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~17 先に言ってください!!~



 とりあえず洞窟の入り口が閉まると拙いので

 洞窟内に入ったすぐのところでセイラさんに聞く前に

 サクラに確認

 ーーあっ入口なくなったぞ、ヘェ~便利だねぇーー

 してみる。



(ネェネェ、サクラさんや「グテイ」ってなにかなぁ?)


 その質問に一拍おいて答えるサクラ


『……この洞窟に案内されたときから幾つか可能性を

 推測していましたけど……

 あとはご本人にお聞きしてみましょう』


 それを聞いたオレは大至急セイラさんに

 質問をぶつける。


「ネェネェネェネェ。

 セイラさん「グテイ」ってなにかなぁ?」


 歩き出そうと前を向いていたセイラは向き直って、


「なんじゃ、気色悪い声出しよって」

「いや、だからグテイ?」


「ん? グテイ?」

「さっき言ってたじゃん「洞窟が狭いのでーー」

 のその後だよ」

「? なんかオカシかったか? 

 え~とじゃのう確かーー


 ンガァ~~ジレッたいなぁもう!!


「洞窟が狭い……軍を差し向け……愚弟自らーー


 すかさず力強く突っ込む!!


「そこだよセイラさん!!!!」



 は? といった超アホ顔だが、

 なぜか超キレイというムカムカするバランスで

 セイラは答える。



「? あぁ、なんじゃ、変な発音で喋るでないわ!!

 愚弟じゃろうが!? それがどうしたんじゃ?」


「『愚弟とは?……』」


「ハァ、ワシの弟に決まっておろうが。

 残念ながらあれでも魔王じゃからのう。

 魔国を通るにも一応許可を取ってだな。

 ん?

 なんじゃお主等、変な雰囲気出しおって?」


「『ワシとは?……』」


「なんじゃお主等揶揄っておるのーー




 シーン




「……言うてなかったの、テヘッ(ペロ)!!」



 舌を出して片目を瞑りながら頭を小突く様をジト目で

 黙って見ている、オレとサクーー



『カ、カワユイ♡……』



 オレだけのようだ。

 誤魔化されないサクラが珍しくセイラの年齢

 ーー年齢知らんけどーー

 の割に痛い行為に目を奪われているのを横目に、



「ちょっと変だなとは思ってたけど、

 ただのギルドの受付嬢じゃ……


 そりゃ、な訳ないよねぇ。

 こんな洞窟知ってんだもん、

 とサクラの受け売りしとくよ」


 少しバツが悪そうに応えるセイラ。


「スマンスマン。

 隠しておった訳ではないんじゃがな」


 なんとなくセイラさんの身の上は判ってきたけど、

 やっぱセイラさんまだまだ何か隠してるよねぇ。


 とりあえず魔王の姉ってのは解ったけど

 竜族のこととかもねぇ……


 考えを巡らしていると、

 スッと雰囲気が変わり流し目でこちらを見たセイラは、


「続きはバカ弟の居る大陸に着いてから、

 ゆっくり説明してやるわい」



 真面目にしてるとかなり格好良いよねセイラさんって、

 口調がちょっと、ちょっとちょっとだけどな!

 

 などと思っていると、



『チョ、チョーカッコイイ♡……』



 もう惚れるんじゃねぇかなこの人……




☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 んでもって、ちょっと整理するとだな。


 竜の里は魔国の北側だし、

 行くには魔国を通らないと行けないので

 魔国に許可を取るため魔王に直接会って

 サッサと許可を出してもらうとのことだ。


 ということで、

 今は洞窟を下へ下へと降りているところだ。


 セイラさんの話では

 アンデッド系の魔物が出てくるのは最下層から北側へ

 抜けていく通路辺りかららしく、

 そこまでの道のりは覚えているそうだ。


 確かに結構分かれ道あるし覚えてないと

 迷うだろうなぁ。

 オレにはサクラがいるから安心だけどね!!


 あと魔物はアンデッド系ねぇ、へぇ~~~



 ……



 アンデッド=不死、ということは、

 不死=アンデッド……

 チガウ!! なんか思考が働かん!!

 不死ってことは、もしかして、もしかしなくても!!



『タケルの苦手な相手ですね』


 ザリジャリと洞窟内の土と小石を踏みしめながら歩いている。


 ザリジャリ ザリ  ジャ  ザ   ジャ  ……


 段々とセイラさんの足音が遠のいていく、

 ウン、これでいいのだ。


『……いやちょっと、なにしてるんですかタケル』


「いや、足が勝手に戻ろうとしているのですよ。

 これはオレの意思ではどうにもーー



 ガシッッッッ



「コォォラァ、貴様どこ行くんじゃ」



 肩を掴まれたオレは恐る恐る振り返る。

 大きなお寺の横にいつも立ってる○王像みたいな

 セイラさんが、そこにいた。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 セイラさんの鬼の形相>アンデッド系魔物となり、

 引き続き洞窟内を最下層へ向かって歩いていく

 タケルとセイラ。



「しかしお主がレイスやゴーストが苦手とはのぅ。

 戦ったところは見たことないが、

 あれだけのステータスじゃ

 大概の者は倒せるじゃろうて」


 サクラが補足する。


『セイラ様、

 タケルは以前も不死系の魔物と戦ったことはありますし

 倒してもいるのですが……』


 ほう、と少し関心があるようで眉を上げながら


「では、なにが問題なんじゃ?」


『それはですね、

 生理的に受け付けないと言いますかなんと言いますか。

 簡単に言うと怖がりなんです……』


 ハ? といった顔で口を開けて、オレを見ているぞ!!

 スンゴイバカにしたような、いやバカにしてる顔だな、

 ウン!!……


 理不尽よりマシだろっ!?

