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~71 タケル襲来4 vs ヴルカヌス②決着


 

 ヴルカヌスの放った

 「獄炎黒死漠(アド・ホラーウグラ)」により

 黒い炎が今にもエレーナを飲み込もうとしている。



「クソッ!! 気付くの遅れた!!」



 エレーナを燃え盛る獄炎の中から

 何とか連れ出したタケルはひとり毒吐く。


 獄炎に背中を焼かれ気を失っているエレーナ。

 まだ炎は消えていない。



「フハハ、そんな塵芥を庇うとはな」



 お姫様抱っこから背中に移動させ背負い直す。

 

 その間ヴルカヌスが待ってくれるはずも無く

 攻撃は続く。



「ハァッハッハ!!――


 ――獄炎鳥ナイ・ホラーウグラ!!」



 数えることはしない、多いから。

 宙空を駆けながら

 代わりに負けない数で応戦する。



「千羽烏!!」



 タケルの頭上の空間から体長50mはあろうかという

 漆黒のカラスが姿を現し

 タケルの意図を汲んだのか名前が示す以上の数に変化し

 獄炎鳥を狩るべく飛び立っていく。


 体は普通のカラス程度にまで小さくなっている。

 足は4本だが。



 ギャギギィィィィーーーー

 カアァアーカァアアーーーー



 目の前では獄炎鳥と4本足のカラス。



「ホウ、召喚か? 魔法か?」


 余裕の表情を見せるヴルカヌス。


 周囲は赤と黒の鳥鳥鳥で視界はすこぶる悪い。


 この状況を利用し光迷彩(インビジブル)と隠蔽を

 使い高速で上空へ移動する。


(あっスコップ忘れた!!

 あぁもう!!

 どうしてオレはこう思考が逸れに逸れるんだか……

 まぁ後で良いやーー


 まだ逸れる余裕のあるタケルではあるが、

 後手に回っており戦局は芳しくない。


 ーーなんとか先手を取らんとな。

 「獅子滅裂」と「破邪剣聖」で削ったのに

 あんま効いてないしな……)



 下を見ると獄炎鳥は狩り尽くされたようで

 4本足のカラス達に声を掛けるタケル。


「ラージャ、サンキュもういいぞ!!」


 元の大きさに戻った4本足のカラス、

 ラージャはタケルの元に戻ってくると


「クワァ」


 一声鳴いてタケルの頭上に出来た空間へ戻って行った。



(しかもマズイな、このタイプの炎は消火がメンドイ。

 時間が無いな)


 獄炎はお姫様抱っこの際にタケルの右手にも飛び火

 しており使い物にならない。


 左手一本でエレーナのお尻の辺りを支えながら

 背負い直すタケル。


(ウ~ン、モチモチ!!

 いやチガウんだ、

 感想を述べただけで疚しい気持ちは一切ーー



 ーーフハハハァ!! そこにおったか!!

 獄炎黒死鞭(カル・ホラーウグラ)!!」



 誰に言い訳をしているのか分からないが、

 アホなことを考えている間に

 光迷彩(インビジブル)と隠蔽を見破り

 下方から迫るヴルカヌス。


 獄炎シリーズを連発してくる。


 獄炎で出来ている鞭なのか鞭以上に不規則な動きをし、

 かなり長い距離を潰して多方向からタケルに迫る。


 普通は逃げ場が無くなって 

 バッチバチにシバかれるのだが、

 速度に勝るタケルは軽く躱しながらも

 良くなっていない状況について思考を巡らす。



(オシリのことは置いといてだな。

 削ったのにあんま効いていないってことは

 再生……再生速度が速いのか? 


 もしかして……

 ヨシ、オロチ使って確かめて当たりならアレだな。

 優勝じゃないぞっと!!)



