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~63 相変わらずですね……~




「あっ、セイラさん?」

 

「!? オワアアアアアアアアーーーーー



 キーーーーーーーン



 慌てて耳から連絡用魔道具を離すタケル。

 それを見て怪訝な顔をする3人。



「聞く?」



 そう言って連絡用魔道具をベックスに渡す。


「&¥□▽#%ラァーーー!?」


 すぐに耳から離してセンターに渡す。


「貴○◎♪&/%##ーーゴォラァーーー!!」


 同じくすぐにマニスに渡す。


「グフ、グフフフフーー


 すぐに耳から離したマニス。

 連絡用魔道具をタケルに返す。


「なんかグフグフ言ってる……」



 もういいだろうと思い連絡用魔道具を

 耳に持っていき普通に話し始めるタケル。



「それでさぁ、今からフィーネに行こうと思うんだけど、

 セイラさん居る? まだアリアじゃないよね?」


「んあ? お、おお、おるぞ」


「んじゃ、3人連れてくから。ギルドに行けば良い?」


「ガトーのとこに来い、いまメシ食っとるワイ」


「わかった」



 会話が終わったのを見計らってマニスが驚きと呆れが

 混じった顔で話し掛ける。


「ハァ、もう驚かないけど

 アンタあのセイラと知り合いなのね……

 それと、あの通話の後でなんで普通に会話出来んのよ、

 まったく」


 ガトーさんとこの食堂大変なことになってるだろうなぁ

 と思いつつ、話を進めるタケル。


「んじゃ、エルフの森に入ったらすぐフィーネ近くまで

 転移するから」


 転移のことを聞いていないマニス。

 徒歩かどこかに馬車でも隠しているのだろうと

 思っていたようだ。


「ハァ? アンタ転移まで出来んの?」


「ん? 出来るぞ。

 マニスちゃんも影魔法出来るんだったら出来んだろ?」


「影魔法はそんな長距離転移みたいなこと出来ないわよ。

 どれだけ魔力使うと思ってんのよ。

 距離的には見えてる範囲程度よ」


「そっか、素質はあると思うけどな。

 その格好ならなんでも出来ちゃうよ」


「……次それ言ったら喉仏ツブすから」



 歩きながら話していたが怖いことを言っているので

 タケルが少し急ぎ足になり、

 エルフの森へ少し入った所に来た一行。


 とりあえずマニスの格好を何とかする必要があると思い

 聞いてみるタケル。


「マニスちゃん、その恰好で行く?」


「行くわけないでしょ!!

 街に戻るかもしれないと思ってたから

 一応着替えは持ってきてるわよ」



 そう言って影に潜るマニスが

 次に顔を見せた時には着替えが終わっていた。

 ーー便利だな、いいなぁ(タケル談)ーー

 薄いピンクのワンピースとローヒール、

 スラっと長い脚が膝から下だけ見えている。


「そんな恰好すると全然イメージ違うね。

 正にマニスちゃんって感じ」


「何よそれ? 

 私の顔はよく見るとキツイ感じがするからね。

 服装は大人し目にしないと目立つのよ」


(やっぱ顔の印象は

 エレーナさんが言ってたのと違うぞ?)


 そんなことを思うタケルであるが、

 まずは転移することにする。



「とりあえず木陰に隠れましょう。

 こっち集まってね~」

「担任か」

「オヤツは300円までね~」

「それは知らないわ。

 オヤツというよりサンドイッチとか持って行ったわね。

 オヤツって何持っていくの?」

「ウ〇イ棒とかチョコレートとか」

「ウ〇イ棒って知らないわーー


 ここでベックスとセンターが痺れを切らして、


「あの~転移しませんか?」

「早くしろよ!!」


 と催促する。



 ーーウ〇イ棒の話は後でねマニスちゃん。

 んじゃ行きま~す」



 無駄な遣り取りはあったものの

 軽い感じでフィーネまで転移するタケルであった。




★☆★☆★☆★☆★☆★



「あ奴は全く人の話を聞きおらんワイ」



 ガトーの食堂で

 少しばかり早い昼食を食べ終わったセイラ。

 タケルを入れて4人来るというので

 少し奥まった4人席に変わったところだ。



「フム、とりあえず詰めて座ればなんとかなるじゃろ。

 ガトーよ!! 適当に何か持ってきておいてくれ」


「とりあえず落ち着いたようだな!!

