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COLORE    作者: Foglio
47/50

Bianca Capitolo 白の章 Uomo Onece again ーもう一度····ー

Bianca Capitolo Uomo Onece again Ⅰ




永乃から本社に戻った宙也


「相沢主査 見積書をお願いします」


入社2年目の女性 菅原 ゆかりが宙也の前に見積依頼のFAXを置いた。


『何で北陸エリア担当の菅原が❓なにコレ⁉️』


宙也は依頼書を見ると、北陸エリア 新潟の代理店

ヰタリアに渡る前に勤めていた會社の見積依頼だった。


『俺ぢゃあないって・・・担当も解らないのか⁉️』


今日は午前中から忙しく、担当営業からの仕事が、かなり宙也のもとに持ち込まれていた。

オマケに永乃営業所のゆきからの業務の事でわからないから助けてとお助けメールも来ていたのだ。


「菅原さん❗コレ、私の担当ぢゃあないよ‼️

東和ユニバは栗原課長代理でしょ‼️」


「ハイ、私もそう思い、課長代理に渡そうとしたら・・・

上野統括部長が主査に確認してもらってと指示されたので」


『全く・・・新潟のことになると、ヒトに振ってきて❗

担当がいるだろうが‼️上野さんにクギ刺さんと・・・』


宙也は以前、勤務していた新潟の商社の見積依頼を振られることが良く遭った。


「相沢主査 東和ユニバの南雲部長から電話です」


『ったく、今度は南雲さんかいっ❗どっかで俺を見張ってるんかいっ』


以前の勤務先の上司だった南雲からの電話だった。


『南雲にもクギ刺さんとな・・・』


宙也自身は永乃を含む中京地域のブロックの営業所や特約店からの業務の担当主査だった。


「もしもし、相沢です」


「おう、宙也❗今回も頼むよ‼️」


南雲は以前のように宙也と呼んだ。


『もうアンタの部下ぢゃあないんだよ‼️』


ミラノ出張所が閉鎖になり、所長の飯塚と一緒に、日本に戻って来た。

飯塚と一緒に仕事が出来るならと思い付いてきたが・・・

宙也は駆け出しに近いキャリアなので、上野のもとに配属されて、飯塚は福岡支店に配属された。

上野の管轄する部署で宙也は驚いた‼️

なんと、そこには取引先として東和ユニバの名前があった。


「・・・」


「東和の出身ってことで、引っ張ったんだ❗時折、手を借りるよ、頼んだよ‼️」


上野は笑って言った。

東京の本社に配属早々上野の下に配されたことが、宙也のそもそもの不運だった・・・


Cretino(バカヤロー)‼️』


こころのなかで毒づいた‼️






◆◆◆







「南雲部長、ちゃんと御社の担当がいるんですから・・・

振ってこないで下さいよ❗俺がニラまれるでしょ‼️」


「レスポンスが遅いんだよ、アイツは‼️やっぱ、オマエと一緒にやってきたからな❗進めやすいんだよ、いろいろ細かい事、解っているからな、『困った時は、是非、相沢を使って下さいよ』って、上野さんもホメてたよ‼️」


