表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/250

~104 獣王国 vs 連合軍③~



 獣王国アリア側国境から約50㎞程西側にある海岸

 その上空。


 下に見える海と砂浜には

 オーセルの軍船と大規模部隊が展開していたが

 先程の落雷で既に戦闘力は削がれたようだ。


 ちなみに雷一発の電力量は一般家庭の使用電力量の

 約一週間分、感電シの危険がある電圧は42V以上と

 言われているが雷一発の電圧は1億Vである。


 それが降り注いだのである。

 概ね全滅なのも当然であった。


 その落とし主は呑気にタケルへと

 ここへ来た事情を説明していた。

 


 ーー何か魔王んとこにベリウスとアリアから

 連絡入ったらしくてさ。

 それからマザーに連絡がいったんだけど


 そしたら珍しくイラッとしてボクに、


 「蹴散らしていらっしゃい、秒で」


 って」



 今は人化しており以前会った時と変わらず

 15、16歳の少女の姿である。

 今日は蒼穹を思わせるワンピースに

 同じ色のサンダル履きのようだ。


 前は軍服とショートマントみたいの着てたな。

 そんなことを思っていたタケル。


 ヴァルディオーネの説明の

 マザーがイラついている原因は分からないが

 ただこれ以上ない援軍であるのは間違いない。



「秒はムリだけど、あと一匹でしょ?

 タケルがヤっとく?」



 そんな「一本いっとく?」みたいに言われても

 困るタケルは、



「う~ん、出来れば任せていいですか?

 あんま目立つと後々面倒なんで」


 と、少し考えてからそう答える。

 それに対してヴァルディオーネ。


「うん、いいよ。

 そうそう、また弟に会ってやってよ。

 オモシロいから会いたいって言ってたぞ。

 あっ、サクラもね」


 戦場ではないような会話が続くが

 相手は待ってくれない。


 前方の宙空に現れたセルキ。

 それを見たタケルは、


「おっと、それじゃスミマセン。

 よろしくお願いします」


「はいよ~」



 と軽い返事のヴァルディオーネを残して

 転移するタケル。


 黙ってその様子を見ていたセルキだが

 攻撃をしなかったのには理由があった。



(ひとりは転移したか……

 しかし作戦は微妙なところ。


 あれを出した今国境を落とすのは可能だろうが、

 一人になったとはいえこいつを抑え切れるか?)



 撤退か戦闘か。

 国境と東側海岸に"隠し玉"を投入している

 今であればそこを突破し王都を落とすまで

 可能であると考えているが、

 このヴァルディオーネを押さえられるかどうか

 判断が付かなかったのだ。


 しかし




 !?




 タケルの攻撃とヴァルディオーネの落雷で

 国境を含めた東方面を探っていなかったセルキだが

 隠し玉とは別に大きな魔力、

 というか自分よりも大きいのではないかと思われる

 超高密度の膨大な魔力が出現したことを確認する。



「な、なんだこれは?」



 目の前のヴァルディオーネの魔力も異常ではあるが

 現在は押さえている状態。


 そのヴァルディオーネがセルキと同じ方向を見て

 独り言ちる。



「おお~スゴイね~

 へ~アイツ等のことかな~」



 余裕のあるコメントを聞き、

 舌打ちをするセルキ。


 舌打ちを聞きながら

 セルキの方は見ずに東の方を見ながら

 頭の後ろで腕を組み尋ねるヴァルディオーネ。



「で? そっちはどうするの?

 ハッキリ言って「マザーからは蹴散らして来い」

 ってことだから全滅させろとも言われてないしーー


 ただ、と続けるヴァルディオーネ。


 ーーヤるなら塵も残さないよ、オーセルの」



 そう言って戦闘体勢に移行したヴァルディオーネの

 魔力圧は東の二つの魔力にも引けを取らず

 まだまだ高まりそうな気配もある。


 悟られないよう生唾を飲み込むセルキは、

 それでもオーセルの№3

 どうにか言葉を紡ぎだす。



「フフ、余裕ですわね。

 逃がしてくれると?」



 その言葉でセルキの方に向き直った

 ヴァルディオーネが答える。



「あっちに合流しなければね」



 戦闘体勢、表情は無い。

 相手からすれば最も集中した厄介な状態。

 どんな状況にも即応できる。


 下手な真似をして逃げても転移先まで

 追い掛けてくるだろう。

 

