8話 人は殆んどが自分しか見ない、自分しか見えない、自分の利益しか考えない、自分の幸せしか守りたがらない...そんな、悲しい生き物さ~by仕恩廻~
タイトルが長い、細かい事は気にしないでいいので、本編をどうぞ!
「どうも初めまして、あの、助けてくれてありがとうございます。私はナーリと申します」
丁寧な自己紹介をしてくれているのは、さっき優が助けた少女だ。今この少女ナーリと、彼女が今暮らしている小さな小屋にお邪魔している。あと、のびてるゴロツキ共も縛って(ドドドS女帝直伝“ドMファイナルロック”)外に放置している。
「ご丁寧にどうも、俺は廻、こっちは地香、そして優だ」
そこの木造のテーブルと椅子にお互い腰掛け、こっちの自己紹介をした。
「えっと、メグルさんにチカさん、そしてユウ…さん」
ナーリは俺達の名前を復唱したが、何故か優を呼ぶときだけ顔を赤らめてた。
「あっあの皆さん!助けて下さって本当にありがとうございます!」
「いいって、いいって!ナーリちゃん」
「あっ、今飲み物お持ちします!」
優はさぞ当然の事をしたかの様にしてるが、ナーリさんは律儀だなぁ、歳は俺達より下だろうに。
「あのっ、どうぞ、お口に合うかどうか分かりませんが…」
さて、ここに来るまで俺はゴロツキ共引っ張って来なきゃなんなかったから、遭遇した場所より近くても大変だった。だから喉が乾いてしかったなかった。
「ありがと…」「サンキュー!」「どうもー」
そして俺は、お茶…らしきモノをゆっくりと口に入れた。
「…うま、」「おいしーな、これ!」「うん、生き返る!」
なかなか旨かった。俺達のよく飲むお茶よりか、断然旨い。
「ほっホントですか?!よかったです」
ホッと安堵の息を漏らすナーリに、優が質問した。
「ねぇーナーリちゃん」
「ひゃぁい?!あっあのぉーなんでしょうか?ユウ…さん」
「なんで襲われてたの?」
「あっえぇ?!」
いきなり、話を切り出す優!俺は、優の顎を掴み。
「いきなりすぎじゃね!もっと空気読めよ」
「あ、ぁごがはずねぇる、ぶごふごごはぁー」
「あっ?!いえはっ話します!話しますから、ユウさんを放してください!」
「えっ?ああぁ」
放してやったら、ナーリが話をしてくれた。
(ぶっちゃけ、面倒事の予感すんだけど…)
そう、優が美少女とかそこら辺助けると、100%!もうこれ呪いかって位で面倒事に巻き込まれる。そんなパターンなのだ。
コイツ…能力無くてもただでさえ、美少女と遭遇…しかも、さっきみたいに遭遇すんだよ。なんか、チンピラやっつけーの、そのあとトラブルに巻き込まれるーのー!そのコンボがさらに能力のせいで、美少女と会う確率アップだよ!もうナニ?!この地獄のトラブルコンボアタック!