『まったく、あの上野(酔っぱらい)は、なんちうこと言ってねん‼️あっ❗この前““鶴の友““のこと言ってたな、さてはポン酒を贈られて、俺を売りやがったな』


宙也は上野の方を見た。上野は宙也を見て・・・

ニコッとして『あとヨロシク』の意味で手を上げた。


Cane(サイテー)❗|Porca puttanaチクショー‼️』


「南雲さん、そろそろ、俺から卒業して下さいよ、俺は、中部ブロックの担当なんですから・・・あと上野さんに、酒贈ったでしょ❗カンベンして下さい」


「まぁまぁ、そんなカテーこと言うなよ❗出張扱いで下越(コッチ)にカオだせよ、吉澤さんも喜ぶぞ‼️」


「ぢゃあ、上野さんにシッカリ頼んで下さいよ❗」


「分かった 分かった コレ終わったら、吉澤さんから上野さんに頼んでみるわ❗相沢主査‼️」


「ハイ、南雲さん、たて込んで来たのでまた、見積はすぐ送りますね」


そう言って、宙也は電話を切った。

依頼書に金額を書き込み税別と書いた


「菅原さん」


依頼した課員を呼んだ。


「この金額で見積書作って、南雲部長に送って」


そう言って依頼書を渡した。


新潟(なぐも)は話が長くなるから・・・』


すでに45分ほどロスしてる、本来の業務に戻ろうとすると・・・

チェックしなきゃあならない書類が増えていた。

課員の作成した見積書のチェックをしてると、バイブレータにしているケータイが鳴った。


『今度はなんだよ、イラッとすんな‼️』


ディスプレイを見ると・・・


『はん❓杏かぁ・・・えっ⁉️なんだって⁉️』


あの夜の海に行った時から、初めての電話だった❗


此処で出るわけにはいかない❗


「ちょっと、珈琲呑んでくる」


そうスタッフに告げて、宙也はケータイを持って、

ベンディングコーナーに向かった。

其の間、電話は鳴り続けていた。







Bianca Capitolo Uomo Onece again Ⅱ






『なんだろう❓ずいぶん執拗だな、面倒そうだ・・・』


「もしもし」


「もしもし、宙也くん 忙しいところ ゴメンね❗

今、大丈夫❓あのね・・・お願いがあるの❗

マンションの水道管が破裂して、水浸しになってお部屋が使えないの・・・

今夜、宙也くんの部屋に泊めてくれる⁉️お願い‼️」


『何、考えてるんだ❗なにも、昔の男を選んで電話かけて来る必要はないだろう⁉️』


また、杏のお願いが、突拍子もなかった‼️


「はぁ⁉️ホテルでも取れば❗おカネも出るでしょ‼️」


「生憎、ヰベントがあったみたいで、何処も満室なの❗

だから、宙也くんに、お願いしてるの❗」


「ぢゃあ、周辺のホテルは⁉️交通費も請求出来るだろうし、今も誰かと一緒にいるんぢゃあないの❓

それに、キミのためになら、動いてくれるのが、

いっぱいいるだろう⁉️」


「いないわよ そんなの‼️イヤよ、そんな事、頼みたくもないわよ❗あとで何を要求されるか❓あたし・・・宙也くんだから、お願いしてるの」


『この前の海の夜の抱擁で、過去のことは全て、水に流せってか⁉️』


「ずいぶん、キミに信用されてるんだね❗俺は・・・

昔の男なんてどうでもイイんぢゃあないの」


宙也は皮肉を言った。

あたしに対しての怒りが、甦った様子だった‼️


「怒ってる❓」


「当たり前でしょ‼️」


『Now, you're not the only one What you did was to cruel

キミはもう恋人じゃない‼️

いまさら、優しくしたってしょうがない・・・』


「だから・・・ごめんね、ホントに、あたし後悔してるの・・・」


また泣き出した。

その泣き声を聞いていて・・・


『ズルイよな❗おんなは』


宙也は、冷たいフリを装うのが間に合わなくなった


『もういい・・・通りすぎていったヒトだ・・・

其れにもう、戻らないと・・・』


押し問答はゴメンだ‼️


「とりあえず・・・今夜だけは、泊まればイイ 仕事のキリがついたら、また連絡する」



「|YOU ARE SO SWEETやさしいのね



