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~4 ガトーさんにお聞きしましょう~




「あいよタケル!!

 出来たからそっちで勝手に食いな!」


「ありがと~ございま~~~す」


『ナンマンダブ』

 ーーそれは違うぞサクラ(タケル談)ーー



 ドゲザの体制から

 何度も頭を上げたり下げたりしている動きが

 気持ち悪かったのか

 オッチャンは引き攣った顔をしながら、



「もうその感謝の、なんだ?

 舞みたいなのは良いから早く食べちまいな!! 


 んでもって泣くんじゃねぇ!! 

 どんだけ腹減ってたんだよ!!」



 いやぁ~本当に感謝してるんだよねぇ~


 だってさぁ、

 ここに来る前の最後10日程師匠と修行してたけど

 食事は2、3日に一度しかしない

 ーーだって修行やめないんだもん!!ーー

 だから本当に腹が減っているのだよ。


 しかし、ガトーさんがあんまり気持ち悪がってる舞を

 いつまでもやってはマズいので、

 せめてキチンと言葉でお礼は言ってから

 頂くことにしよう。



「ガトーのオッチャン本当にありがとう。

 感謝感謝(合掌)いただきます!!」


「おうよ!! 食え食え!!」



 大皿にパンがどっさりと別の皿に焼いた肉が

 どっさりといった感じ。

 肉は手の平サイズに切ってあり、

 それをフォークでブスっと刺して食べる。



「うぅ~~んっ、ウマいっ!! 元気出るね!!」


『タケルはお腹が空いてるとダメですからねぇ……』



 なんかサクラから微妙に呆れられた気がしたが

 放っておく。



「口に合うなら良かったぜ!!

 遠慮せずたくさん食うんだぞ!!」


「ウッス!! ありがとう、ガトーさん!!」



 調理場から出てきたガトーさんがオレの前に座り

 パンの上に肉を載せて食べ始めた。


 ガツガツとパンと肉に噛り付きながら、

 持ってきた果実酒と牛乳? っぽいものを

 テーブルに置きオレにも勧めてくれる。



「食堂も夜からだし、

 それまでゆっくりしてって良いんだぜ」


「ありがとう」


『良い人ですね』


(そうだな……)



 ニコリ、というかニヤリというか渋いオッチャンを

 見ながら考えてしまう。


 こういう人が魔物に襲われたりで

 亡くなってしまう……

 前の世界でもたくさん見てきた。


 出来る限り見える限りは守りたいと思う。

 色々と経験するのは良いんだけど、

 あんま悲しいのは嫌だなぁ……


 まぁずっと言ってるけど、

 師匠も何かしら目的があって旅させてるんだろうし

 そう思いたい……


 あんま文句言うとまたボコボコにされるので

 一旦考えるのを止めて、

 この世界とかまぁ色々だな、

 についてオッチャンに聞いてみようかなぁ。



「それはそうとオッチャン。

 オレって今日ギルドに登録したばっかりの

 田舎者なんだよね。


 この辺りのこと分かんないし色々教えてよ」


 肉を頬張りながら聞いてみる。


「そうか登録したばっかりか、

 ってどっから来たんだ?」


『あの山の向こう』


「あ~、あの山の向こうだよ」

(サンキュ、サクラ)


「そうかぁ南か西の辺りだな。

 そしたらエルフの森あたりかぁ。

 そりゃあまた田舎だわな」


「そうそう、そうなんだよ。

 右も左も分かんなくってね」

(ゴメン、ガトーさん)


「いやいや気にすんな、困ってるときはお互い様だ。

 冒険者になるのに出てきたんだろ?


