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第一話 いきなり追放されてみた

久しぶりの新作投入です。

あまり長くはなりません。


「ケント、お前はクラーク共々追放じゃ」

 僕はこの日、実の父であるドナルド・ウィザードリア陛下から絶海の孤島への追放を命じられた。


「なぜです、父上」

 僕は反論を試みる。

「本日第八王子であるクラークの魔力選定を行ったが、奴は7つの属性のいずれにも適性を示さなかった」

 王はなぜか兄であるクラーク第八王子の説明をし出す。


 ちなみに第八王子のクラークは僕の前に追放を言い渡され、ただ今絶賛床にひざまずいて呆然としている最中である。


「それと僕とは関係ないでしょう」

「クラークの髪は、白に近い銀髪……

 どの魔力の色でもないので心配はしていた……」

 僕の意見など耳に入らないのかそのまま説明を続けるドナルド王。


「もしかして、銀髪でも何かの魔法に適性を示すかもと今日まで待ったが無駄であった……」

「いえ、ですからそれはクラーク兄上のことであって……」

 僕の意見や言葉は聞く気がないのだろう。

 そのまま話し続けるドナルド王。


「ケントよ

 お前の髪は何色だ」

「はい、わかりません」

「なぜ、わからぬのだ?」

「それは父上、私の頭を見れば一目瞭然でしょう」

「そう、その通りじゃ。お主の頭には一本の毛も生えていない。

 そしてそれが答えじゃ」

「はい???

 全く答えになっていないと思うのは私だけでしょうか」

「わからぬのならば、教えてやろう。

 我が魔法王国ウィザードリアでは、髪の色がそのまま魔法適性に反映される傾向にある。

 クラークが銀髪で無能だったように、ハゲのお前も無能に違いない。

 よってケント・ウィザードリアにはクラーク・ウィザードリアとともに名もなき絶海の孤島へと追放申しつける」


 なんと言うことでしょう。

 魔法適性がないため追放となる兄に巻き込まれるかのように、6歳になったばかりの僕にも追放が申し渡された。


「父上、お待ちください。

 魔力適性測定の儀が行われるのは12歳のはず。

 後6年もあればきっと私にも髪が生えるはずです」

 僕は最後の抵抗を試みる。


「ケントよ。

 我々はお主が生まれてから既に6年待ったのだ。

 その間、お前の頭皮の毛根は一本の毛も生産しなかったではないか。

 これから6年待っても、とても主に毛が生えるとは思えぬ」

「そんな……

 父上……」

「もはや言うことはない。

 疾く失せよ」


 そう言い残すと父王陛下は謁見の間から颯爽と引き上げ、僕と兄クラークだけがその場に残された。







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