「・・・ぢゃあ」


電話を切ってから、スイッチを入れたい意味で、珈琲を飲んだ。


『さて、仕事 仕事』


戻ると、営業担当から・・・怒涛の催促が来た。


「相沢‼️呑気に珈琲呑んでる場合ぢゃあねぇーぞ‼️」


統括部長(うえの)さんが余計な仕事を、俺に振ってきたんですよ‼️文句は統括に言って下さいよ」


『仕事振ってきたんだ、このくらいはイイだろう⁉️

しかしホント杏は手が掛かるな❗昔から変わってねぇーな・・・藍ならもっと状況を読んでくれるのに・・・』


こころのなかでつぶやいた。


「さてと・・・」


そして宙也は書類の海に飛び込んだ‼️







◆◆◆



宙也は時計を見た。


『17:35 仕事はメドがついた❗あとは・・・』


上野の方を見た。


『上野のことだ、東和の件をだしに、呑みにいこうと言い出すだろう そうはさせるか‼️』


宙也は、忙しく、仕事が終わらないフリをはじめた。

案の定、上野が笑顔でやってきた。


「相沢主査 仕事はメドついた❓」


「統括部長 東和の南雲部長から、急ぎの案件が出そうだから、待機してくれと云われてるので」


『ホントは急ぎの案件などは無いが・・・

東和ユニバと栗原の関係は。あまり良くない。

栗原が上から目線でマウントを取りにいくから・・・

南雲が怒るのである・・・それを利用して、南雲に連絡して、上野の誘いをかわそうと考えていた』


『なんだよ❗そんなの明日にしろよ、呑みいくぞ』


上野はミルミル不満そうな顔になってそういってきた。

宙也は首を振って


「栗原課長代理を誘ったらどうですか❓

南雲さんと吉澤役員のご機嫌は、俺がとっておきますよ❗

課長代理は、仕事が遅いってふたりが不機嫌でしたから・・・」


東和の仕事で緊急性のある案件は、必ず上野から宙也に渡されてきた。

北陸エリアの受注額ランクの上位5本の指に入る、東和ユニバ オマケに先方の担当役員は宙也が所属してた時の部長 吉澤 そして課長だった南雲が今は部長に

宙也を育てたふたりなだけに、宙也への信頼は高い。

東和の仕事は宙也が上野のもとに配属されてから、急激に増えてきたのである。

其れも栗原が東和を気に入らないと、思う理由のひとつだった。


上野の目論見通り、宙也は大化けした。

いろいろと彼の手を焼かせたが・・・結果を出していった、

いろんな条件が重なって、宙也は主任を飛び越して、主査に昇進した。

宙也は中途採用だが・・・同世代のなかでは、早い進級だった。


「分かった、ひとつ頼むよ‼️宙也の言うとおり、栗原を連れていくよ。でも・・・早く終わったら、顔出せよ‼️」


宙也が来ないのが未練がましいみたいだった。


『こどもぢゃああるまいし、他に誘うのがいないんかい』


宙也はこころのなかで毒づいていた。


「はい」


そう答えると上野は、栗原のもとに向かった。


上野と栗原が帰ろうとする姿を見ると、宙也は受話器を上げて、南雲に電話をかけた。

南雲はあいにく不在だった。


「少々お待ち下さい」


そう言った

女性事務員が電話を保留にしなかったため、誰かと何か話している声が聞こえていたが・・・


『放置プレイかっ❓』


なかなか電話口に出て来ないので、宙也はいい加減、受話器を置きたくなっていた、そこへ・・・


「すまん、すまん、久しぶりだな、宙也」


聞き覚えのある声が飛び込んだ。

南雲の代わりに役員の吉澤が電話に出た。


「お久しぶりです、いつも、ありがとうございます」


「宙也、飛び級で主査になったんだって、ウチに戻ってくれれば、オレがもっとウエにしてやるぞ」


「ありがとうございます。またふたりにしごかれるのでしょ⁉️」


「よく分かってるな、宙也 オマエ賢いな‼️」


「カンベンして下さいよ。吉澤役員、ウチの上野が栗原に直接指導してますので、改善していく筈ですよ」


「宙也をウチの担当にすれば、直ぐに全て解決だけどな。

上野さんにもっと酒贈って懐柔するか‼️」


『ポン酒で売られんのか 俺⁉️吉澤さん カンベンしてくれよ。いい加減もう俺から卒業してよ‼️』

 

