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~34 さすがに強いですね!!~



 扉を通った途端、

 これまでの圧迫感が嘘のように霧散する。


 中に入って、まず最初に目を奪われたのが天井だ。

 めちゃくちゃ高いぞ。

 

 天然の洞窟か?

 壁もそうだけど殆ど手を入れず

 そのまま利用している感じがする。


 しかも壁はなにかしら魔力を帯びているのか

 もしくは魔力を伝えやすい物質

 ーー所謂この世界では貴重な魔石ーー

 で出来ているようで仄かに輝いており

 目に優しい光を放っている。


 そこから奥へ目を遣ると

 一際高い位置にある玉座。

 そこからあまり傾斜のきつくない階段が

 5段ほど延びている。


 玉座までは距離があり

 途中少し狭くなっている場所


 ーーおそらくここまでが控えの間

 ここから先が謁見の間なのであろうーー


 に、いま通ってきた扉と同様に衛兵らしき者が2人、

 奥には左右に10名づつ近衛兵であろう者が

 微動だにせず立っている。


 そのゼヒライテまで続く赤い絨毯の上、

 先頭を歩くリンデンブルムはというと、



(フゥ、なんだったのかな?

 珍しく威圧を使ってたなマザー。

 タケルを試したのかな?


 呼び出してるし……

 ウ~ン……

 でもタケルはそんなには慌ててなかったな。

 クス、やっぱ面白いヤツ)


 そんなことを考えるリンデンブルムに、



「お帰りなさいませ。

 ゼヒライテ様がお待ちです」



 とだけ声を掛け、二人の衛兵がサッと道を開ける。

 チビッ子と言えども竜王。

 リンデンブルムは軽く頷くと堂々とした態度で

 その間を通りタケルたちもその後に続く。





 玉座でその様子を眺めているゼヒライテ。



(よく連れて来てくれましたセイラ。

 少々不安でしたが……

 そうですか、彼がーー



 ホッとする気持ちを噛み締めながら、

 ゼヒライテは向こうからやってくる

 セイラの傍らを歩く人族を改めて興味深く眺めた。




「お連れ致しました」




 目の前にリンデンブルムが到着し跪く。

 なぜかセイラは立ったままであるが……




「ご苦労でしたねリム、ありがとう」


「恐れ多い、お安いご用です」


 畏まるリム、


(お安い感じに見えんかったけどな)


『ちょっと黙ってなさい』


 突っ込むタケル諌めるサクラ。

 そんな中ゼヒライテがセイラに声を掛ける。



「セイラ……久しぶりですね、壮健でなによりです」


「ウム、マザーもお元気そうでなによりじゃーー


 そこで大層な胸を有らん限り張って、


 ーーそれとじゃ、約束通り連れて来たぞい!!

 依頼達成じゃ!!」



 流石のセイラも若干ではあるが丁寧な対応であった

 のも数瞬いつもの調子に戻った。


 セイラの発言に周囲は若干訝しげな雰囲気を醸すが

 構わずゼヒライテは言葉を返す。



「フフフ、ありがとうセイラ。

 ゆっくり話す機会を設けるので、

 色々聞かせてくれますか」


「ウム、無論じゃ」



 さて、といった感じで視線をこちらに向ける

 マザーことゼヒライテ。


 いまは人化しており、

 体にフィットした膝上辺りまでのミドルサイズの

 ワンピース。


 素材は分からないが透き通るような色で

 透明ではなく乳白色。

 

 ノースリーブなのか肩から素肌が露わになっている

 ようで透き通るような白い肌が目に染みる。


 ショートマントを羽織っており、

 これも素材は分からないが今は薄い青色に見える。


 ワンピース同様なにかしら魔法の付与が

 成されていると思われる。

 青色のショートブーツも同様である。




「面を上げなさい」


「はい」



 セイラを除く他の者たちと同じように

 跪いていたタケルは返事をしゼヒライテに

 顔を向ける。




 ……




 ほんの一呼吸ではあるが

 視線を合わせるタケルとゼヒライテ。

 互いに探りを入れているのだが、

 そんなことは億尾にも出さない。




 「フフ、少し二人で話しましょうか」




 ゼヒライテが言うなり、周囲の景色が変わるーー




 ーーそこはどこまでも澄んだ水を湛える

 広大な海の上だった。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 

 一応飛べるから落ちんけどねぇ……

 で、ここどこ?

 

 と考えるタケルにサクラが答えようとした時、

 ふいにゼヒライテが声を上げる。


 


「テラエー」




 急に暗くなった海面から

 視線を空へ振り上げるタケル。




 ? 全長……ワカラン



『全長155km!!

 存在するだけで空間が歪んでいます!!

