~43 わたしのギルドカード作成ですよ~
王都に着いたオレ達は外門のところで門番の人に
ギルドカードの表をどこかの時代劇の印籠みたいにして
見せる。
「うわ! 失礼しました」
と言われて、オレとサクラは従者
ーー印籠だしな(タケル談)ーー
ってことで仮身分証代
50×2=100デルフィ支払ってスンナリ入った。
ウン、印籠みたいに見せたのはセイラさんだよ。
あとオレの残金は144デルフィだ。
ハッハッハッ……ハァ。
まぁとりあえず置いといてだな、
この世界、
国内での移動ではそこまで検閲が厳しくない。
フィーネもそうだったなぁ。
敵対国は南側だけだもんな。
だから国境は厳しいらしいけど、それが普通だわな。
んで、今は王都のメインストリートを
ギルドに向かって歩いているところだ。
「ウム、改めて良く似合っておるのう」
サクラの服のことだ。
タイトロングのワンピースでサイドに
長いスリットが入っており色は黒。
上半身はノースリーブで体のラインが出るもので、
上着には真っ黒な縁に高そうな金色の刺繍の入った
薄手のローブを着ており、
靴も黒で底の厚いヒールである。
「そ、そうですか? ありがとうございます。
タ、タケルはどうですか?ーー
言われるまでもなく似合ってますですよ。
似合ってるし美人だし、
さっきからセイラさんとサクラと一緒に歩いてるから
視線が暖かかったり氷点下だったりで
辛いぐらいスバラシイよ!!
ただ一点を除いては……
ーーダ、ダメダメですか?……グス」
「ダァーーー違う違う!!」
「タケルよ、照れるのは分かるが素直に誉めてやらんか。
女心の分からん奴め」
常識の分からん奴め、
って言い返したいけどそうじゃなくて。
「違うんだよ。
メチャクチャ似合ってるし良いんだけどーー
一拍溜めてから続けるタケル。
ーーそれ用意したのあの骸骨だぞ!!
なんか素直に納得出来なくない?」
……
あ、あれ? なんか変なこと言った?
「ハァ、タケルよ」
「な、なに?」
「それは言ってやるな」
「え? な、なんで?」
「そうか……お主見ておらんのか」
エ? 知らんうちになんかあったの?
「あの骸骨、服を渡すとき……
手が震えておったんじゃぞ!!
ワシが一旦受け取ったんじゃが
なかなか離さんかったしのーー
フゥ、と遠い目をしながら、
ーー辛かったんじゃろうのう……
己の夢より国の未来を取ったんじゃ。
見上げた奴よ!!」
……
オカシイな?
あのときだよね?
サクラが着替えにいった時……
土地が手に入ってウヒャヒャってなってたのしか
見てないけどな。
なんか変だな……
「ねぇセイラさん、着替えに行ったときだよねその話?」
「当たり前じゃ」
「……オレの横に居たよ骸骨」
「ハ? ワシのとこにもおったぞ?」
……
「ダグザ様から指示された骸骨さんだったのでは?」
と、サクラが言った。
……
服もそっちの骸骨さんの
生前の思い出の品だったりとかか?
……
みんな無言のままギルドに入った。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
王都のギルドは広かった。
フィーネの3倍くらいある、
受け付けも10ブース程あるし。
併設の酒場も大きいねぇ、
40~50人いるんじゃないの?
オレ達が入ると目立つ女性2人は
早速「ヒュー」だの「ウオオオオ」だの
「ソイヤ!!」だの言われてたが「ソイヤ!!」含め
何かしら絡まれることもなく
受付にセイラさんが向かうーー
ーーと思ったら受付横の職員用入口と書かれた扉を、
バーンッ!
という音と共にズカズカと入っていった……
受付のお姉さんたち数人が慌ててバックヤードへ
走っていったぞ。
……
何事かと周囲はガヤガヤと騒いでいるが、
オレ達は待つしかないので扉近くで
サクラと待つこと数秒、
もう待ってるとは言わないがーー
ーーヒィィ!!