辞めた會社の元上司に上司ヅラされるのもイヤだ・・・


「アハハ、何かあれば、私も協力しますよ❗ぢゃあ、南雲部長にもヨロシク御伝え下さい」


-大人になったよな 俺


自分を自画自賛していた。


宙也は電話を切った。


『さてさて、ふたりは出て行ったな、ロビー(した)で待ち伏せしてるかも知れないから、珈琲でも呑んで、もう少し、時間をつぶすか』


再び、ベンディングコーナーでコインを入れて、ボタンを押した。


『カツン』


カップが落ちてきて、褐色の液体が注がれていく



『もう少しで仕事が終わるので、會社を出たら電話します』


珈琲を呑みながら、宙也は杏にメールを打った。







Bianca Capitolo Uomo Onece again Ⅲ






杏からの返信はすぐ来た。


『うん、待ってるね』


「さて、そろそろ行くか」


宙也は自分の机に戻り、帰り支度をした。


「お先に失礼します」


誰ともになく声を掛けて、宙也は事務所を出た。

會社を後にして、近くのコンビニに立ち寄った。

ケータイを取り出して、杏に電話を掛けた。

待ちくたびれたのだろう

彼女はすぐ電話に出た。


「宙也くん、お疲れ様、どこで落ち合う❓」


「夕食は❓」


「まだだよ、何食べる❓」


「杏、キミの知ってるお店にしない❓」


迂闊なところに行ったら、上野や會社の人間に会いそうだったため、杏に任せようと考えた。


宙也は待ち合わせの驛で電車を降り、中央口から出ると、すぐ杏は近寄って来た。


「宙也くん、ビックリするかもね」


ひとりごとのように、そう言いながら驛の近くの商店街の狭い通りへ入り、そこの真ん中辺で路地に入っていった。

安兵衛と描かれた暖簾をくぐった。


「こんばんわ おかあさん」


杏は店の女将に声をかけた。

宙也は意表を突かれた感があった。


『杏にしては、ずいぶんシブイ店に連れて来たな❗

おかあさんって呼んでるから、けっこう来てるんだろう、

しかし・・・上野がいないだろうな❓ヲッサン、守備範囲広いからな・・・・』

上野が好みそうな店だった。

万が一、彼とぶつかっては面倒だなぁと思った。


おでんの鍋を囲むようにして席が造られてあり、4、5人の客の姿が見えた。幸い上野はいなかった。

客達が若い杏を見てビックリしていた。


「おかあさん、座敷に上がるね❗宙也くん コッチ」


彼女はたたきを上がり、下駄箱にフラットシューズを入れた。

続けて、宙也も座敷に上がった。

テーブルを隔てて杏と(むか)い合って座った。

女将がビールと枝豆を持って入ってきた。


「おかあさん、友だち(・・・)の宙也くん」


「はじめまして、杏が男友達を連れて来るなんて、初めてだね、もしかして杏のオトコかい⁉️ざっかけない店だけど、ゆっくりしてって」


『ヲイヲイ・・・何を言い出すのかなぁ⁉️

・・・杏は何か言ってるのか⁉️やれやれ・・・』


「ありがとうございます。こういう雰囲気のお店は好きなんですよ」


宙也は営業トークで答えた。


「よかった❗却って、こういうお店の方がイイと思って」


「杏がこういうお店を知ってるのが意外だったよ」


おでんと、焼鳥と、煮物と、漬物といった雑多な料理で

夕食が始まった。

彼女とたわいのない話をしたりしていると・・・


「オジャマ‼️」 


突然・・・

女将がビールを持って座敷に上がって来た。


「やれやれ、最後の客が帰ったから、交ぜて」


『杏に話が出来ないよ‼️』


「えっもう、そんな時間❓」


宙也はとぼけて答えた❗時計を見るとまだ10時10分前だった。

既に店内に暖簾と看板を入れてあった。


「今日は早仕舞い❗」


『すな‼️もっと稼いでよ‼️』


こころのなかで毒づきながら


「どうぞ」


宙也は瓶を持って、女将のグラスに注いだ。


「乾~杯」


3人はビールを呑んだ。


「ねぇ宙也くん、おかあさんに名刺上げて」


「うん」


宙也はブレザーの内ポケットから、シルバーの名刺入れから1枚取り出して、女将に渡した。


「エムテックにお勤めなんだ❗この主査ってなに❓」


「役職です、世間の會社だと・・・係長級位ですかねぇ❓」


「スゴイ‼️宙也くん、昇進したの⁉️」


杏が反応して聞き返した。


