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〇〇の神様
テーマは「神様」。
文字数は100文字(三行程度)~8000文字。
【タグ】日常、家族、感謝、母と娘、ほんわり
【ジャンル】ヒューマンドラマ
「世の中、神様だらけね~」
「どうしたの、急に?」
食器を洗っていた母が私の不満に反応した。だってと私の口は開き、更に言葉は次々に出る。
「学問の神様に恋愛の神様、山の神様に海の神様。それに、ガネーシャは象、オシラサマは馬……ほら、神様だらけで、こんなに多いとなんだかうんざりしちゃう」
「あらあら、私たちはそれだけ色んな神様に守ってもらっているのね」
母はふふふと笑う。──その笑顔は、神様のようにとっても朗らかで。ああ、そうだったんだと心が穏やかになる。
「お母さんは、家庭の神様だったんだね」
ふと出た私の言葉を、母が聞き返す。
「え?」
今度は私がふふふと笑う。
「だって、家庭を守っているのは、お母さんでしょ?」