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第二十五話

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 この世界は魔法の世界という事になるため、国家間で行われる戦争も魔法を使ったものが多いし、魔力があれば女性であっても戦地に出兵する事になる。


 魔法第一主義で戦いを繰り広げていたベルディフ大陸の歴史を変えたのは、間違いなく、王弟エルランドになるだろう。


 エルランドが木製の筒に石を差し込んで、遠くまで発射させる事に夢中になったのが五歳の時の事になる。


 膨大な魔力を持つエルランドは自分の魔力を最大限使って大技(伝説の魔法)を繰り出す事よりも、少量の魔力でも最大の効果を発揮する武器開発の方へ興味を持つ事になったわけだ。


 恐らく前職自衛官だった時の名残が残っていたのだろう。幼い時から軍に出入りするようになったエルランドは、兵士の訓練方法から一新させ、魔力に頼らず、全員が効率的な動きをして、生存率が高くなるように特化させる事にしたわけだ。

 

 幼い頃から戦の天才、鬼才と注目される事になったエルランドは、実の兄であるマグナス王から敵視されるようになったのは言うまでもない。


『男爵令嬢フレドリカとの身分を越えた真実の恋』などと言って王は市井では随分と持て囃されたようだけれど、貴族の視点から見れば『とち狂った男の無様な有様』以外の何ものでもない。


 王家の権威を失墜させた男には、自分の子供ほどに幼いエルランドであっても脅威の存在としか思えなかったのだろう。


 その脅威の存在に名誉の死を賜るために、激戦地と呼ばれるような場所へと、何度も、何度も送り出して来たのだが、いつでもエルランドは、敵を大敗させて王都への帰還を果たす。


 その無敗の将軍が遂に手に入れてしまったのが・・・

「黒色火薬だったらこの世界でも生成させる事が出来るのか・・・」

そう、黒色火薬である。


 ドガーンッ!ドガーンッ!


 この世界ではあり得ない爆発音をたてながら、抉れた地面が上空へと飛散していく。

「す・・す・・すごいですよ!これはすごいですよ!魔力なしでもここまでの威力を発揮出来るんですから!」

「着火させるだけでこの威力、しかも、常に前線に配備される魔力なしの平民でも使えるとなると・・世の中がガラリと変わることになりますよ」


 製薬担当のアレッソと鉱物担当のマテウスが、おじさん同士でお互いに手を握り合いながら興奮の声を上げている。


 その横では、マスケット銃を持ったイングリッドと武器担当のドルフが額を寄せ合って、こそこそ話をしていた。


「火の魔力と風の魔力で発射させていた弾丸を火薬を使ってと言いますけど、あの威力でやったら使った人間が大怪我してしまうんじゃないんですか?」


「あの火薬量を使うわけじゃないんだって、少量使う事になるんだけど〜・・火縄銃の構造までだったら再現できるけど、ライフルだと再現できない」


「火縄銃ってなんなんですか?」


「火薬を詰めた銃に火をつけて弾丸を発射させんの、田舎のゲリラ部隊なんかは今でも現役で使っていたりすんだけど、ねえ!エルランド様!自衛隊って火縄銃作れる?自衛隊って火縄銃使うんだっけ?」


「使わない、使わない、自衛隊は火縄銃なんて使わない。火縄銃を使うのは種子島とか静岡とか川越でやっているお祭りの演武でしか使わないんじゃないの?」


 黒色火薬、筒に入れて爆弾として利用するなら、今すぐにでも戦地で利用可能な品になるけど、これを銃に転用となると、開発するための月日が結構かかるのに違いない。


 エヴォカリ王国の知識の塔には天才、鬼才、変人が集められているだけあって、一つのイメージから様々な物が開発されていく。


 前職麻薬の密売人であるイングリッドがちょっと言っただけで黒色火薬を作り出すのだから、そのうちプラスチック爆弾だって開発してしまうのかも。

 この世界にはプラスチックなんてものはないから、プラスチックから開発しないといけないのかもしれないけれど・・


 そんな事をエルランドが考え込んでいると、

「私の不在中に実験を開始するとはどういう事ですか!」

という怒りの声と共に、

「川越で静岡で種子島で火縄銃ってどういう事ですか!」

という可愛いらしい声が実験場に響き渡った。


 塔の長であるミカエルは急用があると言って自分の執務室へ戻っていたのだが、そのミカエルの後には、小柄で随分可愛らしい女性が佇んでいる。


 その女性はキラキラした眼差しでイングリッドを見つめると、

「ああ・・素敵・・まるで宝塚だわ・・・」

と、言い出したのだった。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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