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~102 聖光神の過去~



 ユウコの神域 神殿内 応接室(大)



「さて、あとはタケルの連絡待ちじゃ。

 とりあえずワシの話をしてやるワイ」



 こちらはタケルが出て行った後の神域。

 セイラが聖光神との事情について話をするようだが、



「ムッ? その前にじゃな。

 ちょっと待っててくれ」



 そう言って部屋を出て行くこと5分程度。



「スマンスマン、待たせたの」


 時間も殆んど経っていないので

 周囲も気にしてはいないが、


「何かセイラ殿を見ていたら

 私も行きたくなって来たな」

「あっ私もです、お姉さま」


 と言い出すヌフとディース。


 ユウコがフワリと床に舞い降りる。


「案内する」


 その言葉に礼を言い付いていく二人。


「ん? なんじゃ? トイレか。

 まぁ構わんが、時間もまだ有るしの」


 そこでサクラがセイラに注意しつつ尋ねる。


「セイラさん、お花摘みですよ。

 それにセイラさんも行ってきたんでしょ?」


 その言葉を聞いたセイラは、


「アホか!! 違うわ!!

 お主と違って便秘でも下痢でもないワイ!!


 ベリウスに帰ってもらって

 ついでにアリアの件を愚弟に伝えてもらうよう

 指示してきたんじゃ!!


 アリアの方は連絡を入れるかワカランが、

 とりあえずこれで確実に伝わるじゃろうが」


 と珍しく真面な理由で席を外していたようだが、

 今度はそれを聞いてサクラが即反応する。


「誰が便秘や下痢ですか!!

 変な噂を広めるのは止めてください!!

 セクハラにモラハラですよ!!」



 最後の方の単語は分からないものの

 当然言い返すセイラ。



「変な噂もクソも、あっ、クソって言うてしもうた。

 シャレではないんじゃぞ♡

 

 いや、そうではなくてじゃな。

 サラとデーブから聞いたぞ、

 お主「お腹から直接出そうかと思ったよ」と

 言ったらしいではないか!?


 下痢疑惑は置いておいて、

 なぜそれで便秘ではないと? んんん?」



 遠い目をしながらサクラは思う。



(サラとデーブ、ゆ・る・さ・ん……


 あと相変わらずメチャクチャ美人だけど、

 同じくらいメチャクチャ腹が立つ

 お顔ですねぇぇぇぇ(怒)

 タケルの気持ちが少し理解できたかも……)




 ガチャリ




「すまない、待たせたようだ。

 ん? 何だこの異様な雰囲気は?」


 帰って来たユウコはじめ3人は首を傾げるが、

 サクラもセイラもアホな遣り取りなので

 気持ちを切り替え話を進めようと

 気持ちが一致したところで、



「ああ、お二人の便秘と下痢の話ですな、

 ホッ ゴボォ――――



 サクラとセイラから左掌底と右スクリューブローを

 もらうヴァジュラであった。






 少し横道に逸れたが、

 流石ヴァジュラも雷帝の一角である。


「ゴボォ」などとお茶を吹き出していたが、

 直ぐに何事も無かった様子で「ホッホッ」と

 いつもの調子で席に着いている。


 その様子を横目で見たサクラは、


(タケルが居ないときは

 ヴァジュラさんが身代わりになるのね……

 ナンマンダブ(合掌)


 などと思っていたが、

 ドタバタがあったことが無かったように

 セイラは語り始めた。

 スバラシイ切り替えである。

 ――いいや、自分勝手なだけだ(タケル後日談)――




「さて、ワシと聖光神アンについてじゃが――


 セイラの説明によると


 まず聖光教は光神アム・ソルフェージュを

 最高神として奉じる多神教である。


 アンこと

 アン・ラーゲ・エアステラ・ディー・ヴァフマナは

 その聖光教の敬虔な信者であった。


 特に「戦いと言えど慈悲を以て相手に接する」等の

 教義に感銘を受け、

 王女の執務の傍ら熱心に布教活動も行っていた。


 そんな生活が数年も続いた後、詳細は省くが

 当時まだエルフとダークエルフが揉めており

 それをアンが和解させる。


 長年の怨恨もあり当時それは大変な偉業であった。


 その功績を認めた聖光教から当時の聖都クリムゾンに

 呼ばれ世界平和貢献による表彰を受けたそうだ。


 その功績もあってアンは枢機卿にまでなったが

 各国への布教活動も変わらず続けた。


 もうその頃には魔国の王女としてより

 聖光教の”慈愛の女神”としての方が有名になっており

 戦争になりそうな危険な地域に精力的に

 足を運んでは話を纏めて戦争を回避させることに

 成功していた。


 その後2度目の世界平和貢献による

 表彰を受けることになる。


 この頃になると

 布教活動も含め種々の案件を抱えていたアンは

 魔国から聖光国へと引っ越していた。

 



 ――ん? ワシか?

