玉川学園 side萌咲
私は水主萌咲。中学1年生。
ただいま玉川学園へ全力疾走中です。
まぁなんでこんなことになったかというと、なんかいろいろあって玉川学園っていう超名門に通ってる柊琴乃と入れ替わっちゃって。それからまたなんかいろいろあって私が玉川学園に、琴乃が芸能界に行くことになったんだけど。
玉川学園まであと1分で着くからいいけど、かなり遅刻ギリギリ。
あぁ、これもう、前ドラマで撮った、遅刻して先生に怒られて廊下立たされるっていうシチュエーションになっちゃうよ。
なんとか全力で走って、鐘がなる前に教室に入れた。
だけど、もう教室のクラスメイト(っていうんだっけ?)が座ってて内心どぎまぎしながらも、琴乃から言われた席に着く。
と、先生が話し始めた。
長々話した後、ようやく1限目に。準備を黙々としているときだった。
「琴乃ちゃん、おはよう!」
目の前にいる子に挨拶をされた。
焦げ茶色のパーマのかかったロングの髪に、大きくてぱっちりとした目。二重でまつげも長くて、お人形さんみたい。足もすらっとしててモデル体型。肌も色白で芸能人と疑うほどかわいい。
「おはよう。えっと」
「琴乃ちゃん、覚えてる?ほら、1か月前までフランスに行ってた高城 愛莱だよ。幼稚園の時、一緒に遊んだでしょ?」
高城愛莱……フランスに行っててよかった。学校での友達で名前を憶えてなかったら驚かれちゃうもんね。
「もちろん覚えてるよ。愛莱だよね?」
「ん?呼び捨て?前までは私の事、琴乃ちゃんは愛莱ちゃんって呼んでたよね?」
琴乃~~~~~~~~~~~~~っ!と、内心琴乃を責めてしまいつつ。
そんなことを悟られないようにまたも口を開いた。
「あ、そうだった。愛莱ちゃん。」
「ふふっ、嘘だよ~~。琴乃ちゃんは私の事呼び捨てで呼ぶもん。カマかけてみた~~」
……カマかけないでください、いつバレるかとこっちはひやひやしてるから。
「やっぱり私がフランス行ってる間に呼び方忘れちゃってたんだよね。まぁしょうがないよね。私、6年間琴乃ちゃんと会ってなかったし」
とりあえず、愛莱が長年フランス言ってて私が呼び方忘れたってことになってよかったけど。
このままじゃ、普通にボロが出てばれてしまいそうな気がする……。
私は愛莱にばれないように、小さく息を吐くのであった。