 ……マシかな?



「バカか貴様は!!

 あのステータスであんな雑魚共の何が怖いんじゃ!?」


 おずおずとタケルは答える。


「いや、

 なんかいっつも急に出てきて

 オォオォヒャッヒャ言ってるし、

 恐ろし気な顔してるし、骨だし、腐ってるし、

 臭いも凄いし……」



 ハァァァ、と大きい溜息を吐かれてしまった。



「臭いは置いといて、お主、気配察知は出来るんじゃろ?

 それでは出てくる前に判るではないか?

 急にということにならんではないか?」


「いやぁ、来る来るって思うと余計に怖くってさ、

 ハァッハッハッハッ!!」



 開き直ってアホみたいに笑ってやったぜ!!

 ザマァミロ!!


 なぜ開き直ったかというと

 こういうときサクラは決まって同じセリフを吐くことを

 オレは知っているからだ!!



『いつまでも腹を括れないなら

 お師匠様に連絡しますね』


 ほら出た!!


『タケルがアンデッドを恐がって逃げようとしたって』



 ……破門になれば自由だが

 あのジジ、ウェッ、ウオッホン、

 あの偉大な御師様は

 「それより恐いものをワシは知っておるぞ」

 とか言ってとんでもないこと、


 そうだねぇ、9割9分9厘9毛ゴロシとか。

 毛1本分活かしてくれるやつね。

 シにそうなのに器用だな!! とか思ったなぁ。


 になるのは目に見えている……


 イカン!! 気が遠く……

 ハッ!! アブナイ!!


「ハァ、分かってるよ結局こうなるのね。

 ガンバリますよ」


 なにか罪を犯したみたいになっているが

 マジにシャレにならんのだよ……


 横で大受けしているセイラさんを

 恨めしそうに見ていると最下層に到着したようだ。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★



『セイラ様、

 ちなみダグザ王とは一体どういった方なのですか?』



 オレはなんとかなるだろくらいに思っていたが、

 よく考えてみれば通り抜けんのも難しそうな

 「強敵じゃぞ!!」とかも言ってたし、

 どんな奴だろ?



「ウム、

 ワシもさすがに全てのことを知っとる訳ではないが、

 ダグザは元人間なんじゃ」



 不死王ダグザーー

 洞窟のあった森

 オレたちの走ってきた平原、海底洞窟のある周辺一帯を

 治めていた王国の高位魔法使いで、

 いつしか不老不死の研究に取り憑かれ、

 この海底洞窟に籠ったという。


 彼が洞窟に籠り200年以上。

 誰も彼のことを覚えている者が居なくなった頃

 ーー探せば少しは居るだろうね。

 セイラさんみたいな老……ゴホゴホーー

 

 ダグザが人間だった頃とは既に周辺を収める王国

 ーー現在はアリア王国に吸収されているーー

 も変わっていたが、

 そこの王は海底洞窟に大軍勢を派遣し魔物を一掃しようと

 考えた。


 しかしそれが悪夢のはじまりだった。

 

 はじめは調査目的で数十人程度の兵を何度も派遣したが

 誰も戻らないことで、

 業を煮やしたその国の王は万に近い軍勢を差し向けた。


 しかし洞窟は狭く迷路のように入り組んでおり、

 マッピングしながら進むものの、

 あちこちで大量のアンデッド達に攻撃され、

 兵たちは這う這うの体で逃げ帰ったらしい。


 その後危険なため封鎖、情報統制されたものの、

 なんとか自国の脅威を排除しようと国が極秘で名うての

 冒険者に依頼。


 足を踏み入れたが数人が帰ってきただけで、

 その帰ってきた冒険者達もパーティーの殆どを失って

 逃げ帰ってきたようだ。


 兵たちを含め

 その僅かな生き残りの話からダグザは王を名乗り

「海底洞窟は我が領土、我が王国ニダベリル、

 足を踏み入れる全ての者には死が降りかかると思え」

 と言われたそうだ。


 生き残りはそれを伝えるために見逃されたようだ、

 とのこと。


 そういった歴史があり、

 数百年前から洞窟の存在は各国の資料から

 一部の国を除いて封印、抹消されているとのこと。



 ……



 黙って聞いていたが、

 ダグザくんは不死になったんだねぇ。


『なにを呑気に「なったんだねぇ」ですか。

 魂を転移させる方法もしくは肉体が滅びないのなら

 時間を操る魔法。


 しかも元人間で魔法使いなら知能も長い経験からかなり

 高いものになっているでしょう。

 いずれにしろかなり厄介ですよタケル』


 う~ん、

 と目を瞑って腕を組んで胡坐をかきながら

 サクラに向かって、


「でもさぁ……セイラさん。

 なんか厄介って言ってたけど倒せないとも言ってないし

 「冥王の加護」あるし「闇の賢者」

 って呼ばれてるんでしょ?


 相性は良いように思うんだけど。

 それに一応オレもサクラもいるんだよ、負けるかな?」



 その遣り取りを聞いていたセイラは、



「クククク、クァハハハ!!

 タケルよ、言うではないか。

 少し見直したぞ!! 少しだがな!!」



 少しかよ!!

 というかセイラさんの中での

 オレの評価は一体どうなってんだ!?

 心外だ!! と思うがお互い様だろうな、ププッ。


 などと考えているとセイラさんが言葉を継ぐ。



「そうか、そうじゃの、なんとかなるかの」



 だんだんと雰囲気も明るくなってきたところで、

 出発しますか!!


 と勢い良く歩き出そうとしたところで、



「そうそう、

 ちなみに奴には物理攻撃も魔法攻撃も

 効かんらしいからの」



 ……




「『先に言え!!』」



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