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~55 決勝トーナメントと計画のまとめですよ~



(ふぁ~あ。

 しっかし地味な技で派手な勝ち方したなぁ。

 大丈夫なのかね?)


 そんなタケルの感想を残して大会初日が終わり、

 無事初戦突破したことを

 ベックスとセンターに知らせたところ、


「嬢ちゃんは嬢ちゃんで目立ってたが、

 オメェはオメェで目立ってんぞ」


 と警備担当で関係者枠情報網で試合結果を

 逸早く知ってたセンターさんに言われたが、

 ナゼだ?


 それとサクラ曰く、


「私はちょっと目立った方が良いんです。

 こちらに眼を引き付けられますから。

 相手もナンパでしつこかったので

 丁度良かったですし」


 とのことだった。


 ナルホドね。

 サクラしつこいのキライだもんなぁ……

 相手の人ご愁傷さま。


 

 その後ブロック予選の試合は問題なく進み、

 オレもサクラも予選突破することが出来た。


 それで、

 なんでサクラはともかくオレが目立ってるのか?


 ベックスさんが応援に行った従業員の人達や

 見に行ったお客さんから聞いた話、

 センターさんが会場警備担当から聞いた話によると


 タケルについては、

 初日キチャなさで目立った後も毎試合毎試合

 制限時間一杯の泥試合が続き、

 やられてもやられても血塗れで赤黒く汚れ

 フラフラにもかかわらず立ち上がり

 最後は立っていることから「アンデッドマン」と

 呼ばれて一部人気を博していた。


 また大穴に賭けて儲けた人達が

 応援しているそうだ。


 その大穴狙いのオッサン達は

 儲けたお金をその日の内に宴会で使い切るが、

 それが6日連続なので

 変なファン層が出来上がり今度はいつ負けるのかを

 予想して仲間内で盛り上がっているらしい……


 サクラについては、

 美人であることと圧倒的強さで

 男女共に超人気であるとのこと。


 予選決勝はオッズが1.0倍となったらしく対戦相手に

 賭けるしかなくなったとのこと。


 そういった可笑しな状況ではあるが、

 明日の休みを1日挟んで明後日から決勝トーナメント

 である。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



「なんなのあの男は?」



 ブロック予選1回戦で

 タケルに惜しくも敗れたエレーナの呟きである。


 彼女は試合後、

 治療部屋で回復魔法師に診てもらっていたが、

 特に外傷も無く内臓にも一切損傷は無く、


 試合の最後の方に全力で殴り過ぎて

 少々疲労がみられたのみで

 問題なしとして扱われていた。


 しかし最後はどうやって倒れたのか分からない。

 スタミナ切れだったのか? 

 そういえばそうとも言えるかもしれないが

 少しだけ鳩尾が痛んだのは気のせいではない。

 だが確信は持てないレベル。



「あんなアンデッドみたいな男に負けるなんて……

 しかも炎に強くて速いアンデッド……

 気持ち悪いですわ」



 納得のいかないエレーナは2回戦以降

 タケルの試合を見続けた。


 そしてブロック予選決勝も「アンデッド勝ち」と

 噂されるほどアンデッドマンとしての名は定着し、

 誰もタケルとは呼ばなくなった男を見てエレーナは

 宿の部屋で呟いた。


「アンデッドだし

 あれで良いのかもしれないですわ……」


 そして叫んだ。


「んなわけあるかーーーーー!!!!


 もぉう我慢の限界ですわ!!

 直接問い質してやるのですわ」


 

 そう言ってダッシュで部屋を後にするのだった。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 ベックス執務室




「改めてブロック予選優勝おめでとう」



 先程まで商会の食堂でいつもより上等の食事をし、

 従業員達も含めて小さくではあるが

 祝賀会を行っていたのである。

 

 無論、タケルとサクラの決勝トーナメント進出の

 祝賀会である。


 今は途中経過も含め情報整理と打合せのため

 ベックスの執務室で話をする4人。



「順調だな。

 嬢ちゃんはこのまま騎士団か近衛で内定だな」


「タケルくんはアンデッドマンとして順調に

 有名になっちゃったね……」


 

 ハァ、と溜め息をひとつ吐いて、

 呟くように話し始めるタケル。



「可笑しいなぁ、目立たないはずだったのに……」


 それをサクラが耳聡く聞き付け答える。


「1回戦で血塗れになるからですよ。

 結局後の試合も続けないと不審がられますしね」


「他にイイ勝ち方ないだろ?

