おぢさんは人生を哲学する その六『洗濯』
昔々、おぢさんが自炊学生だった頃、使っていた洗濯機は二槽式洗濯機だった。
洗濯中ずっとくっ付いて居なければならないが、二槽式も良い所が有った。
全自動とは違い、洗濯水を捨てない二槽式は、洗剤がかなり節約できたのだ。
そんな二槽式は使い方にコツ?が有った。
まず最初に洗うは~。
『ボタン・シャツの類』、コレは汚れも少ないので次への洗剤追加はさほど必要なかった。
脱水は軽く。
次に洗うのは~。
『下着・パンツ&シャツ』、水を少々追加して&その分の洗剤を少々追加する。
脱水は普通。
そして次は~。
『Gパン』、ジーンズ、水を追加&洗剤はやや多めに追加。
ちなみに、Gパンを裏返して洗えば、生地スレによる色落ち&布地痛み?も少なく、鮮やかなインディゴブルーを保てるなそうな。
脱水はしつこく。
ラスは~。
『靴下』である、この辺りに為ると洗濯水もチョット中々な色合いに為って居る。
でも、おぢさんは平気だった。
脱水は適当。
でもって洗濯はココで、すすぎの終わっていない山盛りの洗濯物を取り置き、一区切りと為る。
後は~。
脱水槽の中の洗剤成分をホース水で流し、洗濯物を順次、すすいで・脱水をかけ・干して行くだけである。
で、なので有るが――。
二槽式洗濯機をキーワードにその頃を思い出し、おぢさんは、ふと思い付いてしまった。
思い付いてしまったのだった。
『もし、自分の魂を洗うとすれば、何番目に入れて洗うべきか?』
…………。
一番最初だろうか?、イヤイヤ自分の魂がそんなにキレイだとは、とても言えない。
んでは、パンツの前か?、後か?。
パンツか――。
俺の魂は自分のパンツよりもキレイなのか?、汚い・汚れているのか?。
答えは難しい、しかし、せめて、我が魂はパンツと同じ程度とは思いたい。
そこで一句~。
『洗濯機・パンツと共に・グルグルと・我が魂が・回り微笑む』
次、往ってみよう~~~。
ん゛ぢゃ、次。
靴下。
2~3日ほど履いた、靴下。
家具のスミッコから何時からかの、発見・発掘の靴下。
そぅ靴下。
…………。
俺の魂は、靴下よりも汚いってか~~~~~~っ、臭うってか~~~~~~っ。
…………。
否定でけん自分が居た。
ならば物は試し、靴下の前に我が魂を洗って、その洗濯水を見たらドロドロで、靴下も洗えない代物に――。
ショック。
生きて行けないかもしれにゃい。
しくしく。
二度洗いしようか。
しかし、おぢさんは気が付いたのだった。
『魂を洗濯してキレイに出来るならば、人は苦労しない』
世の中、犯罪など無くなるのだった。
うむ。
てか、魂から汚れ?を全部キレイしてしまったなら、ソレの魂は果たして自分なのだろうか?
そうだっ、エロに発情しない自分は自分なのかっ?。
そうだっ、良い本・悪い本・いけない本を、買わなくなった自分は自分なのか?
そうだっ、女性の後姿、スカートの揺れるお尻を、ついつい見詰めてしまう――。
全部、自分なのだ。
うん。
おぢさんは洗濯を通して人生を哲学したのだった。
そんな、おぢさんだったが~。
少し、ホンの少しなら、魂を洗濯してもイイかな、とも思ったのは秘密である。