 タケル帰ってくんのか!?」


「そうじゃ、連れを3人ほど連れてきおるわ」


「おお、楽しみだなぁ。んじゃあ……

 まぁ適当に持ってくわ!!」


「頼んだ」



 相変わらずの「ビバーク」での

 相変わらずの会話である。


 ということで周囲は先程のセイラの絶叫から

 少し落ち着きを取り戻したところだ。



 ……



 何度か店の扉が開くもタケルではないことに

 イライラし始めるセイラ。

 と言っても通信を切ってから10分も経っていない。



 キィ



「ヒィィ!!」


「お主に用はない!! サッサと座れ!!」


「ハ、ハヒィ!!」



 逃げるように店内に入る冒険者。



「おっそいのぉ。

 いつまで待たせれば気が済むのじゃ(イライラ)」



 セイラ得意の大貧民揺すりが始まり

 店は小刻みに揺れ始めているが、

 近所のオバさま店員含め誰も何も言わない。

 怖いから……


 厨房から店の揺れに気付いたガトーが顔を出した時、




 キィ



「ここここ、久しぶりだなぁーー


 ーー遅いわぁっ!!!!」




 ドコォォォォーーーー

 ザシャァアアーーーー




 お腹にミドルキックを喰らい

 通りに吹っ飛ぶタケルであった。






 ガトーの店ビバーク 奥の4人席




 ガトーとの挨拶を済ませ席に座っている5人。



「……セイラさん変わって無いようで嬉しい、

 訳あるかぁ!!

 なんでいきなり蹴りなんだよ!! 

 遅いったって10分位だろ!!」


「ウム、元気そうじゃな」


「いや、人の話聞いてる? 

 蹴りで健康状態確かめんの止めて?」



 深い溜息を吐くタケルを他所に

 呆気に取られている3人の紹介を催促するセイラ。



「もういいよ。

 とりあえず紹介するけど、

 ヒソヒソーーこっからは小声ね。

 聞いてる人いないけど」


「ムッ、訳アリじゃな。分かった」



 そう言って、

 ヴァッケン王国、

 VVVNo.5商業関連を概ね取り仕切っているベックス、

 VVVNo.4王都の警備担当トップのセンター、

 王国の暗部リーダーであるマニス

 を紹介するタケル。


 それを聞いたセイラが感想を漏らす。



「フン、揃いも揃って重鎮ではないか。

 一体何をしておったのじゃ貴様は?」


「とりあえず事情を話したいからさ。

 メシ食ったらどっかゆっくり話せるとこある?」


「サクラがおらんのも気になるしの。

 そうじゃな……

 ギルドの3階にあるワシの部屋で良いじゃろう。

 防音も障壁も張ってあるから何にも漏れんわい。

 何にものぅ……フッフッフッ」


「意味の分からん不安を煽るセリフはヤメてくんない?

 とにかく美味しいメシはしっかり食っちゃおう。

 3人もそれで良いよね?」



 一応承諾を得ようと問い掛けるタケルだが、

 3人に否やはなく

 ガトーの出してくれた料理を平らげた。


 お昼前で忙しく、

 再度少しだけ厨房から出てきたガトーと話し、

 またゆっくり来ることを約束したタケルと一行は

 店を出るのだった。





 ギルド フィーネ支部3階 セイラの自室 



「しかしなんでギルド長より上の階で

 ほぼ全室セイラさんの部屋なんだよ。

 メチャクチャ脅したんじゃないの?

 呪いかなんかで?」


 少しだけ心当たりのあるセイラはそれには答えず

 一番奥の部屋に4人を通した。


 椅子が6人分と少し大きなテーブル。会議用かな?



「まぁ、座れ。茶は出さんぞ、面倒じゃから。

 飲みたけりゃそこにある茶のセットで

 勝手に入れるんじゃ」


 そう言って座り始める一同。

 マニスがお茶を入れてくれるようだ。



「さて、説明してもらおうか」



 そう切り出したセイラに説明するタケル。

 またマニスの件は一旦置いておき、

 まずはベックスとセンターの件から始める。

 足りない部分はベックスとセンターが補足しながら

 話は進み、



「要するに、魔国に亡命じゃな。

 しかしガチガチじゃのうヴァッケンは。

 まだ宣戦布告してないとは言え

 相変わらずヴルカヌスのアホウも聖光神に釣られて

 戦争戦争か」


 そう言って締め括ったのを見ていたセンターが

 笑っている。


「クックックッ、

 タケルを蹴っ飛ばしたのもそうだが流石はセイラだな。

 ブラントを引っ掻き回しただけはある。

 んで、ヴルカヌスと聖光神をアホ呼ばわりだからな。

 面白くって仕方ねぇ」


 それを聞いたセイラが反応する。


「ムッ、そうかお主警備担当とか言うておったの。

 面白かったじゃろう、あの親衛隊どもの慌てぶりが」


 二人して笑ってるけどセンターさんは良いのか?

