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第十九話

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 知識の塔の長であるミカエルは50歳、背中まで届く灰色の髪の毛を後一つに纏めている美丈夫で、年齢を感じさせない若々しさから初対面でミカエルの年齢を当てる人間はただ一人として存在しない。


 毒の名人と言われるアレッソは中肉中背の平凡な容姿をした男で、彼を促しながらソファに腰をかけると、早速、アレッソはポケットから取り出した小瓶をテーブルの上に置いて言い出した。


「この毒は、イングリッド様に食事を運ぶ侍女が持っていた毒になります」

「ふむ・・・」


「イングリッド様は、この目の前の毒にはチヤカリア王国の鉱物毒が含まれていると断じておられました」


「はい?」


「ですから、中毒性が強いチヤカリアの鉱物毒が使用されていると言うのです」


「どうやって、チヤカリアの鉱物毒であると断定したんだ?」


「舐めて」

「はい?」

「舐めて確認していました」

「誰が舐めて?」

「御令嬢が直に舐めて」

「何を舐めて?」

「鉱物を舐めて」


 御年50を越えるミカエルは、顔にかかる灰色の前髪を掻き上げながら、耳を傾けるようにして問いかける。


「誰が何を舐めてだって?」

「イングリッド嬢が、チヤカリア王国の鉱物を数種類、直接舐めまして、やはり、この毒には鉱物毒が含まれていると断じられました」


 誰が・・何を・・?

 ミカエルの脳みそは宇宙を彷徨った。


「ミカエル様、北の港を使って我が国に流れ込んでいるのはランプル列島諸国から送り込まれた麻薬だという事は以前にも説明致しましたが、こちらはアルカイド系の高等植物を生成した物であると言いましたよね?」


「ああ、そのように聞いている」


 これらの植物は、幻覚剤にもなるし、興奮剤にもなる。依存性は高く、簡単に金になるという事で、大陸に大量に流れ込んでいるような状態なのだ。


「私は詳しくは知らなかったのですが、実は、鉱物の中に麻薬と同等の働きをする物があるのだそうです」


 鉱物の数は四千種類を超えるとも言われているのだが、その中には、魔力を含んだ魔石というものが数多く存在する。

 ジュバイル公国の太陽石は光を作り出す魔石としても有名で、我が国もこの太陽石によって室内や街灯に明かりを灯す事が出来るのだ。


「イングリッド様の生家であるアハティアラ公爵家は、たくさんの鉱山を所有しておりますが、かつては、興奮、不眠、依存を引き起こす鉱物毒を使って、鉱夫を長時間に渡って使役していた時代があったのだそうです」


 奴隷への鉱物毒の使用は、昔は平気で行われていた。今では禁止になっているものの、アハティアラ公爵家がつい最近まで使用していたという話は聞いたことがある。


「お母上様から教えて頂いたという事で、イングリッド様は鉱物についても詳しく、この毒を使われた時にも、鉱物毒が多数使用されていると判断されたそうです」


 イングリッドの母はカルネウス伯爵家の令嬢であり、ペルニア王妃と肩を並べるほどの才女であるとも言われた人だった。


「それで、この鉱物毒が、何処が出所であるかお知りになりたいようでしたので、マティスの所へお連れしたのですが・・・」


 マティスは鉱物専門の学者であり、世界中から鉱物を集めている研究者でもある。所持している鉱物の種類は三千種類を越えたというのだから、マティスの研究室もまた、巨大な倉庫となっている。


ここまでお読み頂きありがとうございます!

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