63話。当店おススメの腕時計。前編
スマホがあれば時間はわかる。だけど、腕時計も一つは持っていた方が良いかな。
時計店に買いに来てみたは良いが、自分に会う時計がわからない。既製品も売ってはいるが、自分でカスタマイズできる商品も人気だそうだ。面白そうだと見てみるとと、ベルトや文字盤もデザインから色まで幅広くあり。デジタルにするかアナログか、そこから悩んでしまっている。これではいつまで経っても決まらない。困った。
ふと、店内に置かれているカプセルトイが目に入った。『当店おススメの腕時計』とある。色合いがどれもシックで、フォーマルな装いでも合いそうだ。回そう。
『ガチャガチャ…ポン!』
あれ?
出てきたカプセルを開けると、デジタル腕時計が出てきた。深い群青色のベルトに、派手すぎない金色の文字盤。カッコいい。表示されている時刻が違うので直そうとしたが、操作ボタンがどこにもない。説明書を見ると、電池交換もできない使い切りの時計だそうで。仕方ないから、店員さんに言って交換してもらおうかな。ニコニコして立っていた店員さんに声をかけると、それはそれは嬉しそうに話してきた。
『こちら、世界時計になります。お客様のはオーストラリアの腕時計ですね。当たりですよ!』
世界時計か。なる程。これは当たりだ!早速腕に着けて、店員さんに見送られながら気分よく店を出た。
カンガルーに会いに行きたいな。海外旅行はお金が無いから……よし、今から動物園に行こう!




