バーベナの街
クロムをからかっているうちに、バーベナへと到着したようだ。
「エリーゼ様、私は馬車を預けに行ってきます。少しお待ちください。」
クロムはそそくさと馬車を預けに向かう。
「先行ってるわよー!」
クロムのことだ、すぐに追いつくだろう。
エリーゼはクロムよりも先にバーベナの街に踏み込んだ。
「ゲームの頃も綺麗だったけど、やはり魔法って凄いのね。」
エリーゼはバーベナの街の煌びやかな迫力に思わず独り言が漏れる。
(そしてバーベナもカルミアの街と同じで、変化は無さそうね。街の人々も若いけれど、変わってはいない。攻略もゲーム通りで問題なさそうね。)
バーベナは魔力と武力が富んでいる街というコンセプトで作成されている。
電化製品という概念がないディジーファンタジアの世界では、日常生活には魔力が必要不可欠となる。
バーベナは魔力を街のインテリアに惜しみなく注ぎ込んだ魔道具(魔力が動力となって動く道具など)を使っている。
魔道具を惜しみなく使っている煌びやかな噴水やライトは人々を魅力するのだ。
(バーベナが現実世界にあったら、絶対素敵なデートスポット確定ね。リア充が湧き上がってきそうだわ…。)
「エリーゼ様!追いつきましたよ。」
バーベナの町をキョロキョロと観察していたエリーゼに、ようやくクロムは追いついたようだ。
「思ったより遅かったわね。馬車を預けるのに時間がかかったのかしら?」
エリーゼがクロムに尋ねる。
「いえ、エリーゼ様が小柄なので、人混みに紛れると探すのに少々お時間をかけてしまいました。」
クロムは苦笑いで答える。
「たしかに、5歳児は身長的に見つけにくいわね。ごめんなさい。」
早く攻略したかったとはいえ、運転手としてクロムを付き合わせていることもあり、エリーゼは謝った。
「いえいえ、お気になさらず。
それはそうと、エリーゼ様はバーベナに何か用事があるのでしょうか?」
クロムはエリーゼに問いかける。
カルミアは産業の街であるためレストランやアクセサリーも豊富であるが、バーベナは魔力と武力の街だ。
バーベナでは武器や防具、魔道具などは売ってはいるが、強靭的な魔力や武力を既にもっているエリーゼに必要とは思えなかった。
「そうね、人助けもしなきゃいけないけれど、まずは闘技場に行くわ。」
「かしこまりました。では行きましょうか。」
エリーゼとクロムは闘技場へと向かうのだった。




