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ミレイ死亡の報せ

 ——それは、あまりにも唐突な知らせだった。


「……ミレイの遺品が、ギルドに届いた。」


 エリサの静かな声が、リーナの耳に突き刺さる。


「え?」


 思わず、聞き返してしまう。

 けれど、エリサは悲しげに俯き、何も言わなかった。

 代わりに、隣にいたリカルドが低く続ける。


「ミレイが……死んだ。」


 その言葉が、まるで世界の終わりを告げる鐘のように響いた。


 ——そんなはずがない。


「嘘……でしょ?」


 リーナは、視界がぐらりと揺れるのを感じながら、震える声を絞り出した。


「だって、ミレイは……強いし、あの人が簡単に死ぬわけない……!」


「……ギルドが正式に死亡判定を下した。」


 リカルドがそう言うのを、リーナはただ呆然と聞いていた。


「崖の上で戦闘があった痕跡が発見された。そこには血痕と槍とナイフ、あとわずかな所持品が残っていたそうだ。」


「遺体は……?」


「見つかっていない。」


 その一言に、リーナの心臓が跳ねる。


 ——遺体がない。


 なら、まだ……!


「じゃあ、ミレイが死んだって決まったわけじゃ……!」


 必死にすがるような言葉。

 しかし、リカルドは表情を変えずに続けた。


「……あの場所は断崖絶壁だ。あんなところに取り残されたら、誰も生きては帰れない。」


「……っ!」


 言葉を失う。


「それに、発見されたのは武器と金貨だけだ。装備も持ち物も散らばっていた。つまり……」


「……そんな……」


 リーナの目の前が真っ白になる。


 ミレイの槍が、ナイフが、ここにある。

 それが意味するのは、彼女が何も持っていないということ。仮に崖から落ちて生きていたとしてもそんな状態で何ができるのか。


「——嘘だ。」


 リーナの手が、震える。

 ギュッと槍を握りしめる。

 ミレイの体温は、もうどこにも感じられない。


 でも、それでも信じたくない。


「……信じない。」


 小さく、でもはっきりと呟く。


「ミレイが……死ぬなんて、私は信じない。」


 目の奥が熱くなる。


 あの人はいつも笑ってた。

 あの人はいつだって自分の足で立ち、前に進んでいた。

 なのに、こんな形で終わるなんて、絶対におかしい。


「……リーナ」


 エリサの静かな声がいつもより大きく聞こえた。


 リーナは、ぐっと唇を噛む。


 ——私は。


 リーナは、涙を拭い、槍を握り直した。


「……探しに行く。」


 ミレイが本当に死んだのか、この目で確かめるために。

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