 避けまくるタケルに業を煮やし

 新たな獄炎シリーズを使ってくるヴルカヌス。



「チッ、その速さは厄介だな。

 まずはそれを削ぐとするかーー


 ーー獄炎黒房牢(ガビア・ホラーウグラ)



 展開される漆黒の球体が

 ヴルカヌスとタケルを取り囲む。


 内側は真っ暗である。


 しかしながらお互いに位置を見失うような

 未熟者ではない。


 ヴルカヌスが魔法を展開した一瞬の隙にタケルは、



「この魔力量なら……

 1つで良い!! オロチ!!」


 魔力量を探り一本首で呼び出すタケル。



「ホウ、色々と見せてくれるな。

 ……本当に惜しいな。

 貴様がこちら側に付けば聖光神様の目的達成も

 容易くなるだろうに。


 今ならまだ間に合うぞアンデッドマンよ。

 どうだ、こちら側に来んか?」


 その問い掛けにタケルは、


(いや、ホントに悪いヤツっておんなじこと言うな。

 ド〇クエってスゲェな)


 関係の無いことを考えていた。


 それを沈黙と取ったのかヴルカヌスは更に言葉を継ぐ。



「ククク、迷っておるのか?

 構わんではないか、背中の女も放っておけ。

 代わりはいくらでも居る。


 聖光神様以外の命などどうでも良いのだ。

 この私も含めてな」



 いよいよ狂信者染みてきたヴルカヌスに

 タケルは溜めたものを吐き出すように叫ぶ。



「……その、

 その考え方が既に合わねぇって言ってんだよ!!ーー


 ーーでは、サヨナラだ」



 ズズっと黒房牢が狭まる中、

 オロチはタケルの指示に従いヴルカヌスを


 バクッ!!


 丸呑みにする。


 様子を窺うタケル。

 黒房牢は消えずに迫って来るままだ。



「……クックックッ

 この蛇は魔力を喰らって消化するのか?

 確かにこれなら魔力体の余でも効果はあるな。

 普通ならな!!」



 そう言ってタケルの前方に顕現するヴルカヌス。



「結構な召喚獣ではないか!!

 しかしもう許さんぞ!! シね!!」



 ヴルカヌスが吠えると黒房牢が一気に迫って来る。



「カハハハハハハ!!

 獄炎は余には効かんからな、シぬのは貴様だけだ!!

 どれ、最後は見届けてーー



 最後まで言わせないタケル。



 ーー剣神演義 超究奥義 有為無常」




 シッ ンンン――




 ……




 右手のオシリの感触に惑わされずヴルカヌスの背後で

 左手で握ったツルハシを振り抜いたままの姿勢から

 残身を解き振り向くタケル。


 格好良いはずなのだが武器のせいで格好良くない。



 ……



「……何だこれは? なんなのだこれはっ!!!!

 余の、余のカラダが崩れテ、クズレーー



 その様子を見ながら一つ息を吐いたタケル。



「フゥ、面倒臭かった。

 ……お前、不死鳥だろ?

 神獣が何やってんだ、闇落ちしやがって」



 崩れながらもタケルの問いに答えるヴルカヌス。


 ーーククク、

 セイコウシン様ト居レバ神獣でアルナいなど些事ダ。


 ソレヨリなンダこの技は?

 ヨは不死であるゾ。サイゴニキカセロ」



 崩れ行くヴルカヌスを見ながら

 複雑な表情で答えるタケル。



「……存在の在り方を変化させるんだ」



 もう首の部分まで崩壊が始まっているヴルカヌス。



「クク、ハッハッハッ!!

 そうか在り方か、生からシへ……

 シから生へもカノウではナイのか?」


「可能かもな」


「フッフッ、ソウカ。

 サスガはアンデッドマンとイッテおこウ。

 ツルハシはシマラヌガナ……」



 最期にフッ笑んで消えていったヴルカヌス。


 その最期を見て最後までアンデッドマンと言われ続け

 ツルハシについてディスられたからではないが、

 複雑な表情で宙に浮いているタケル……



「不死鳥って再生、希望の象徴だろ?

 ……ここ何が起こってんだ?」



 浮かない気分のタケルだが

 自身の右手とエレーナの背中のこともあり、

 気持ちを切り替えたところで思い出したことがあった。



「倒しちゃった……

 テヘーーやらん!!」



 情報を取るために拘束捕縛しろと

 セイラに言われていたことを思い出したタケル。


 手ぐすね引いて待たれるのは

 タケルになった瞬間であった。



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