表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/107

第五章 〜城塞都市ファル=ガルド〜 9

 討伐を終えたミレイは、ゴブリンの耳を証拠として回収し、ギルドへ戻った。夕方のギルド内は活気に満ち、多くの冒険者たちが依頼を終えて談笑している。


「ただいま戻りました。ゴブリン討伐の報告をします」


 受付嬢に依頼書と討伐証拠を提出する。彼女は証拠の耳を数えながら確認し、微笑んだ。


「お疲れさまでした。報告内容に問題はありませんね。……あら?」


 彼女の手がぴたりと止まり、驚いたように目を瞬く。


「ゴブリンリーダーの耳もありますね。通常のゴブリンとは比べものにならない強敵だったはずですが……あなたが単独で討伐されたのですか?」


 受付嬢の言葉に、周囲の冒険者たちがざわめき始める。


「え、ゴブリンリーダー? あの子が?」「新人じゃなかったのか?」


 ミレイは静かに頷いた。


「はい。リーダーを含め、群れを全て討伐しました」


 受付嬢は感心したように頷き、改めて報酬の計算を始める。


「今回の報酬は、基準額の四十ゴールド。そして、迅速な討伐を評価し五ゴールドを上乗せ……さらにゴブリンリーダーの討伐により三十ゴールドを追加し、合計七十五ゴールドとなります」


 思った以上の報酬に、ミレイは少し驚いた。金貨の詰まった袋を受け取りながら、内心でほっと息をつく。これでしばらくの間、生活の資金には困らない。


「ありがとうございます」


 報酬を受け取るミレイを、周囲の冒険者たちがちらりと見やる。Cランクになったばかりの少女が単独で依頼をこなしたことに、驚きと興味が入り混じった視線を向けている。


「おお、あの子、新人なのに一人でゴブリン討伐か?」

「それだけじゃない、ゴブリンリーダーまで倒したって……」

「俺たちでも厄介な相手なのに、凄いな……」


 ささやき声が耳に届くが、ミレイはあえて気にしないようにした。


 受付嬢が書類を整理しながら、優しく微笑む。


「初めてのギルド依頼、お疲れさまでした。あなたの実力は本物のようですね。今後の活躍を期待しています」


 ミレイは軽く会釈し、受付を離れた。これで、初仕事は無事に完了した。冒険者としての第一歩を踏み出したばかりだが、ここからが本当の戦いになる。




 夜になり、二人は宿舎の部屋で過ごしていた。リーナは慣れない仕事に疲れたのか、布団にくるまりながら欠伸をしている。


「今日は色々あったね」


「そうだね。でも、思ったよりちゃんと働けそうでよかった」


 ミレイは布団の中で静かに天井を見つめた。これから先、リーナとどこまで一緒にいられるのか。


「私、もう少し強くなったら……」


 リーナがぽつりと呟く。


「ミレイと一緒に旅ができるようになれるかな」


 ミレイはそっと目を閉じた。


「……その時が来たらね」


 リーナが完全に眠りについたのを確認すると、ミレイは深く息をついた。いつか、リーナをこの街に残していく日が来る。それまでに、できることをしておかなければならない。


 明日から本格的に動き出そう。そう心に決めながら、ミレイも静かに目を閉じた。

基準: 1G ≒ 500円~1500円(市場変動あり)


1G = 約1000円(一般市場価値)

10G = 1万~1.5万円(庶民の1ヶ月の最低生活費)

100G = 10万~15万円(都市住まいの中流層の月収)

1000G = 100万~150万円(貴族や商人の財力レベル)


今回の報酬75G = 約7.5万~11.25万円

これは一般庶民の約3ヶ月分の生活費に相当

ゴブリンリーダー討伐報酬が追加され、相場よりも高め


受付嬢

「この金額が一度に支払われるのは、通常なら熟練の冒険者か、小規模の隊で討伐する依頼ですね。あなたの実力が認められた証拠です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