~2 ギルドで登録しましょうか~
街にはスンナリ入ることが出来た。
街の門での検問では言葉がワカランかったけど
並んでた5~6人の人達と兵士の人達かな。
その会話を聞いてたら
サクラが会話を取り込んで解析し
翻訳してくれたんで会話もできるようになった。
セキュリティは?
と思ってたら検問にあった平型の透明の石板に
手を置いて犯罪歴を調べるだけだった。
地方都市っぽいしこんなもんなのか、
と兵士の人にお礼を言って
二重になってる内門を通ると微かな魔力反応が
あった。
サクラの解析によると
悪意に反応する仕組みだそうです。
へぇ~結構ちゃんとしてんのね。
悪意に反応って術式構築ムズいんだよねぇ、
こんなもんとか言って失礼しました。
えっ? なんでそんなことが出来るのかって?
それはですなぁ、サクラが元AIだからだ!!
特に解析が得意だ。
って言われても知らんがな。
それゃそうだわな、ということで
簡単に説明するとだね、
師匠んとこに来て暫くして朝起きたら
『わたし、サクラと言います』
って自己紹介され、誰?
と思い狼狽えたのも良い思い出だなぁーー
ーーな訳もなく、
慌てて師匠に相談したら「慣れろ」だってさ……
どうも俺が眠ってたときに放ったらかしにしてた
携帯の充電が完全に切れたタイミングで
オレの身体? 魂? に入ったようだ。
今考えても、んなことあんの!?
いや、あんのか……
いや、ないだろ!?
いや!!
もうやめよう……
とにかくそのサクラ曰く、
『どうもこの世界の法則でしょうか?
私は意志を持つ者として認識されたようで、
結論として器(肉体)のない私は持ち主であると
認識されたタケルの器へと移ったようですね』
フ~ン……簡単だな、おい!!
と、当時は思った……まぁいいけど。
師匠んとこおかしいしな!!
それから同じ肉体に2つの意識という形で
共同生活を送っている。
オレの世界でいう人工知能、
第8世代自立型AIというらしい。
ということで、
サクラはその特性を活かして会話、文字等を
取り込んで解析し、
それをオレに共有してくれるようになった。
お陰様で会話に困ることはまずない!!
その他情報も勝手にいろいろ集めてるしね。
大変助かるのである。
というか任せっきりだ!!
ありがとう(合掌)
ーーちょっとなくなってるみたいだから
やめなさい(サクラ談)ーー
通りも結構賑わってるなぁ。
と思ってるとやって来ましたギルド前。
やっぱあるのね。
『さっ、登録してご飯代と宿代稼ぎますよ』
(そうだな、パパッと登録して稼いで、
んでもって寝たい!!)
『クス、そうですね。
体力等は回復しても疲労が蓄積されてますし
万全ではないでしょうしね』
「そうなんだよねぇ。
ま、とりあえず前んとこでも
最初はゆっくり出来たし大丈夫でしょ。
ボチボチやるよ」
『フフ、ハイ』
……
ギルドのドアを開けると酒場だった。
まぁ酒臭い。
が、みなさん楽しそうでなによりですなぁ。
豪快に笑っている冒険者、嘆いている冒険者、
色々と思うことを思うままに話す冒険者たちを
横目に見ながら、
奥に見えるカウンターを目指して歩いていく。
ちなみに新人に見えて絡まれるといった
お約束はない。
『タケル、カウンターの端をみてください』
(ん? また石板みたいのがあるな)
『あれに手を置いて
ステータスを確認するようです』
(名前とか聞かれんのかな?)
などと思いつつ見ていると手を置いた後、
すぐにカードっぽいのを受け取っているので
間違いないだろう。
(ちなみに内容はどんな感じ?
やっぱ身分証代わりにもなんのかね?)
『そうですね……今の方、
のカードをチェック出来ましたが身分証なのは
間違いないですね。
あと内容、項目等も一部拝見出来ましたーー
【表】
発行ギルド・登録地︰
獣王国アリア フィーネ支部
ギルドランク H
名 前:コスモ
職 種:戦 士
受 付:マーサ
―――――――――――――――――――ーー―
1 魔 力:99 2 筋 力:67
3 敏 捷:65 4 状 態:疲労小
―――――――――――――――――――ーー―
賞 罰:なし
ーーとなっていました。
裏面は見えませんでしたので分かりませんね』
(そっか。それはいいんだけどな、
なんか名前んとこウズウズすんな。
燃焼しそうだ)
それは置いといて。
サクラはオレの五感から得た情報を元に
解析をするので
オレが見たり感じたり等しないことには
その能力は発揮出来ない。
ただ一瞬でも見たり聞いたり匂ったりしたものは
絶対に忘れないので非常に有難い。
改めて合掌
ーーだからやめなさい!!(サクラ談)ーー
討伐経験は討伐した際の魔力の動きを読み込んで
ステータス表示するか普通に申請か
部位の納品形式か?
称号とかスキルとかと一緒に裏面にあんのかな?