 ワシはその頃魔法の研究に明け暮れておってな。


 魔王の方も同じくじゃ。

 何でも真似しよるからなあ奴は。

 で、まだ先代、ワシ等の両親も生きておったな。


 まぁ割とハナクソほじりながらの

 平和な生活じゃったワイ」



 ハナクソは置いておいて話は続く。



 アンが目に見えて変わったのは

 教皇に選出された頃かその後らしく

 自分で聖光神と名乗り始め、

 和平を纏めた中小国へ

 聖光教に改宗させ属国になるよう迫ったそうだ。


 すぐに両親がアンに会いに行ったものの

 いつまで経っても帰って来ず

 聖光国に連絡を入れると「来ていない」

 の一点張りであった。


 何か有ったのは間違いないが

 如何せん何も手掛かりが無く、

 その後セイラからも

 何度も連絡を入れたが答えは同じとのことで

 加えてアン本人にも連絡が取れなかったそうだ。


 その後はひとまず

 現在の魔王を据えて国内の安定を図り、


 セイラは両親の失踪やアンの変わり様の

 原因を調べるために自由で縛りが無い生活を選んだ。


 この頃ギルドはまだ無い。

 大戦後にセイラが仲間たちと共に

 起ち上げることになる。


 これも世界中の情報を集めたいがために

 起ち上げたと言っても過言ではない。


 どうしてもアンの変わり様に

 納得がいかなかったのである。


 長くなるため途中は省かれたが、

 魔王が即位した後、


 中小国に迫った改宗と属国化を同じように

 今度は世界に向けて始めたため

 同盟国で戦ったのが「ツイノミタマ」と

 呼ばれる前大戦だという。


 セイラ曰く「ツイノミタマ」とは「終の御魂」と

 言うことらしく、


 全ての魂が消滅するくらいの大戦だと解釈したり、

 最後に行き着く魂と解釈すると

 それはそれでまた怖い意味にも取れるなど


 誰が言い出したか分からないこの呼び名は

 現在も解釈に論争を呼んでいるらしい。


 

 ――でじゃな、

 その大戦でリオンが泣く泣く奥義を使って葬ったのを

 離れたところからじゃがワシも見ておったわ。


 しかしのう……

 消滅するときも一瞬元のアンに戻ったように見えたし

 次の日には先頭切って

 戦後処理を始めておったらしいし

 もう訳がワカランのが本音じゃ。


 あれ以来あのアホウとは直に会ってないからの。


 じゃから以前言うておったように直接見たいのじゃ。

 サクラの謁見の際になんとかしての」



 あと補足だが、と最後に付け加えるセイラ。



「ちなみにワシもアンも愚弟も当たり前じゃが

 み~んなダークエルフじゃ。

 寿命でポックリなんぞないからの。


 あと腹の立つことこの上ないが奴は魔法の天才じゃ。

 ワシも愚弟もあ奴の魔法技術には舌を巻いたワイ。


 ポンポン新しい魔法も作るしの。

 接近戦はワシの方が少し上じゃったが当時の愚弟では

 相手にならんかったの」



 この場の誰も知らなかった事実が明らかにされ

 ヌフとディースは自身の所属していた

 聖光国のトップにそういった事情があったことを

 考え色々な思いが去来していた。


 何があってもタケルを手伝うと決めている

 ユウコとヴァジュラは平常運転である。


 サクラはセイラの背景については

 幾つか予想はしていたのだが、



(師匠の件とは別に

 やっぱり訳ありも訳ありでしたよタケル。

 さて、どうしましょう?


 話を聞く限り乗っ取られ系なのは確実も

 消滅後の件はまだ謎が残ります。


 あと、恐らくまだ生きているんじゃ……

 セイラさんのお姉さん。


 策は有りますが、ひとりでは厳しいですね――


 それにと続いて考える。


 ダークエレメントを抽出できるであろうバルルの調査

 王族の行方不明者、

 聖光神側の異世界人の影、大会、戦争も始まるし……


 もーーーーっ!!!!)



 と心の中で頭を掻き毟るサクラであった。



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