「ああ、強引な上司(ヲッサン)がいてね、強引(ムリヤリ)に昇進させられた❗」


「ヲトコはバンバン出世しないとね‼️杏はイイヲトコを咥えこんだのかな⁉️」


杏におかあさんと呼ばれるヲンナが口を挟んだ。


『困ったヒトだな‼️』


宙也は苛立った‼️

透き通るような透明感を持っていた頃の彼女を愛していた

宙也には・・・

成長⁉️した彼女には暗闇を感じていた・・・


「宙也くん、あたしにも新しい名刺頂戴‼️」


杏に名刺を渡すと、名刺を見て、うれしそうに眺めていた。


『イヤな感じだな・・・』


時は流れる・・・愛は流れる・・・


別れたオトコの現在の状況が・・・

現在の杏には輝いてみえるようだ・・・




『宙也さん』



宙也のなかに、或る彼女の笑顔が浮かんだ。

その笑顔の主はもちろん杏でもない。

そして・・・藍でもなかった。














◆◆◆






タクシーは宙也のアパート前に着いた。

ふたりはクルマを棄てて、階段を上がっていった。

角部屋が宙也の部屋である。

杏は少し酔っている様子だった。

足元が少しフラついていたので、彼は腰の辺りを支えた。

ドアノブに鍵を挿して、扉を開けた。


「お邪魔します。ありがとう、ムリ言ってごめんね」


杏はフラットシューズを脱いだ。


「コッチの部屋を使って、シーツとかは新しいモノになっているから」


藍が使っていた部屋に杏を案内した。


「お風呂も好きに使っていいから、ベッドの上にタオルを置いてある」


杏はベッドをみた。


『ベッドはキレイにメイクされているし・・・』


「このベッドメイクは宙也くんがしたの❓」


「そうだよ❗オーベルジュ(旅籠)で働いてたって言ったぢゃん」


このオトコは、いつも何気ない事に凄さを感じる。

付き合ってた頃よりも、さらに・・・

あたしが呆気に取られてると


「ぢゃあ、あとはご自由にどーぞ、お風呂の準備してくる」


そういって、部屋を出て行った。


もう一度ベッドの方をみると・・・


彼と藍の愛しあってる姿が浮かんでくる‼️


あたしは嫉妬でイラっとしてくる。


「ふぅ」


ため息をひとつ

ベッドに座った。


そのうちにアラーム音が聞こえてきた。


「お風呂 用意出来たよ」


宙也がドア越しに声をかけた。


『お風呂に入ろう』


そう思って、持ってきたボストンバッグを開けた。


バスルームに入ると、バスタブにお湯が張ってあった。

お湯はちょうど良かった。


「いい気持ち」


バスタブのなかで手足をのばす

身体がゆっくり揉みほぐされていく感じがする。


-杏


少しゆっくりでやわらかな宙也の声で名前を呼ばれると、

気持ちが浮き立っている。


-ホントに来てしまった


宙也は今、何を考えているのだろう

あたしにとって宙也は、はじめての男・・・

そしてほんとうに、全てをゆるした唯一の男。


『恋はよみがえるの 彼に抱かれたい・・・ふたたび』


水音を立ててバスタブから出る。

バスタオルで雫を拭き取る

バスローブを着てから、宙也のいる部屋に声をかけた。


「出たからね。宙也くん、スプリッツが呑みたい」


「冷蔵庫に白ワインとか入ってるから、作って呑んで」


ドア越しに宙也は答えた。


-警戒してるの❓


あたしは、冷蔵庫から白ワインと強炭酸水を取り出した。

スプリッツを作って、部屋に戻った。

しばらくすると、宙也の部屋のドアが開き、バスルームに入っていった。

やがて、バスルームの扉が開き、宙也は部屋に戻った。

部屋からドライヤーの音が聞こえていた。

やがて音が止んだ‼️


『今しかない‼️あなたに・・・抱かれたい‼️』


「ねぇ、宙也くん・・・そっちにいってイイ❓」


She says she can't sleeping

Without a chaperone・・・


彼女は言う 


『一人じゃ寝られないと・・・』


Riding thru a haze that you call memories

あなたが思い出と呼ぶ 朦朧としたものも走り抜けて


Get on the right track you never look back do you?

信じた道を 決して振り返ることなく突き進んで行くのでしょう?