という声が上の方から聞こえてきた。
周囲もその声を聞いて静まり返っている。
少し間を置いて、
ヒョッコリとさっき入っていった職員用入口から
顔を覗かせるセイラが、
「お主等、こっちゃ来い」
と手招きをするので、
タケルとサクラは訝しげに思いながらも
言う通り扉の中へ入るのだった。
扉を入るとセイラがタケル達を2階へと先導し、
応接室と書かれた部屋へ入っていく。
タケル達もそれに続くように部屋に入ると、
目に入ったソファ、テーブルの向こうに
立っていたのはーー
ーーハァ、セイラ殿のお連れ様ですね。
わたくしここのギルドマスターの
メゾン・アン・モメントと申します。
メゾンとお呼び下さい。以後、お見知り置きを」
セイラさんに似た褐色の美丈夫から挨拶をされた。
タケル達がメゾンに挨拶を済ませ、
セイラにさっきの騒ぎの顛末を聞いたところ、
1階の職員用入口に消えたセイラは迷うことなく
2階応接室隣のギルドマスター室へ向かい扉を開け放ち
追い掛けてきた受付嬢たちに取り囲まれながら、
「オイ」
と言うセイラの声が掛かるまで思考停止しており、
扉の前に仁王立ちするセイラを凝視していたが、
声を掛けられたことで我に返り悲鳴を上げたようだ。
「ハァ、毎度お越しになる度に騒ぎを起こさんで下さい」
「ム、スマンの」
「まぁ言っても聞かないでしょうけどーー
(そうそうなーんも聞かないよ、この人)
ーーで、今日はどういったご用件で?」
セイラは自分がサクラのギルドカードを作ることと
ヴァッケンでの武闘技大会の申請書類を作ることを
メゾンに伝えた。
メゾンは訳有りだと分かったようで、
溜め息を吐きながらも
自分の私室にカード作成の魔道具と書類を準備するから
少し待ってくれ、
と言いお茶を淹れてくれてから出ていった。
パタンーー
「なんか弟子みたいに見えたよ」
「ん? そうじゃな昔ここに勤務した際に
面倒見てやったからの。
弟子みたいなもんじゃ」
「なるほどね~」
そこで何かを思い出したのか、
タケルがセイラに疑問を投げる。
「そうそう、それでサクラのギルドカードは
なんでフィーネで作んなかったの?」
ああ、そんなことかとセイラが答える。
「まぁ念のためじゃ。
同じギルドから4強に2人も残ったら目立つじゃろ?
前例が無くはないが懸念材料は潰しておくに限る」
ヘェ~これまたなるほどね。
こういった方面とイタズラ
ーー悪知恵とも言う(タケル談)ーー
にはアタマが回るなぁ。
口には決して出さないが
タケルがそんなことを思っていると、
メゾンが準備が出来たと伝えに来たため
セイラとサクラは立ち上がりタケルに声を掛ける。
「行ってきますね」
「楽しみに待っておれ」
と言ってメゾンさんに案内され出ていった。
しかしサクラ緊張してんのか? 挨拶してから?
いや骸骨思い出の品話辺りからか、どしたんだろ?
パタンーー
帰ってきたメゾンと二人きりのタケル。
初対面でオマケに気の効いた話も出来ないたタケルは、
今回のお礼は言ったものの後が続かず気不味いなぁ、
と思っていたが、
「ハァ」
と溜め息を吐くメゾンを見て、
恐らくセイラのことだと思ったタケルが、
「大変ですね」
と労いの言葉を掛けると怒涛の如く喋り始めた。
「いえね、ホント今回だけじゃないんですよ。
毎度来る度に騒ぎを起こして
わたしにも立場ってものが……
良くお世話になりましたし
お手伝いするのは構わないんですよ、
構わないんですが……前に来たときもですねーー
それはセイラとサクラが戻ってくるまで
続いたのだった……
持ち金を勘違いしており、修正しましたm(_ _)m




