004話
「無生物に魔力や魔法を込めたり、人格を宿すことが可能になる魔法ねぇ、似たような魔法はないことはないんだけどいろいろと不便な点も多いよ?」
似たような、ということは俺が欲しい魔法とは少し違うのか?
「そうだね、名前は付与魔法って言うんだけど無生物だけでなく生物にも使えるようになっていて魔力や高度な知能を与えられる魔法だね」
そこだけ聞くと俺が欲しい魔法よりも良さそうに聞こえるんだが。
「いや、さっきも言った通り不便な点が多いんだよ、例えば生物に魔力を付与するにしてもその生物と相性の悪い属性の魔力を付与した場合死んでしまうし、高度な知能を付与するにしても今までとの知能の差に暫くの間は混乱してしまったりね、無生物に付与する場合、特殊な物とかじゃないと魔法の力に耐えられずに暴発してしまうし、それ以前に魔力との親和性の低い素材で出来た物では魔力や魔法を付与することすらできないし、他にもいろいろと不便な点があるんだけどそれでもいいの?」
確かに使い方が難しそうだな、だがその魔法を取ろう。
「え、なんでこんなに不便な点を聞いたら普通は使いたいとは思わないでしょ」
使いにくいということは使いこなせれば強いんだろう。
「確かにそうだけど」
それにこれを使いこなせれば何だその……かっこいいじゃないか。
「……あははははっ、君は面白いね」
それは褒め言葉として受け取っておこう。それとこんなぐらいで特典は充分だ。
「そうかい、なら最後にステータスで確認してみてね」
ああ、【ステータス】!
名前 天野響也
種族 人間(霊体) 年齢 18 職業 大学生
LV 1 状態 霊体
体力(HP) 185/185 魔力(MP) 115/115
筋力 18
敏捷 21
耐久 19
知力 23
器用 20
精神 20
運気 7
保有スキル
物理系スキル
初級体術lv4 水泳lv6 脚力強化lv3 痛覚遮断lv1
体力自然治癒力強化lv1 魔力自然治癒力強化lv1
精神系スキル
霊感lv3 危険予知lv1 思考加速lv1 精神統一lv2
神託lv1
魔法系スキル
付与魔法lv1 召喚魔法lv1
生産系スキル
錬金術lv1
特殊スキル
鑑定 異世界言語翻訳
称号
運命を変えられた者 生を終えた者 神に関わりし者 主神ラウエスの加護
ん?何個かスキルが多くないか?それに能力値も一回りあがっているし。
「本当はこれ以上特典を上げるつもりはなかったけど...君は面白いしね、僕の加護と、付与魔法を使いやすいように錬金術と召喚魔法、後は体力と魔力の自然治癒力を上げるスキルを追加しといたよ」
そうか、ありがとな、というかお前主神だったのか。
「あれ、言ってなかったっけ、でも君が聞かかったら言わなかっただけだし」
それは悪かったな、じゃあそろそろ行こうと思うんだがどうやって行けばいい?
「それなら目をつぶって力を抜いてくれ」
こうか?
「そうそう、君との会話は中々面白かったよ、手が滑って君を殺してしまった僕が言うのはなんだけどもよい人生を!」
ああ、こっちも少しは楽しかったぜ、それじゃあな。
直後俺の周囲が光始めると徐々にその光を増し、やがて一際大きく光ったかと思うと徐々に光は収まっていった。そして光が完全に収まりゆっくりと目を開けるとそこには草原が広がっていた。