 とんでもない重さの……竜種と確認!!

 重力攻撃来ますよ!! 同時にーー



「レイジエス・ミリアルド」



 ッズッッッッッッッシッッッッッッッッーー

 キィィィーーーーーーーーーーーーーーーー




 身体を戦闘モードに一気に引き上げるタケル。

 真っ赤な中にチラホラと白色が混じる

 焔のようなモノを纏い、

 視界一面を埋め尽くす光にーー




『重力50万ニュートン!!

 約50トンと推測、電磁加速砲(レールガン)に近い

 光属性攻撃、億を越えています!!』



 ーーオロチ!!




 ここまでの攻防が一瞬。


 ゼヒライテの放った攻撃はオロチが喰らい一瞬で

 掻き消える。



「5つか、そのまま上のとーー


 言う間もなく、


「エミネンス・ミリアルド」



 周囲の温度がとんでもなく上がっていくのが

 分かる。



『焦点温度120万度を越えます!!』



 ッシュゥゥゥゴォォォォオオオオオオーーーーー



 「オロチは、って、もう()ってるかーー



 上空でテラエーと戦り合っている

 5つの頭を持つ全長100mを越える竜を横目に

 自身の戦力も更に上げていく。



 ーー「拳神演義 日光浴!!」



 跳ね上がるステータス。

 突き出した掌から凝縮された蒼白い光が

 ゼヒライテに放たれる。



『熱反応相殺可能です』



 タケルがゼヒライテの攻撃を相殺、

 押し切るべく魔力を更に込めようとした刹那、



「インテ・ノクルス・オンタリオン」


「!!」

『!!』



 ッゴゴゴゴゴォォォオオオオオオオオーーー



 いわゆる数百万度を越える核融合反応での攻撃。


 タケルの攻撃が同じく熱攻撃と見切って

 その効果分を上乗せしての

 戦い慣れた者だけが出来る臨機応変、

 柔軟な戦闘思考が産み出した極大の熱攻撃。


 物質は蒸発もしくはプラズマ化するのが

 普通だがーー



「ブハッ!」

『! 下12時の方向!!』



 ッシィィィィーーーーーーーーーーーーー


 

 熱波と煙の中から顔を出したタケルを

 ゼヒライテの斬擊が襲うが間一髪半身で避ける

 タケル。

 ゼヒライテからの斬擊は一気に上空まで駆け上がり

 オロチにも襲い掛かり首を1本落としていった。



 ビュォォォォオオオオーーーーーーーーー



 斬擊の余波で風が舞い上がる。



 「ッ!」



 気付いたときにはゼヒライテの真後ろのタケル。



 「拳垓天興!!」 「双葉!!」



 一発一発が星を砕く勢いのタケルの拳が

 ゼヒライテを襲う。

 その数は既に数えられる範疇を越える。

 対するゼヒライテはーー



 「ティルムント・アレスト」



 ーー 一瞬ではあるが時間を止める。



 そして余裕をもって目の前のタケルに

 神竜剣「レイカーター」を振り下ろし、

 時間が進み出すがーー


  

 ドッスゥゥゥーーーーーーー



 「ツゥッッ!!」



 寸前で反応はしたものの、

 その細く見える二の腕に

 大きくめり込むタケルの拳。


 ゼヒライテが一瞬で展開した防御結界をも

 打ち破り、

 空中で大きく距離を取らされることになる。


 暫しの沈黙、双方相手の出方を窺いつつも、

 思考は数多の選択肢を検証中である。




 ……



 

 そんな中、徐に言葉を投げるゼヒライテ。



「フフフ、なんですか今のは? 

 気配も魔力も物理的にも手応えは有りましたよ。

 わたしの神竜眼に幻影などは通用しませんからね」


「双葉だけど」

『バカですね、それでは説明になってませんよ』




 タケルとサクラの会話を聞いていたゼヒライテは、

 ふっ、と殺気と威圧と「威神竜覇」という

 ユニークスキルを解く。




「フフ、まだまだ余裕がありそうですねーー



 話ながら上空のテラエーを下がらせるゼヒライテ。

 同じくオロチを戻すタケル。



 ーーハァ、

 わたしのユニークスキルは

 対象のステータスを50%まで減少させる効果が

 あるのですが、

 効果は無かったようですね」



 答えないタケルを見てゼヒライテは、



「ゴメンなさいね、急に襲い掛かったりして……

 キャッ! 襲い掛かるなんて言っちゃった! 

 はしたないですわ、もう」




 ……




 まさか、また増えるんじゃないだろうなぁ……



 突然受けた攻撃よりも気になる不安材料に

 頭を悩ませるタケルであった。



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