唐揚げ
ガッツリ行きたい時がある。
仕事帰り、近所のスーパーへ寄り道。
いつも買うのはアサヒビールが出してるクリアアサヒ。
CMが好きだし、何より安くてアサヒっぽい味をちゃんと出してる。
いわゆる第三ビールってやつだけどこのご時世だから仕方ない。
『安物』『劣化版』って見下す人がいるけれど彼らにだって良い点はある。
味が濃すぎないところだ。
主張しすぎないのを『薄い』ととるか『どんな料理にも合わせられる』ととるかできっと印象が変わる。
(あっつい……)
500mlの六缶パックをカゴに入れる。
九月に入ったとはいえまだまだ残暑厳しい。
(こういう時は唐揚げ! しかもこの時間は……)
足早に惣菜コーナーに向かう。
丁度店員が二割引きシールを張っているところだった。
(よっしゃああああ)
心の中でガッツポーズ、しかもお目当ての唐揚げはすでに残り一パック。
すかさず手に取った時だ。
反対の方向から茶色く日焼けした手が視界に入ったのは。
顔を向けると学校帰りの体格の良い男子高校生が(二倍位身体が大きい)しょぼんとした顔で手を引っ込めていた。
(……?!え、もしかして……)
さっと身を翻した高校生の背中が、二倍位大きい彼の背中が
なんだかとっても小さく見えた。
(な……なんか、なんだこれ、この……一方的に悪者にされた気分)
でも買う。
(ごめんね少年、でも……)
家に帰ればあったかいご飯を作ってくれる人がいるんだから。
腹ペコで帰りなさい。
(あ、今ちょとダメージ……)
誰もいない家に帰るとすぐに猫が出迎える。
買ってきた唐揚げを魚焼きコンロで炙りながら猫缶を餌皿に入れてやる。
台所からいい匂いがして来たら
唐揚げ(惣菜温めただけ)の出来上がり。
ゴクゴクゴクっとクリアアサヒを飲みながら猫を撫でる。
「……あんたが作って待っててくれたら最高なんだけどねー」
パクっと唐揚げを一口。
コンロで焼きなおしたそれはただ買ってきたのよりもジューシーで旨みがある。
「あー。嫁が欲しい」
唐揚げは片栗粉と小麦粉の混ぜたのを衣に使ったのが好きです(`・ω・´)




