ふきのとう
「とってきたから食べな」
と言われてもらったのはビニール袋に入った草だった。
土のにおいがするそれを受け取って、まず思ったことは――
(草?!)
である。
(ふき? ふきのとう?! え、なんか聞いたことあるけど)
じいちゃんとばあちゃんが仲良くどっかの山で採ってきたらしい草をとりあえず形だけありがたくもらっておいた。
(どっかの山……これって密猟なんじゃ)
密猟の定義はわからないが。
いや、それどころか昨今は熊がなんか危ないらしいから山に入らないほうがいいんじゃないか。
とか考えながらとりあえずグーグル先生に調理法を聞いてみた結果。
【水で良く洗いてんぷらにしましょう】
とのことだったので。
「……日本酒ですね」
あっさり決まる本日のメイン。
昔からある料理には昔からあるお酒が合う、はず。
ボールに水を張り、ふきのとうを入れると出るわ出るわ、細かな土が。
ちょっと色が悪くなっている外側をとってきれいにしたら。
コツのいらない○ぷら粉でカラッと揚げる。
「ふいー……」
揚げ物は労力を使うけれど、その分喜びも大きい。
カラッと上がったら
ふきのとうの天ぷらの出来上がり。
冷やしておいた瓶の日本酒を開けて、最初はお塩で――
「いただきまーす」
サクッと一口。
クック○ットには旬の味覚と書いてあったけれど初体験の草の味。
山菜? 食べたことないよ。
コンビニに売ってないでしょ?
口の中に軽快な揚げ物の触感、その一瞬の先には……
「うっま!!」
ほのかな苦みと香り。
「え? なにこれおいしいめっちゃおいしい!!」
あっという間に二口目。
冷えた日本酒(大○ワンカップ)をあおってさらに一口。
「……おいしい」
もぐもぐしながら一人感嘆を謳う。
大人になったから? それともこれまで食べたことがなかったから?
「うわー、どうしよう」
こんなにおいしいものをもらって
どうしよう。
(酒に合う)
グビッとワンカップを煽る。
(どうしよう……)
「ワンカップじゃ足りないかも」
おすそわけの春の味。
ほろ苦さがおいしい、大人の味だった。
殴り書き。




