表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇鍋・短編集  作者: ケイオス
26/29

おぢさんは人生を哲学する そのヨン『ド忘れ』

 おぢさんには日課の無料ネットゲが有る。

 今夜も今夜とて、何時ものようにログインしようとした――。

 のだが……。

「あ゛」

 キーボードを前にして、突然おぢさんの手が止まっていた。


 思い出せない。

 半分パニック。

 そ、そんにゃっっっ。

「うを」

 そぅ、おぢさんはパスワードを打てずに真っ白に為って居た。

 居たのだった。


 毎日、毎晩、必ずプレイしているネットゲ。

 インするためのパスワード。

『ソレ』が出てこにゃいっっっ。


 おぢさんは焦らなかった。

 おぢさんはタバコを一本、唇に挟み火を着ける。

 フーっと紫煙をひとふかし。

 そして、つぶやく~。

「ふ、こんな事もあろうかと」

 ゴソゴソと一冊のメモ帳を取り出す、おぢさん。

 色々と重要事項をメモってるページをめくり~。

 目当てのパスワードを探し出す。

 そして無事にログイン出来た、おぢさんだった。


 何時ものように、何時もの如く、水割りを一杯。

「認めたくないものだな、自分のオッサンゆえのド忘れを」

 おぢさんの、クールに言い放つ言葉に哀愁があった。


 今回は、電子の海、デジタル情報なぞを全く信用していない、アナログな・おぢさんの勝利なのだった。

 勝利?




 おぢさんは確信して居る事が、ひとつ有る。

『人が作り、人が使う、人の道具』

 絶対に、間違いが起る。

 絶対に、故障が起きる。

 絶対に、完璧に信用してはならぬ。

 おぢさんの信念で有る。


 不完全な存在が生み出すモノに、完全なぞ有り得ない。

 だが人は、己の限界を超える道具の凄さに、目がくらむ。

 作ったのも人ならば、メンテするのも人で、使うのも人、不完全な人なのだ。

 そしてだ――。

 世の中には『運』っーモノが確かに在る。

 この運が恐ろしいのだ。

 なので、色々とぅう~~~ぅ。

 …………。

 おぢさんは自分自身をも、まったく信用していないので有った。



 おぢさんは日課のネットゲをプレイする。

「うふふふ、うへへへ、うひょひょ、ふへぇぇぇ」

 3Dグラフィックの女性キャラクターに、愛のこもった声を漏らしプレイするのだった。


「今夜も幸福だ♡、ありがとう☆、また明日、おやすみなさい」

 おぢさんは満足の微笑みにログアウト。


 しかし、実は、登場キャラクターの名前を、突発的に思い出せなく為る――。

 おぢさんだった。



 おぢさんは今夜も一杯やって眠るのだった。

 エロ水着姿の自プレイ・キャラを、夢の中で抱き締めながら。


 そぅ、男を暖めてくれるのは――。

 幼い頃は、母親が暖めてくれる。

 若い頃は、女が暖めてくれる。

 ツライ人生は、酒が暖めてくれる。

 老齢は、布団が暖めてくれる。

 そして~。

 今の、おぢさんの魂を暖めてくれるのは、巨乳・桃尻の3Dキャラなので有った。


 人生を哲学する。

 幸福は人それぞれ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