 あんな剣とかで斬られても無傷だろうし、

 エ? ってなってよけい目立つし」


 ちなみに血糊の血は

 ベックスが準備してくれている。

 そのベックスが、


「まぁまぁ二人とも、その辺で。順調なんですから」


 二人を宥め、傍らでウケていたセンターが、


「ククク、まぁとりあえず、

 決勝トーナメントの組合せ表確認するぞ」




【決勝トーナメント1回戦】


~会場 武の聖地 メイン会場 ヴルカヌス闘技場~


 決勝初日

 第1試合 魔人ゼット vs 光翼のラック

 第2試合 天眼のラピス vs タケル

 第3試合 サクラ vs 絶対防御のゼノン

 第4試合 千の魔術師ゾーン vs 拳闘士セスタ



 「第1、2試合は11時から、

 第3、4試合は15時からだ」


 センターが開始時刻を教えてくれる。



 ……オレはヴァッケン来てから

 結構我慢してたけどさ。

 もう言わせてくれたまえよ。


 まず、VVV(ブイスリー)だ。

 仮面なの? 超◯磁なの? ビクトリーなの?

 どんな翻訳でVVVなの?

 

 魔人ゼット? 天眼のラピス? 拳闘士セスタ? 

 混じったり見た目の印象的にアブなくないのか?

 地味に拳闘士が最も危険なような……


 ねぇいいの?


 その疑問にサクラから念話が入りタケルと

 言い合いになる。


(スルーしなさい)

(なんだよ、いっつも解説入れるのに)

(……)

(ねぇねぇどちて?)

(……)

(ねぇーー


 ーー言いながらアナタも

 一◯さんキャラ入れてるでしょうが!!

 ほんでもって計画も大詰めで

 そんなこと言ってる場合じゃないでしょうが!!)


(シーン……)


 緊張感皆無のタケルが怒られたのは

 ベックスもセンターも分からないため、

 なぜか雰囲気の変わったサクラに困惑しながらも

 話を進める。



「な、なんかコエーけど話進めんぞ。

 とりあえず予想屋が外したのは

 嬢ちゃんとタケル以外では第6ブロックだな」



 話の矛先が自分以外ならどこでも良いタケルは

 すぐにセンターに質問を投げる。


「ゼノンさんって

 予想屋さんも読めなかったくらい強いの?

 サクラが心配だナァ気になるナァ」


 なんとなく気持ち悪さを感じながらもセンターが、

 その質問に答える。


「お、おう。

 予想屋も常連のゼノンと迷ったようだが、

 瞬速はギルドランクがこの間Sに上がったから

 その実績からだろうな」


 それを聞いたサクラはタケルをジロリと睨みながら

 ひとつ溜め息を吐いて、


「情報有難うございます。

 ゼノンさんは

 ギルドランクSと同等かそれ以上ということですね。

 心して試合に臨みます」


 後でタケルには、お説教です。

 と思いながらもお礼と決意を口にする。


「そうだな。

 決勝トーナメントは予選と違って

 格段に相手のレベルが上がるからな。

 ゼノンの野郎も瞬速のスピードを

 完封したらしいしな、気を付けろよ」


 それを聞いたサクラは

 少しだけ口の端を上げて答える。


「絶対防御と何かしら先読みのスキルですか?

 フフ、楽しみですね」



 こんなキャラだったっけ?


 と思うタケルは置いておき、

 

 計画の最終詰めである。

 自分達がエルフの森に素材を取りに行く日が

 決まったことを告げるベックス。


「上手く決勝戦当日になったよ」


 決勝戦当日にしたのは

 以前から打合せていた内容であった。


 計画については確認のためサクラが纏めた。


 4強に残った時点で国から常時監視が付き始めるが、

 サクラは残るため問題なし。


 準決勝でエルフの森に行く手もあったが

 警備担当責任者であるセンターが

 抜けられない可能性もあった。


 しかし決勝戦当日は王であるヴルカヌス、

 護衛のためVVVのNo.1、2、3が表彰式のこともあり

 メイン会場に揃い踏みとのことで

 メイン会場の警備は万全。


 午後からの決勝戦を見たいというベックスの我儘に

 付き合う体を取ってお祭り騒ぎの最終日午前中に

 タケル含め出掛けてしまう計画であった。



「如何ですか? 

 やり残したことは明日中にお願いしますね」


「俺はなんもねぇな。

 荷物は置いてくし装備はしたままだから問題ねぇし

 ベックスに付いてくだけだな」


 続いてベックスも、


「ええ、私も全て準備は整っています。

 後は当日を待つだけですーー


 と言い終わったところで


 何か思い出したベックスが、


 ーーそうそう、この件とは関係ないのですが、

 明日は二人で王都を回ると聞いていますから

 店や納品はお休みにしましたので

 安心してゆっくりして下さい。


 大会もお休みですしね」



 ハ?



 となるタケルにサクラが説明する。


「王都の街の地理的情報を取りたいので、

 私が会長に申請しました」


「エ? オレも行くの?」


「……イヤなんですかねぇ?」


「イエ、マッタク」



 計画も纏まり準備万端ではあるが、

 決勝トーナメントが始まってしまえば

 後は流れるように

 計画実行当日まで過ぎてしまうことを予想して

 サクラが予定を入れたのであった。


 実はタケルと二人で街を歩いてみたかった

 という理由が

 多分に含まれていたことは乙女の秘密である。



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