 まぁあまり国に対して良い印象がないから

 亡命するんだし、そんなもんか。


 一頻り盛り上がったところでベックスが言葉を挟む。



「で、如何ですかセイラ様。

 私達は受け入れてもらえるのでしょうか?」


 笑いが残る顔で答えるセイラは

 ベックスの問いを全く問題にしていないようだ。


「ギャッハッ、ハ? 

 なんじゃそんなこと心配しておったのか。

 

 センターはオモシロいし、

 ベックス、

 お主は商業を取り仕切っておったのじゃろう。

 魔国でも充分に働いて商業面を活性化させてくれ。


 それにセンターも

 何かしら特殊なスキルを持っておるだろう

 存分に活かしてくれ。


 戦力は多いに越したことはない、金もな。

 ワシから連絡を取って早めに向こうへ渡るよう

 手配するワイ」



 珍しく真面目な顔をするセイラ。

 ベックスとセンターはホッとした表情で喜んでいる。



 こういう顔と話だとチョー美人で

 言うこと何も無いんだけど、普段がなぁ……

 残念過ぎるんだよなぁ。


 マニスはキリっとしたセイラに

 見惚れて顔が赤いようだが我に返って問い掛ける。



「ン、コホン。それで私のことはタケル?」



 とりあえずベックスさんとセンターさんは

 これでOKと。


 それからセイラの美人具合に若干慣れているタケルは

 忘れた訳ではないと、

 続いてマニスについてセイラに説明をする。


 主に二の腕に付いている「主従契約」の魔方陣の解除、

 それとマニスとエレーナの事情。

 

 特にお互い一度闘技場でも会っているのに

 本人と分からなかった点などを説明した。



「フ~ム、とりあえず魔方陣は見てみんと分からんが、

 姉妹じゃのに分からんかったのは

 姿が違う以外の答えはあるのか?

 記憶はお互い合っているのじゃろう?」



 その通りである。

 タケル以外の3人も不思議な話に皆目見当が付かないと

 首を捻っている。


「だから分かんないんだよ。

 サクラは姉妹ってことと、

 マニスちゃんが暗部ってのを予想してただけだし」


 少し黙っていたセイラだがタケルに問い掛ける。


「サクラは他に何か言ってなかったか?」


「後は……

 もう少し確信を得るには直接調べるしかないって」



 何かの漫才みたいだなと考えるタケル。

 サクラが居ないので誰も突っ込まないところで、

 合点がいったようでセイラが話し始める。



「……ワシと同じ結論じゃろうな。

 流石はサクラじゃ。

 何にしても魔方陣を調べることも

 同時にやることになるから、

 ちょっと着替えるんで部屋の外に出ておるのじゃ」



 珍しく真面目な表情が長く続くセイラを見て、

 逆に不安を覚えるタケルだが頼りになることも

 勿論あるので「なんで着替えんの?」などと言わずに

 ここは素直に従っておく。


 マニス以外は一旦退出する。


 1分も経たないうちに部屋内から「入っても構わんぞ」

 と声を掛けられたタケルは扉を開けて

 ベックス、センターと共に部屋へ入る。


 膝辺りまでの白衣を着て眼鏡を掛けたセイラが

 そこに立っている。

 中身は上下紺色のベストと膝辺りまでのスカート、

 靴も紺色5㎝程度のローヒールで

 ギルド支給の制服のままである。


 要するに


「なんで部屋出る必要があったの?」


 一応聞いてみるタケル。

 マニスは遊☆からの物体〇を見るような目で

 セイラを見ている。


「ん? 着替えるからじゃと言うたじゃろう。

 ボケたのか?」

「上着と眼鏡変わっただけで中身一緒じゃん!!」

「いや着替えたぞ」

「どこが?」

「ちゃんと脱いで着たぞ?」

「?」


 タケルもベックスもセンターも全く分からないので、

 どうでも良いことだが目撃していたであろう

 マニスに聞いてみる。


「マニスちゃん、この人なにしてたの?」


 遠くから帰ってきたマニスは目を何度も瞬かせ、

 意識を戻し答える。


「え、ええ。

 ちゃんと脱ぎましたよ、

 ハチ切れんばかりの胸部を剝き出しにしてーー


 その描写はイラン!!


 ーーそしてなぜかもう一度脱いだ服を着たわ」

 


 シーン



 これで分かったろう。

 セイラさんが普通ではないことが。

 あっ、来る前から評判だったか、テヘーー

 

 ーーやらんぞ!!



 とりあえずマニスを調べ始めることになった。




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