 そしたらここいらの魔物や魔獣のことぐらい

 知ってないと危ないからな。

 っていうかシんじまうぞ」



 と言って周辺のことについて教えてくれる

 ガトーさん曰く、


 この街フィーネの少し西にある湖の向こうから

 南に走る山脈はフォルス山脈というらしく、

 その山脈の向こう側がさっきのエルフ領とのこと。


 んでもって、

 この街フィーネ周辺の魔獣や魔物については

 街道にゴブリン、ハーピー、コボルトなんかが

 ちょくちょく顔を出すらしい。


 湖周辺にはリザードマンといった水陸両棲の魔物や

 ウルフ系の魔獣が棲んでいるとのこと。


 またフォルス山脈にはワイバーンやオークが居て

 近寄らないほうが良いらしいので、

 エルフ領からフィーネに来る場合は山脈の南側を

 迂回することが多いんだって。



(ふ~ん、

 オレはその山を迂回してきたことになんのね。

 ヨシヨシ)


 とタケルが確認していると、


「フィーネ周辺の魔物についてはこんな感じだ。

 タケルが依頼受けるなら薬草採取か

 ゴブリン退治ぐらいが良いように思うがな。

 そうだなぁ後は……」



 と、続いてガトーからの説明は、



「少々キナ臭い話になるんだがな…」


 といった枕詞を皮切りに、


「この街フィーネは獣王アリア様が治める

 獣王国アリア

 ーーアリアアリアなのね(タケル談)ーー

 なんだが、南にある聖光国と聖炎国と

 戦争になるかもしれねぇんだよ」



 といった確かにキナ臭い話が出てきた。


 ガトーさんにもう少し詳しく聞いてみると、

 150年程前に全世界を巻き込んだ

 「ツイノミタマ」と呼ばれる大戦があったらしい。


 ガトーさんもお祖父さんから聞いたとのことで

 簡単に言うと、聖光国、聖炎国、海洋国家と

 魔国、獣王国、最果ての帝国で争った大きな戦争

 だったそうだ。


 双方大変な被害を被った痛み分けだったらしいが、

 特に中心的な存在であった魔国と聖光国の大将は

 そのときのケガを治すべく

 未だ静養中とのことらしい。


 あと岩山国というのがあるらしいが

 そこは自国を護るため

 戦争には参加しなかったという。


(とりあえず長生きだな。

 まぁ種族特性があるし気にならんけども。


 それより聖光国=光、聖炎国=火、海洋国家=水、

 魔国=闇、獣王国=風か? 最果ての国=? 

 これが分からんな、寒そうだけど)


 タケルがそんなことを考えていると

 ガトーから声が掛かる。


「そんな戦争が昔あってな。

 それが尾を引いたままで

 未だに色々と燻ってはいたんだが

 魔国と聖光国の大将がケガしてたのもあって

 割と平和にやってたんだわ。


 それがなぁ……」


 あとは言わずもがな、

 ってやつでガトーさんは言い辛そうに切り出すと


「そういった訳でな、

 タケルにとっちゃあ田舎から出てきたとこで

 酷な話なんだが、

 ヤバくなりそうだったら直ぐにエルフの森辺りか?

 に帰ったほうが良いぜ」



 とえらく心配した様子で言ってくれた。



(まぁホッント良い人だわガトーさん。

 しかし戦争かぁ。

 なんでこうもいきなりキナ臭いかねぇ)


『ガトーさんのことも含めてホントですね。

 明らかに巻き込まれ要素を孕んでますよ』


(まだこっち来て1日経ってないんだけどなぁ……

 まぁ言っててもしようがないけどなぁ)


 と何かしら踏ん切りをつけたタケルは

 ガトーに向かって、



「心配してくれてありがとね、ガトーさん。

 だけど大丈夫だよ。

 ヤバくなったら誰よりも早く逃げるから。

 逃げ足だけは自信あるんだよ」


 と胸を張って自信満々に言うタケルにサクラは、


『ちょっと、もう少し言い方ないんですか』



 と呆れ口調でタケルに言うものの、

 ガトーは既に守るリストに入っているのを

 知っているサクラ。


 またタケルの言葉を聞いて

 少し気持ちが上向いたのか、



「ガハハハハ!! 

 そうか逃げ足早いのか、そりゃ良いな!! 


 まぁヤバくなりそうなら伝えるし

 今心配しても始まらんからまずはタケルは

 メシ代稼ぎだな!!」



 と返したところで、

 ガトーがなにかしら思い出したように

 タケルに向かって、


「そりゃそうと、

 タケルに聞いときたいことがあんだよ」



 一段落すると突然ガトーさんが言い出した。

 何か思い出したようだ。



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