The nights we spent the tears I shed

だけど 私たちが過ごした夜と 私の流した涙






◆◆◆







はじめのころ・・・

かぼそい躰の杏はよく、痛い、と小さく叫んでいた。

宙也の躰に慣れてくると・・・

終わったあと、シャワーを浴びて、ボディネットにボディソープをつけて、洗っていくと・・・

上腕部に歯で噛んだあとがついていることに気がつく。

杏が噛んだのだった。

浴び終えて、ベッドで横になってる杏に声をかける。


「噛んだだろう❗」


すると・・・


「だって食べたいくらい、愛おしいの 宙也くんが‼️」


そういって、抱きついてくる


本当に可愛かった 杏


あれから・・・

お互いに

いろんなヒトと夜を共に過ごして来た・・・


再び巡りあってしまったふたり・・・



「宙也との恋がよみがえったら、一緒にヰタリアに行ってみたい、アナタが見てきた光景を、あたしも見ていたいの」


そう言って杏は気持ちのこもったキスをしてくれる。


でも・・・宙也のなかでは、もう違っていた。

カノジョ()を抱いてハッキリと解った‼️


宙也は杏と別れた後のことを振り返った。

転がってきた 俺はずっと・・・

重くて、苦くて、悲しい自由・・・

でも・・・きっと

そう自由だけが欲しかったんだ


其の自由だった日々も変わりゆくだろう



よみがえる⁉️・・・杏

もうあの時のふたりにはもどれない・・・

其れが宙也のなかにある答えだった。




「ねぇ、宙也、藍と別れて・・・あたしともう一度・・・

・・・あたしのそばにいて」


『・・・きたか』


「其れは出来ないよ」


「なんで❗あたしたち愛しあったぢゃあない たったいま・・・藍は結婚して、ダンナがいるのよ‼️不倫なんかしてないでよ。あたしは独身(ひとり)よ❗」


「ゴメン いまのキミのことは愛してない❗

そしてこれからも・・・其れがオレの答えだ‼️

オレが愛していたのは

あのキラキラしてた頃の杏だ・・・

今でもあの頃の杏は愛している」


「そんなの解らない・・・

ぢゃあ、なんで抱いたの⁉️ヒトは変わるの、成長するのよ。

あたしだって、いつまでも・・・

夢みる少女ぢゃあいられないわよ‼️」


「しょうがないだろう❗

あの時の杏が、俺にとって素敵なヒトなのだったのだから‼️」


「ぢゃあ、あたしは、藍や若菜に言うわ❗宙也に抱かれたってね」


『イヤなオンナになったな・・・か・な・し・い・ね』



「自分の気持ち(・・・)を確認したかったから・・・

俺はカミサマぢゃあない・・・抱いてみなきゃあ解らない❗

抱いてみて・・・キミとやり直すのは、ムリだと解ったから・・・

ヨーロッパで暮らしていると、日本の女性とは考え方が違って、付き合う前にカラダの相性を確認するのさ。

付き合う前にカラダをって云うのは、日本はふしだら(・・・・)って捉えるけど、向こうでは、割りとあるよ。

それに、どうぞ、言ってもイイよ❗藍はそんな事ぢゃあ怒らないよ❗たまには、他のオンナ抱いて、味見してみたらって・・・

あたしの良さが解るから‼️藍ならそう言うよ‼️

そして・・・其れを許してくれるから」


実際は・・・でも・・・

この局面はウソでもイイ・・・


若菜には、現在、自分が置かれてる『状況』を話してある。