そんな事考えながらお茶をすすった。そして…
「実は私、ここの近くの村の村長の娘…みたいな者なんです。“カルラ村”って言いましてそこで、のんびりとじいちゃん…村長さんのお手伝いをしながら暮らしていたんですが、隣町の“カネール町”の領主、“エルトン家”が私達の村に来て…『この村を明け渡せ』っていきなり迫って来たんです。当然、そんな要求村の皆は、承諾するつもりはありませんでした。『とっとと帰れー!』って皆が言って一度は追い返したんですが…“エルトン家”は、懲りずに自分の娘を交渉役として幾度もこの村に訪ねました。その娘さんは、親の領主よりかは話は分かる人でした、いろんな条件を提案してきました、『別の所に新しい村を作りますのでそこに住めばいい』とか…横暴な事は何も言わずちゃんとした条件を提示してくれてはいますが…」
「住み慣れた場所を、そう簡単に手放せられないから失敗したって所か?」
「えぇ、メグルさんの言う通りです。それでも、領主の娘さんは、諦めずにいろんな条件を提示してきましたが、私達は納得出来ません」
「つーか、何で村が欲しい訳?」
「彼女は町の領地増幅の為と言ってはいたけど、領主の方は、ここでしか取れない貴重な草を独占しようとしてるみたい」
「どんなの?」
「ケガに良く効く普通のポーションよりも効果のあるポーションの材料の草、それを使って金儲けしようとしてるみたい」
「そしてしびれを切らした領主が、ついに嫌がらせをしてきたの、村の物わ壊したりと警告のつもりで、そして私は草を守ろうとこの小屋に行ってこうとした時にあの人たちに襲われたの!」
「じゃあここは」
「草を栽培したり、ここでその薬草を作るための小屋なの」
「はぁーっで、その領主の娘さんはどうした?」
「最近は、あまり来なくなった」
「…もしあの時優が、助けてに来てなきゃお前、人質にされてたかもなー」
「…はい、だからユウさん!あなたは命の恩人です」
「もっもちろん!メグルさんに、チカさんもですよ」
「いいってばぁー」
地香がそう言った後俺は、外にいるゴロツキ共の所に行った。それから…
「あのぉーメグルさん、何をして要らしているんですか?」
「んーー所持品チェック」
「えっ、」
「それから、情報収集」
俺は、素早くゴロツキが持ってたカバンやら、身に付けている物を剥ぎ取った。
「こっ、こうゆうの慣れているんですか?」
「まぁーなー」
いろいろ面白そうなモノがあるが、とりあえず後にした。さて…俺はゴロツキのリーダーらしき奴に近づき目を見開かせた。気絶してるからよしとして、【神眼】の能力の一つ“メモリーダイブ”を使う、簡単に言えば目を通して相手の記憶を見ることができる。調整は必要だが…多分すぐに慣れるはずだ。俺の能力【神眼】は【魔眼シリーズ】と呼ばれる“目”を由来とする力を持つ能力の総称。俺が今まで使っていた“千里眼”とか今使っている“メモリーダイブ”そして、人の心を読める“読心眼”優たちのステータスとかを覗き見できた“鑑定眼”などは、【魔眼シリーズ】を持つ人が使える能力だとか、そして基本【魔眼シリーズ】を持ってる人、は1人一つしか俺の使ってるやつや、他のしか持てないらしい、つまり…俺の【神眼】は全【魔眼シリーズ】の能力すべてを扱える。
とっ、そんなこんなで調整を仕終えると見えてきた。
見えたのは、どっかの町外れでゴロツキ共と高級そうな服を着たキザったらしい男性が何か話をしていた。
☆
『んでぇー俺達は、このガキさらえばいいんだな?』
ゴロツキのリーダーみたいな奴は、右手に写真を持ってそう言った。その中に写っていたのは間違いなくナーリだった。
『えぇ、そうして私の元に殺さず持って来てくれさえすれば…』
『約束通り、報酬を弾んで差し上げますよ、キヒヒヒ♪』
口元を手で隠しながら、何とも嫌な笑い声をあげた。
『おーし!やるぞてめーら!』
『あいさー』『ラクショーだぜー』『イージーイージー』
『これで一儲けだ!』『いえーーーい』
それぞれ歓喜の声を上げていた。
『それじゃあよろしく♪』
『おう』
そうやって別れた。
☆
この辺かな…にしても人ってのは悲しい生き物だなー
殆んどが自分しか見ない、自分しか見えないしよー
自分の利益しか考えないしよー
自分の幸せしか守りたがらないしよー
まぁーそーゆう俺もその一人だけどな。
ここから…ここからが彼の、彼らの運命の巡り合わせとも言うべき日の前日に差し掛かった。
その事を彼らは知る由もない。
~突発あとがき作者の部屋~
廻の【神眼】中々に役立つ能力なので、これからどんどん使って…行くかどうかはお楽しみにして下さい。
廻「面白かったり、修正箇所があったり、優をどんな風に×××××したければ、ブクマと評価、そしてコメントを宜しくお願いします」
優「最後の×××××って何?!要らなくない!」