~42 王都アリア到着~
サクラの魂の身体への定着も無事に終わり、
オレ達はヴァッケン王国へ向かっている。
色々あったが当初の目的である
聖炎国ヴァッケン王国での世界武闘技大会に
出場するためだ。
ヴァル、リムの姉弟も竜の里へ帰った。
他の竜王たちが居るとはいえ、
マザーのことがあるからね。
感謝状を送りたいと思っているイブリスさんも
帰ったしね。
ちょっと疲れてる感じだったけどそりゃそうだよね。
ありがとうございました(ペコリ)
最後にダグザさんには「もう来るな」って言われたよ♡
んでもってオレ達は
転移で向かうのはニダベリルの洞窟を抜けてから
フィーネまでとして、
そこからはサクラの情報収集も兼ねて馬車か徒歩で
南にあるヴァッケンへと向かうことにした。
途中、セイラさんはフィーネとヴァッケンとの
国境までにある獣王国の王都アリアで
獣王アリア様に会う予定だ。
まぁ結局オレ達もなんだけど。
「前にも聞いたけどアリアって名前付くの多いねぇ」
「ウム、王が代々アリアでの。
そのせいか分からんが王都近くの砦も
全部アリアと名が付くの。
メンド臭かったんじゃろ」
ちなみに今は王都へ続く大きな街道を歩きながら
話している。
サクラは周囲を眺めて情報収集中である。
「まぁ王都近くだから分からんでもないけどねぇ。
それよりヴァッケンの大会はオレとサクラの二人で
出場ってことで良いんだよね?」
タケル達はニダベリルを出た後、
1日だけフィーネで滞在し
世話になったガトーとショコラに無事であることと
お礼を述べ、サクラを紹介し必要なモノを買い込んだ。
サクラのことはセイラさんの妹ってことで
納得できるはずもなく
ーーなぜそうしようと思った?
知ってたけどバカなのか?(タケル談)ーー
オレの親戚ってことにした。
二人してニヤニヤしてたけど……
説明ムズいしね、ゴメンなさい(ペコリ)
その夜は当然ビバークに一泊し、
その際にセイラさんがゼヒライテ様と竜の里で
打合せておいた今後の動きを確認していたんだけどーー
「ウム、お主等は予定通り師匠殿のこともあるし
大会出場じゃ」
「で、準決勝まで残ってヴルカヌスさんとこで
世話になる、と」
要は大会で4強まで勝ち残ると、
ヴァッケン王国に取り立ててもらえるようだ。
「そうじゃ師匠殿の指示も達成出来るし、
アホ共の懐で情報も取れるし一石二鳥じゃろ」
対戦は良いけど潜り込むの大丈夫かなぁ。
まぁサクラもいるし何とかなるんだろうけど。
ただその前にやることがあるんだよねぇ~ハァ。
「それはそうとギルドは大丈夫だったの? セイラさん」
「オウ、ギルド長に休暇延長の申請をしてきたワイ」
「ヘェ~納得してくれたんだ」
「当然じゃ」
当然と言っているセイラだが、
申請書を持っているギルド長の顔の横数㎝にまで
自分の顔を近付けて
「冥王の加護」を持つ者しか使えない「万呪怨殺」
というセイラ得意の闇属性魔法を
ブツブツと呟き始めたので当然即承認は下りたが、
それを当然と言えるのはセイラだけである。
なんとなく怪しむタケルだが突っ込んでも面倒なので、
片付けないといけない事について
段取りを確認しておく。
「フーン、まぁ良いけどさ。んで、結局サクラとのーー
とタケルが言ったところでセイラが言葉を継ぐ。
ーーそうじゃ、サクラの戦力確認のためもあるが
アリアの前でお主との模擬戦を披露して
力を見せて付けてやるんじゃ」
「え~~ヤダなぁ、
って言いたいところだけど
アリア様の説得も兼ねてるんだっけ?」
「そうじゃ。
いつまでも中立などと
日和ったことを抜かしておるからの。
それでも納得せなんだら
お主とマザーの模擬戦も見せてやるんじゃ」
へぇ~持って来れるんだ、あの映像。
はぁ~用意周到だねぇ、
まぁ今更隠すつもりはないけど。
そういや戦力確認といえば
ステータス確認はどうすんだろ?
オレはいいけどサクラね。
と思っていると、
「あと大会の書類も作るからギルドに寄るぞ。
いずれにせよサクラのステータス確認はせにゃならん。
まぁ強いに決まっとるがの」
ニヤリと悪顔セイラ。
とそこへ地理や魔物など各種情報収集を行っていた
サクラが一段落付いたのか会話に入ってくる。
「書類にギルドカードが必要ですもんね。
ただ必要かは別にしても、
私もステータスは見ておきたいですね」
サクラなら概ね自分で分かると思うけどな。
と考えているのが分かったのかサクラが補足する。
「今回は肉体的な条件が加味されますから
一応確認しておきたいですね。
身体を頂いて初めてですしね♡」
まぁそういやそうか。
「そうじゃの、タケルの書類はフィーネで作ったからの。
後はサクラのギルドカードと申請書類じゃ。
前も言うたが、
数値は記載せんで良い、スキルもじゃがな。
ギルドカードはワシが職権を乱用して作るから
サクラのステータスも漏れんし、
あとはワシと所属のギルドマスター以上の
許可があれば良いので問題はないの」
オレの書類はありがとうなんだけど。
ヘェ~、職権をねぇ乱用するんだねぇ……突っ込まんよ。
と、タケルが思っていると、
「職権乱用はちょっと聞き捨てなりませんが
置いておくとして。
では、王都のギルドマスターさんに許可を?」
置いたけど大丈夫か?……突っ込まんよ。
またここでもニヤリと悪顔セイラ。
「いいや、もっと確実に審査を通したいからの」
ああ~なるほどねぇ、珍しくオレも分かったわ。
ということはーー
「アリア様にお願いするのですね」
「そういうことだ、アリアの名前は当然伏せるがな」
ーーサクラも分かってるわなぁ。
そんな会話をしていると結構時間も経っており
気付いたセイラが、
「おぉっ、結構時間食ったのう。急ぐぞタケル、サクラ。
王都の名物ランチを食うのじゃ!!」
おお!! そんなのあんの!?
とタケルが思っているとサクラも、
「わぁ、楽しみですねぇ!
ちなみにどんな料理ですか?」
「そうじゃなぁ、日によるのぉ」
「へぇ~日替わり的な感じですね、益々楽しみです!
ちなみにどんなお店ですか?」
「ちがうぞ」
「エ? 何がですか?」
「店ではないぞ」
「?……ちなみにどこですか?」
「城だ」
タカりじゃねーかよっ!!
結局突っ込むことになったわ!!
見たらサクラもコケてるし、そりゃそ~なるわなぁ……
まぁサクラのギルドカードも上手くやるんでしょ、
放っとこ。
アホな遣り取りをしながらも走り出すと皆速い。
フィーネと王都の距離は
フィーネとニダベリルの距離の
大凡倍の220km程度あるけど目立たないように
隠蔽を掛けて街道脇を走って4時間弱で到着した。
「ホゥ、変わっとらんの。あれが王都アリアじゃ」
小高い丘から見下ろす王都アリアは
中心に聳える山かと見紛うばかりの1本の木に
護られるように広がった自然豊かな大都市だった。
幕間を挟みますので2話投稿になりますm(_ _)m