『ちょうど波のよおに、潮時が来たのだと思うよ❗

宙也君も未来(さき)を進む時が来たのね‼️

決断したら、教えて、アタシも協力するわ』


彼女は、理解してくれた。


『前に進むべきだ』


宙也は決断していた。


「あたしはアナタを1度、裏切ってるから、今は愛してなくてもイイ❗

でもそばにいて‼️きっと・・・アナタはあたしを許してくれる❗そして・・・これからの、あたしを愛してくれれば・・・それでイイから‼️」


-其の自信はどっから来るんだ⁉️

フラストレーションが一気に上がる・・・


「例えば・・・今は自分の気持ちを抑えて、キミと付き合っていくとする❗キミのことだから・・・やがて結婚も考えるだろう・・・」


「うん、だってあたし、アナタと一緒になりたいモン」


「なんで・・・そんなに・・・カンタンに考えられるの⁉️

俺がそんなカンタンに考えてると思う⁉️

キミは俺を捨てたんだよ‼️

其の事実があるんだよ‼️

そんなに軽い思いなの⁉️

俺とは違う‼️俺には理解できない‼️

ホントに愛していた杏が・・・

他のオトコに抱かれて過ごしてきたんだ。

そして再びホントに杏を愛せるのか・・・❓

ハダカのキミに向き合って考えた・・・

答えは・・・俺の答えはNOだ‼️

俺を裏切ったキミを赦せない‼️ムリなんだ‼️」


「これから先、変わるわよ‼️」


「どうかな⁉️・・・ぢゃあ、もし、キミといながらにして、他のヒトと浮気してたら・・・」


「許さない‼️」


即座に杏は答えた。


「なんで、だって・・・キミはしたぢゃあない‼️

俺を裏切ったぢゃあない‼️

どうして、俺がする(・・)のは許さないの⁉️」


「今、ココで其れを持ち出すの‼️」


『逃げるなよ‼️綺麗事を言うなよ❗

自分のしたことは許されるのか⁉️

そんな都合の良いことが通るかよ‼️

俺はキミには裏切られたんだ。

またキミとやり直すだって⁉️・・・カンタンに言うなよ・・・俺は、またいつキミに裏切られるんだろう・・・

そう考えながら、この先、一緒にいられるか⁉️

自分に置き換えて考えてみろよ‼️

この、悲しみがキミに分かるのかい⁉️』


宙也はさらに怒りをぶちまけた。


「杏、キミは子供だよ‼️俺はあの時、ホントに身を斬られる思いだった。

大切にしてた杏に裏切られて・・・

どれだけ苦しんだのか・・・分かるのか‼️

一番近くにいたひとに大切にしていたことを壊されたんだ‼️

キミが俺に言ったこと覚えているかい‼️

『もう一度、ガンバればだと・・・‼️』

ふざけるな‼️侮辱しやがって‼️

キミに侮辱されたことが、どれだけ、俺にとって悲しいことか‼️

今夜のこともキミが杏ぢゃあなくて璃子だったら・・・どんなにラクだっただろう・・・」


「・・・」


杏は黙ったままだった。


ー一番近くにいたアタシが···すべて壊した


宙也の言葉が胸に突き刺さった。


どれだけの時間が流れたのだろう・・・

杏は下着を着けてパジャマを着た。


「本当にごめんなさい。其の言葉が・・・

そんなに宙也のことを傷つけていたのが・・・

解らなかった・・・

でも・・・あたしは、アナタのそばにいたかったから・・・

あたしを離さないでって・・・そう思ったから・・・」


そして杏は部屋を出ていった。