まぁ裏面にしても表面にしてもオレのは
少し弄らないとダメかなぁ。
オレのステータスって師匠のせい……
お蔭でそれなりになっている、と思う。
ここでいきなりカードに
オレの情報が表示されても
面倒なことになるだろうしなぁ。
『これまでのデータから裏面は
恐らく称号やスキル。
他人に見せにくいものでしょう。
表面同様にごくごく平均的なものに
しておきますのでご心配なく』
(そうか、まぁ適当によろしくな)
『はい、任せてください』
ニッコリ微笑んでいるような雰囲気が
伝わってくる。
うん、サクラと話すと癒されるなぁ。
こういうときだけだけど……
そんな遣り取りをしながら、
カウンターまで進む途中の右手側の壁に
依頼の紙が貼ってあったのが見えた。
この辺は世界が変わってもあんま変わらんのな。
まぁ受けるのは登録した後なので今はスルーだ。
そんなことを考えるタケルに受付から
少しトーンの低い声がタケルに掛けられた。
「はいはい、次……オイ、貴様。
そこの何かと薄そうな幸も薄そうな貴様じゃ」
なぜか受付から少し離れた位置にいたタケルを
呼び出した女性。
また同時に辛辣な評価を受けるタケル。
(そ、そんなか?)
『そ、そんなには……でも』
タケルがサクラの評価も含め落胆の色を見せるも
女性は別のことが気になったのか
訝し気な顔で様子を窺っていたが、
すぐに目が笑っていない笑顔に戻った。
(ちょっと怖いねこのお姉さん……
ちょっとした名物受付嬢みたいな感じか?)
などど考えていると、
「はじめてじゃろ?」
声を掛けたエルフであろう
その女性は種族特性を存分に発揮し、
その容姿は相当なものであった。
いわゆる美人に分類されるのは当然だが、
頭ひとつかふたつ抜けており、
スタイルは十頭身ぐらいありパリコレのモデルも
道を開けそうな勢いだ。
更に付け加えると、
その受付嬢は女性特有のある部分が
非常に良く育っていた。
(こ、これは、ギ、ギガ?
い、いやテラか、もとい、幻のペタ!!)
いや、これ以上は考えるまい。
サクラが恐いからね。
すぐに思考停止だ。
しかし、外見に似合わず小難しそうな、
口も少し悪い感じがするけど何より口調が……
かなり古い、というか悪い魔女風味がするのは
気のせいじゃないと思うんだけど、
見た目と合わないなぁ。
お約束の下心満載の男達から声を掛けられる
とかもないしなぁ……
などといったタケルの思いなど関係なく
その女性エルフは続ける。
「まずはそこの透明の石板に手を当てるのじゃ。
ギルドカードを作るのでな」
まだ初めてともなんとも返事をしていないのだが
サッサと処理を進めていく。
オレが冒険初心者というのは
彼女の中で確定のようだ。
「あ、ハイ、よろしく……お願いします」
お願いに二重の意味を込めて石板に手を置く。
石板が反応し少しづつほんのり白く輝き始め
手の周囲に魔方陣が浮き出てくる。
『ちょっと行ってきますね』
(よろしく)
サクラが情報を書き換えに
侵入していったようだ。
……
「オッ?」
受付の、その高い美人度を下げる行為
ーー椅子の上で胡坐かいてんな(タケル談)ーー
と口調にも拘らず、
その美貌は微塵も衰えない
エルフお姉さんが疑問の声を上げる。
(オッ? って言ってるぞ(汗)
大丈夫かサクラ?)
心の中でサクラに話し掛ける。
また騒がれるとかヤダなぁ。
と思っていると、
「終わったぞい。
少し時間が掛かったのぉ。
珍しいこともあるもんじゃ。
あ~それと、名前を教えるのじゃ」
どうもいつもより時間が掛かっていたので
疑問に思ったようだ。
「あ、タケルと言います」
「フム、タ・ケ・ルと、苗字は……ないな」
ウン、変な間が気になったけど
貴族でも何でもないしね。
幸薄いらしいしね……
手慣れた感じで石板の上にある少し凹んだ所に
カードを置き、ペン? に魔力を流し込みながら
カードに名前を刻んでいるようだ。
(へぇ~文字入力されるんじゃなくて
魔力で刻むんだな)
そんなことを思っていると、
「ホレ、出来上がったぞい。
本人以外使えんからな」
(なるほど。
本人の魔力照合と偽造防止用に刻むんだな)
などと思いつつ、
「ハイ、ありがとうございました」
「ほれ、失くすなよ。
規約なんかはこの紙に書いてあるから
キチンと読むんじゃ。
後はまぁ適当に頑張るんじゃぞ。
それと最初からあまり遠くへ行くんじゃないぞ」
子供か!!
って言いたいところだけど、
まぁ心配してくれてんのかな。
「まぁ、死なない程度に頑張りますよ」
「フン、生意気な言い回しじゃの」
「ワシはセイラじゃ。
困ったことがあったらここへ来い。
だいたいはここにおるのでな」
声を掛けてくれる理由が
何かしら薄そうだからという理由であっても、
色々と情報を得る上では
有難い申し出には代わりない。
「ありがとうセイラさん。多分また来ますよ」
「ただし死体になって来るのは勘弁じゃぞ」
セイラさんがニヤッとした。
ここでニコッとならないのが
この人らしいのだろう。
笑顔で見送られオレたちはギルドを後にした。
……
さて、とりあえずこの世界の身分証も
手に入れたし、
情報収集、宿屋、お食事って感じかな。
いやお食事ってガラじゃないな、メシだな。
サクラのが伝染った。
しっかし旅の目的ってオレを強くすること
なんだろうけど旅するより師匠と
ずっと修行してれば強くなるような
気がすんだけどなぁ……
なんか他の目的もあるんだろうなぁ。
あのオッサ、ゴホン、
深謀遠慮の師匠のことだから。
ま、考えてもしょ~がない。
まずは初日だし
宿屋とメシぐらいは何とかしたいし
お金を稼ぐことにするか。
さて、サクラと相談しよ。




