわい。


 また戦闘の様子は詳しく聞かせるのじゃぞ。

 あとサクラはどうした?」



 一体どこで連絡取ってんだ?


 と思うがどうせビバークだろうと突っ込まないタケル。

 それよりもお仕置きとか言ってこないセイラに

 ホッと胸を撫で下ろす。


 サクラについては、

 まだ連絡を取っていないので

 フィーネに着いたら連絡を取ってみると言って、

 とりあえずセイラとの連絡を終わらせるのであった。



「さて、待たせてゴメン。

 サクラも心配だけど、

 まずは面倒だからそこの3人をサッサとセイラさんに

 渡しちゃおう」



 そう言ってフィーネの街門まで

 三柱と共に転移するタケルであった。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 フィーネの街門の近くに転移して来た

 1人と精霊神三柱。


 街門を見るとフィーネに入ろうとしている人達と

 衛兵達が目を丸くしてこちらを凝視している。



(まぁ、分かってたけど。

 早く来てくんないかなぁ。目立ってしようがない……)



 そんなことを思いながらズルズル、フワフワ、ムフフと

 捕虜の3人を街門へと運ぶ精霊神達。


 街門近くまで来た頃に街の中が騒がしくなり

 間を置かずタケルと面識のあるバロンがやって来る。


 セイラはまだ来ていないようだ。


「オオ!! タケル殿!! と、そちらの御三方は?」



 そう言ってタケルの傍らまで近付いて来るが、

 一緒に来るはずのバロンの部下は三柱の佇まいに

 尋常でないものを感じ近付くことを躊躇している。


 バロンも同様であったが流石は獣王国の重鎮である。

 動揺を隠しつつタケルに誰何する。



(どう説明しよ? 別にバレるのは良いんだけど)



 タケルが迷っていると

 丁度そこへセイラがやって来たようで

 門の内側からジーっとタケルとバロン達を見ているのが

 目に入る。


 気付いたタケルが声を掛ける。



「ちょっとセイラさん!! 何してんの?」



 セイラは駆け寄ってタケルに色々と問い詰めたいが、

 以前アッパーカットを叩き込んだセクハラ精霊の

 ベレヌスを警戒していたのである。


 何となく察したタケルは

 セイラを安心させるために言葉を投げる。



「ああ、ベレヌスなら大丈夫だよ~セイラさ~ん!!

 今は他の女の子に夢中だから~!!

 前みたいにチューとかハグハグとか~

 しないから大丈夫だよ~!!

 それとエレーナさんがーー

 


 までタケルが言ったところで、



 ーー追加をするなっ!!!!

 それと誤解を招く言い方を、

 するんじゃないわぁぁぁぁぁ!!!!」



 門の内側から

 一足飛びで両足によるタケルの腹部への蹴り。

 いわゆるドロップキックが炸裂するのであった。




 ……



 

 その後、セイラはユウコとスカージには

 会ったことが無いもののベレヌスのことがあったで

 同じく高位精霊であろうと当たりを付け、

 三柱はタケルの仲間の精霊であると説明した。


 またヴルカヌスはタケルが倒したことを

 周囲に聞こえないようバロンに説明し

 街門での騒ぎは収束を迎える。


 

「こ奴等には早々に色々と聞かねばならんことがある故、

 我等はこれにて失礼する。

 皆、タケル殿に感謝を」



 ユウコ、スカージ、ベレヌスが拘束を解いたところで、

 代わりにバロン達が厳重な拘束を施し王都である

 アリアへ向けて3人を護送するべく、

 タケル達にお礼を言い帰って行った。


 見送ったタケルは三柱にお礼を言い

 剣化してもらおうとしたが、


 ベレヌスが何かと理由を付けて

 なかなかエレーナのお姫様抱っこを解除しなかったが

 タケルがコソっと「またセイラさんとは会えるじゃん」


 と言うとチラッと変態的な視線をセイラに向けて

 ムフフと言って素直に帰った、

 という一幕があったがとにもかくにも剣化してもらい

 リュックへと仕舞った。



「さて、あの変態はやっと帰ったの。

 あとの2人もまた紹介するのじゃぞ。


 とりあえず貴様の変な言い回しは貸しにしておくとして

 じゃな。


 エレーナも何があって

 気を失っておるのやらワカランし。


 いずれにしろ休ませにゃイカンし、

 色々と現状も整理せにゃならんしで

 やること満載じゃワイ!!


 それにヴァッケンもてんやわんやであろうし

 聖光神も動き出すかもしれんしの」



 お腹を擦りながらそれに答えるタケル。



「うん、そだね。

 その前にちょっとサクラに念話入れてみるよ。

 大丈夫だと思うけど」


 それに賛同し早う取れと急かすセイラを横に

 サクラに念話を入れるタケル。



(お~い、サクラ~いま何してんの~)



 一拍の間の後、返事がある。



(……ちょっと後になさい!!)



 と言って念話を切られるタケル。



 ……



「なんじゃ? どうした、繋がったんじゃろ?」


 答えるタケル。


「うん、繋がったけど“後になさい!!” って」


「?? なんじゃろうのう??」



 とりあえず声は聞けたし無事なら“後になさい!!”

 に従い、言う通り後で連絡することにして

 夕方から夜になろうとするフィーネの街門を

 衛兵に挨拶し通る二人であった。



昨日ブックマークを付けて下さった方、

有難うございますm(_ _)m


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