◆◆◆






宙也は久しぶりに定時で仕事を上がり、ミュルサンヌに顔を出した。


「宙也君、久しぶりね。なに呑む❓」


「まずはバドワイザー下さい、ノド渇いているので」


若菜の店はバドワイザーをビンで出す。

理由は、海外のドラマで、ビールをビンのままで呑んでいるのが、美味しそうにみえるから‼️

彼女は物事をシンプルに考えるから、宙也も、其処が気に入ってた。


「ハイ、どうぞ❗冷えてるわよ‼️」


仕入れてきたばかりで、冷凍庫で急速に冷やしたビンを出した。


宙也はひとくち呑んだ。


-バトは冷えてて旨かった


「若菜さん、いろいろありがとうございました。

結論が出ました。前に進みます」


「そう、雪華ちゃんだっけ⁉️藍ちゃんには可哀想だけど、

日本はねぇ・・・なんせ婚姻届出してる方が強いからね❗

まぁなんにせよ、良かったわよ❗

これからは・・・ね、ふたりで呑みにおいでよ‼️

でも・・・もう振り返っちゃあダメだからね❗

藍ちゃんを捨てるのだから・・・」


「若菜の『藍を捨てるのだから』のひとことには重みがあった」












あたしは・・・


ひとつき経っても・・・

ふたつき経っても・・・


宙也のことが離れられなかった。

あの、優しかった頃の宙也をことが・・・


『チリン』


ドアが開き


「やぁ」


「いらっしゃいませ」


山浦が店にやってきた。


山浦の飲み物の準備をしてると・・・


「璃子ちゃん、最近、元気ない感じがする」


「ええ、そうなの❗最近、身体が怠くて、少し季節の変わり目だからかも。最近、宙也さんと一緒ぢゃあないのですか❓」


さりげなく、宙也のことを聞いた・・・


「うん、最近は、仕事が、かなり忙しいみたいたよ、このところ会ってない。出張が多いみたいだよ、カレの上司のヒトとも面識あってさ、聞いたら、カレ、主任を飛び越して主査と呼ばれる係長クラスに進級になったんだって」


「スゴイですね‼️」


「上司の上野さんが言ってたけど、同年代の人達のなかでも3番目に進級したんだって。中途採用ではトップなんだって」


『何がムリヤリよ❗同年代でトップクラスの速さで出世してんぢゃあない‼️あたし、警戒されてるのかなぁ』


こころのなかで思っていた。


「山浦さん、一緒に連れて来て下さいよ。お祝いしましょう。ボトル プレゼントしますよ‼️」


「うん、分かった❗連れて来るよ。若菜から、もうココ(・・)に連れて来ちゃあダメとは云われないだろうから・・・」


「そうなんですか⁉️」


そして・・・


「うん❗どうやら・・・藍ちゃんと別れたんだ。自然消滅みたいなモノと若菜が言ってた❗まぁ、藍ちゃんには、ダンナがいるからな・・・ダンナは堀田を怪しんでいたけど・・・バレなくて良かったんぢゃあない‼️」


そう言ってきた。


「山浦さんの方こそ、奥さん、大丈夫なんですか⁉️」


「オレは、無一文になって、若菜の店に転がり込むよ‼️」


「アハハ、そうなんですか」


『えっ、藍と別れたの・・・なんで・・・』


あたしは山浦と話ながら宙也を訝しげた。





continuare


















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