 そもそもがユグレイブかヴァルディオーネが

 出てくると予想は立てていた。

 しかしイレギュラーの東の2体。

 

 それに間近で見た

 ヴァルディオーネの圧倒的な存在感。


 見立て違いも良い所だ。

 イレギュラーの2体がおらずとも

 こちらの用意したモノでは相手にならんだろう。


 そこまで考えて答えるセルキ。



「ウフフ、そんなことはしませんわ。

 あなたの気が変わらない内に

 失礼させて頂きますわ」



 そう言って転移しその場から姿を消す。

 一瞬、下の海岸に現れ国宝の槍を取っていたが

 その後は完全に姿を消したようだ。



 それを見たヴァルディオーネは戦闘体勢を解き、

 


「さっ、終わったよ~マザ~。

 後はオモシロそうだから

 あっちの戦闘でも見てこっかな。

 どうせあの辺にタケルもいるでしょ」



 そう言って、まずは国境方面へと

 スイ~っと

 気持ち良さそうに飛んで行くのであった。


  

☆★☆★☆★☆★☆★



「魔国ならば五将かセイラ、

 竜の里ならユグレイブかヴァルディオーネ。


 そこまで読んでおったからあれ等を打つける

 つもりで連れて来たというのに……


 何だあの化け物は!?」


 怒りと困惑で震える拳を

 テーブルに叩き付けるラウル。

 気持ちは察するが結果は変わらない。




 国境西側



 魔道具で魔界から召喚されたのは


 ゾンビ・アースドラゴン 変異種

 無限の回復再生能力を持つ不死属性のドラゴン

 瘴気を纏い、その影響で反属性や苦手属性の

 聖系統、炎系統の属性魔法ですら効きづらい。

 おまけに元が地属性を持つため

 風系統、雷系統も吸収され魔法については

 殆ど効かない。


 また攻撃についても瘴気を纏った腐食性のブレスに

 地系統の属性魔法も使いこなし

 物理攻撃も強力である。



 召喚して間も無く出てきた正体不明の魔力体だと

 予想される精霊のような姿を持ったモーニングを

 着込んだ男を見てラウルも始めの頃は、



「ほほう、こちらの手を読んでおったのか?

 ククク、涙ぐましい努力よな」


 などと余裕であったが、

 いざ戦闘が始まり、まずは戦闘体勢に移った際の

 ベレヌスの魔力に驚愕する。

 そして使い始めた魔法を見て

 更に驚愕することになる。





太陽黒点(サンズスポット)




 一瞬でゾンビ・アースドラゴンを包み込む

 黒い球体。

 周囲への影響も考えこの選択。


 球体が解けた後、少し残骸が残っていたが

 そこからまた

 再生を始めるゾンビ・アースドラゴン。


 しかし何度も何度も同じ魔法を使われ、

 ゾンビ・アースドラゴンは何もさせてもらえず

 何度再生しても再生する先から口笛でも吹きそうな

 上機嫌な様子で超高温3,000度~4,000度の

 炎で焼き尽くされる。

 いずれ魔力切れで消滅するだろう。


 タケルと戦う時は100万度を超える

 魔法を放たないと勝負にもならないのである。

 ベレヌスにとっては半分夢現でも放てる魔法。

 

 なので、戦闘中で如何にも高難度の魔法を放ち、

 苦労している風を装いながらも

 周囲の女王を含めた女性達を調査している。



(フム、女王様は流石に

 スバラシイプロポーションですな。


 しかし少々熱くなり過ぎて

 空回りしておるようですな)



 一応、戦闘の分析もしているようだ。

 危なくなれば助けに入るくらいの理性は

 残っているようであった。




 そんなベレヌスの内面は知らなくても

 起こっているのはゾンビ・アースドラゴンが

 何も出来ずに何度も焼かれているだけという

 現実である。


 そして冒頭のコメントへと繋がるのである。




 一方、東の海岸はというとーー

 


点検ミスで少し修正しました。

申し訳ありませんm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