命の恩人
「ワォォォン!!!グルルル!!!」
異変に気がついた群れの頭らしきガルディンが、遠吠えを上げる。
そして、遠吠えに反応したフリーの3匹のガルディンが、エリーゼに向かって襲いかかる。
「そこのお嬢さん!!逃げて!!!!」
1匹のガルディンと応戦しながらもメイドが叫ぶ。
もちろん、メイドの心配などエリーゼには不要だった。
「犬はおすわりしてなさい!」
襲いかかる3匹のガルディンをエリーゼは蹴りで確実に仕留めていったのだ。
3匹を仕留めた後、メイドと執事に襲っているガルディン達を直ぐに仕留め、残るは頭のガルディン1匹となった。
「グルルル…!」
威嚇している頭のガルディンであったが、仲間の9匹のガルディンを一撃で仕留められ、さすがに分が悪すぎることは理解出来ているようだ。
そして、頭のガルディンはそのまま後ずさりしながら、森の奥へと逃げていった。
「シオン様!!!!」
メイドと執事が一斉にシオンに駆け寄る。
「お怪我はございませんか?」
「シオン様!泥がついてしまっています!」
シオンに怪我がないことを確認すると、代表であろう一番歳をとっている執事が、エリーゼに頭を下げた。
「シオン様の危機を救ってくださり、ありがとうございます。貴方は命の恩人です。」
ほかのメイドと執事達も頭を下げる。
「たまたま通りかかっただけだから…。無事でよかったわ。」
エリーゼは頭を上げるようにとお願いした。
(シオン攻略したいと思い、家を覗いていたら襲われていたので助けました。なんて口が裂けても言えないわ。)
「…ありがとう。」
執事の脇からひょこりとシオンが顔を出した。
「どういたしまして。あ、そういえば、この前の誕生日会に来てくれてありがとう。」
一応、エリーゼは挨拶をすることにした。
「うん。お隣のエリーゼちゃん。僕知ってるよ。」
ニコリと微笑むシオンは、天使のように可愛らしかった。
「庭ではなく、どうぞ屋敷にお上がりください。お礼も兼ねて、おもてなしさせてくださいませ。これも何かの縁です。ぜひシオン様とお話してください。」
執事がエリーゼに提案をする。
「ありがとう。お邪魔させて貰いますわ。」
お言葉に甘えて、エリーゼはワーズティア家にお邪魔することにした。
「やった!エリーゼちゃん、こっちこっち!」
シオンがエリーゼの手をグイグイと引っ張りながら案内する。
「え?!ちょっと、早いって!」
2個下の8歳のシオンに引っ張られるエリーゼは、戸惑いながらも可愛らしいシオンに案内してもらうことにした。




