霧の浄化師
こんにちは、神依と申します。
これから執筆しようと思っている連載小説の過去話です
よろしくおねがいします。
オレは今、浄化師として旅に出ている。
あのときあいつがいなければ、オレは旅に出ていない。いや浄化師になっていなければオレは死んでいたかもな。
オレは数年前にルリという女の子と出会った。今はこの子と旅に出てるんだが、この子がオレの能力を導き出してくれたと言ってもいい。
オレは数年前の夜に影霊に食い殺されそうになった。下級の影霊だったからルリは一瞬で浄化できたらしいんだが、それでもオレはあの時のことは本当に感謝してる。
あの時のことを話すとすごい長くなるが、それでも構わないなら聞いてほしい。
あの時は星空が見えるけど何か起こりそうな暗い夜空だった。オレの故郷がもともと山がちな街で夜空日本一綺麗だって言われてる街なんだが、そんな街でもきれいな夜空が見えないほど暗く息苦しい状況だ…。
その日はオレは体調不良で学校を休んでいた。心臓に近い部分が相当死にそうなくらい動悸を引き起こしていた。影霊に取り憑かれていたからだと今思えば分かるんだが、あの時は知らなかったから未知の脅威としか思っていなかった。
事態が急変したのはオレが寝ようとした時だ。影が突然巨大化して襲って来たんだ。
その時、オレは死ぬ思いだった。生きても地獄ならオレは死を選ぶだろう。でも、あの時は生き延びたかった。死ぬよりマシだと信じていたから。
そんな中、外から弓が軋むような音がした。誰かが助けに来たと思った。そして窓を開けると屋根の上に、黒髪の少女がオレを見つめていた。そしてオレを見つめてハッと顔を赤らめる。
「大丈夫だった?」
(か、かわいい…)
「さっきはありがとう。名前はなんていうんだ?」
「ワタシは神咲ルリ、cランクの浄化師よ。この街には、任務のために来たんだ。たまたまあなたに取り憑いていたから祓っただけ。あなたは?」
「オレは司狼キリヤだ。普通の中学生、君のような魔法みたいなものは使えない。ルリみたいな力があったら取り憑かれることもなかった。」
するとルリはその思いに気づいたのか指輪を出した。
「この指輪をつけるとワタシと貴方は『契約』したことになるわ。契約は貴方が浄化師としての素質があるときにのみ、履行されるの。分かりやすく言えば浄化師として覚醒するってことね。」
「オレがルリみたいになるってことか。」
「まぁ、そういうことね。ワタシはあなたを守るために影霊を祓った。今度はあなたがワタシを守る番よ」
毅然とした顔でルリは言い放つがオレには全く理解できなかった。しかし、オレが指輪を付けた途端にルリの言う意味がわかった。これはただの指輪じゃなく、己の霊力を引き出して行く力なのだと。ルリは笑顔で一緒にこの街の外に出よう、一緒に冒険してこの世界の真実を知ろうと誘ってきた。実はオレは幼い頃から親と一緒に過ごしたことがないし、里親とか施設とか色んな所を転々として確固たる住所を得たことがない。それでルリが里親さんにアカデミアのことを話して、一緒に説得してくれた。それで高校生になってようやくアカデミア入学が決まったというわけだ
ルリと出逢わなかったら、オレは浄化師にならなかった。ルリはオレのことが大好きでオレもルリのことが好きだ。だからな、俺が絶対守ってみせる、あの時の借りを返すんだと思って。
最後にキリヤとルリのプロフィール載せときますね(現在時点での)
司狼キリヤ(しろうキリヤ)
身長−165cm 体重−60kg 好きなもの−ポップコーン 年齢−15歳
誕生日−6月6日
神咲ルリ(かんざきルリ)
身長−157cm 体重−ひみつ 好きなもの−チョコパフェ 年齢−15歳 誕生日−9月23日