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実験そのいち!


「エリーゼ様、町を1周いたしましたが、お気に召すものはございましたか?」

クロムはキラキラとキョロキョロとあたりを見渡す様子を見て、何か欲しいものがあるのではないかとか考えたようだ。


「そうね…まずは、アクセサリーショップに行きましょう?」

エリーゼの言葉に、クロムは「御意。」と返事をすると、大通りのアクセサリーショップに向かおうとする。


「そっちじゃないわ。こっちよ。」

エリーゼはUターンしようとするクロムの袖をひっぱり誘導する。


「エ、エリーゼ様?アクセサリーショップはそちらでは?」

困惑するクロムの袖をつかみひっぱりながら、エリーゼは路地裏の方へ誘導する。


(やっぱり!今作もちゃんとここにあるようね。)

路地裏を少し進み曲がり角を2回ほど曲がると、古ぼけた小さな店が見えた。


「ここよ。」

そう言うとエリーゼはクロムの袖を離し、その店の中に入っていった。


「こんな所に…こんな場所があるなんて…。ちょっ!エリーゼ様お待ちください!」


関心したのも束の間クロムは慌ててエリーゼを追いかけるように店の中に入店した。



「…いらっしゃい。」


店内に入ると、強面の男がカウンターに座っていた。


カウンターの周りには、ゴリゴリの身体に不釣り合いな、繊細な装飾品が並べられていた。


髪飾りやネックレス、ピアスやブレスレットなどが品よく並んでいた。


ここのお店は、知る人ぞ知る隠れ名店の1つアクセサリーショップ(装飾品屋)である。


(ゲームの頃は、最初は城下町の半分しか移動出来ない設定のせいで、後半になることそして詮索して見つけないと、この店に入ることは叶わなかったけれど、すんなり入れてよかったわ。


値段は高いけれどどれも1級品。魔力向上のペンダントや、魅力アップの繊細な髪飾りなどが売られているのよね。


店員の名前はゴリオル、強面だけど話すと優しくてー部の熱狂的なファンがいたのよね。


ゴリオルのイベント発生条件は、『赤珊瑚の髪飾り』と『雫のネックレス』というアイテムを購入し、この場で装備することだった。そうすれば、イベントが発生する。…ちゃんと発生するのかしら?)


カルミア王国に来る途中でモンスターを倒しているため、ジュール(お金)はたっぷりとある。


「すみません。『赤珊瑚の髪飾り』と『雫のネックレス』をください!」

エリーゼがゴリオルに声をかける。


「…合計2500ジュールだよ。」

エリーゼが2500ジュールを払うと、髪飾りと雫のネックレスを可愛らしい紙袋に入れようとする


「2つともここで身に着けるわ。」

エリーゼは雫のネックレスと髪飾りをそのまま受け取る。


「クロム、これをつけたいの。お願いできるからしら?」


「御意。ハーフアップでよろしいですか?」


「ええ、よろしくね。」


クロムは最初にエリーゼにネックレスを付けてあげると、その後はテキパキとエリーゼのふわふわとしたライトパープルの髪を編み込みながら、ハーフアップを仕上げていく。


エリーゼが髪飾りを渡すと、編み込んだ部分に赤珊瑚の髪飾りをつけてくれた。


「ありがとう。」

エリーゼがクロムにお礼を言うと「これくらいお易い御用です。」とクロムは微笑んでくれた。



すると、先程まで喋らなかったゴリオルが口を開いた。


「…赤珊瑚はな、昔は漁に行く漁師たちの安全を祈願するために、漁師の嫁さんが身につけているものだったんだよ。」

ゴリオルはどこか何かを懐かしむような表情でそう言った。


(よし!イベントが始まったわ…!5歳児でも要件を満たせば始まるのね!)


「存じているわ。雫のペンダントは、漁師達が無事に帰って来た時の嬉し涙を表していることも知っているわよ。」

ゴリオルの言葉に対し、ドヤ顔でエリーゼが答えると、ゴリオルの強面の顔が動いた。


「…よく知っているな、お嬢さん。再びその懐かしい姿が見れて、俺は嬉しいんだよ。きっと何かの縁だろう。そうだ、これを持っていきなさい。」


ゴリオルはカウンターの下をゴソゴソすると、手のひらサイズの包みをエリーゼに渡してくれた。


「ありがとう!」

エリーゼはにっこりと微笑みながら包みを受けとった。

(受け取れるものは貰っておくのが1番よ。)



(イベントは条件が揃えば起こることの立証完了。そして、初回からチートアイテムのゲットは最高ね。


2500ジュールなんて溜まるかしら?とおもっていたけれど、

道端でたまたまジュールを倒したおかげで、お金に余裕もあったし、ラッキーだったわ!)


ゴリオルに再度お礼を言い、エリーゼとクロムは店を後にしたのだった。


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