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闇鍋・短編集  作者: ケイオス
22/29

おぢさんは人生を哲学する その弐『驚愕(きょうがく)』

 何時ものように、何時もの如く、おぢさんは深夜、一杯やっていた。

 そしてフト、机の横っちょに置いて有った、ごく普通の週刊誌に気が付いた。


 コンビニで表紙買してしまった週刊誌である。

 別にエロ本では無い。

 普通の社会人向けの週刊誌。

 ちょびっと桃色なグラビアが有って――。

 ちょびっと気に為る特集『老化の***』とかが有り――。

 桃色のグラビア女性が、ちょびっと好みだったり、だったりした――。

 そんな週刊誌であった。


 酔っ払いおぢさんはパラパラと週刊誌を流し見る。

 どうしょうも無くも、合いも変らず日本社会。

 酒を飲んで居る時に悲しく為るのは、悲しい。


 と――。

 ふと目に留まったページが有った。

『熟女のエロDVD』通販ページだった。

「くっ」

 おぢさんは思わず笑ってしまった。

 こんな代物を買う人間が居るのかっ?!

 お金を出して買うならっ。

 ピチピチ・ギャルの桃尻・性春エロエロだろうっ!!!



 ――と、唐突に、酔っ払いおぢさんの魂に衝撃が走った。

 …………。

 水割りコップの手が止まった、おぢさんが板。

 …………。

 驚愕の顔で静止している、おぢさんが板。

 …………。

 そぅ、真実と事実に、今、気が付いてしまった、おぢさんが板。


 おぢさんは――。

 熟女と――。

 つり合う年齢だった――。


 決してえぇぇぇ。

 ピチピチ・ギャルとは、もぅ、年齢が犯罪。

 桃尻・性春とは、もぅ、無理っ年齢。

 残り人生の年月を数えた方がぁ、もぅ、早い。

 と。

 気が付いてしまった。

 のだった。

 た。


 驚愕、驚愕の事実。

 そして、まごう事なき、残酷、残忍な、現実。

 認めたく無くとも、認めざるおえない、真実。

 目の前に突きつけられた事実に、おぢさんは驚愕した。



 心の中ではガキのまま。

 けれども肉体は、おぢさんに為って居た。

 悲しい。

 とても悲しい。

 とてとて悲しい。

 若いピチピチ・ギャルと、つり合わない自分に、為ってしまっていた、自分。


 奇跡的な、海とビキニ水着、アバンチュールは、もぅ望めないと言う事に。


 夏祭りの性春は、もぅ訪れないと言う事に。<<訪れた事は無かったが。


 一発逆転っ、『異世界転生』に賭けるしかにゃいのかっっっ。


 おぢさんは驚愕し、涙した。



 人生は過酷だ。

 気が付いた時は、もぅ手遅れだ。

 おぢさんは週刊誌の『熟女エロDVD通販』のページをそっと閉じた。


 そして――。

 週刊誌の巻末グラビアのページを開き直したのだった。

 肌露出度がとても高い、結構、好みな女性を、じっくり、舐めるように、観賞&妄想。

 お尻側からのシヨットが有るのが嬉しい、観賞&妄想。

 そして、つぶやく~。

「うん、まだ大丈夫、大丈夫だっ」

 ナニが大丈夫なのか?

 おぢさんはホッとしながら、もぅ寝るかと深夜につぶやく。



 今夜も人生を哲学してしまった、おぢさんだった。

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