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57話。魔法の杖。



無性にカプセルトイを回したい。暫く回していなかったので、禁断症状かのように手を虚空でクルクルと回していた。これは、回しに行かねば!!


駅前の大型専門店に向かって歩いていると。道中に、新しくオープンしたカプセルトイ専門店のを見つけた。ここにしよう。


中はとても広々していて、新作のカプセルトイだらけだ。この時点で、ここを選んで良かった。さぁて、どれにしようかな。時間を掛けて吟味を重ねる。今の自分にピッタリのモノはどれかな。

新作の人気アイドル魔法使いフィギュアがあったので、被りを考慮して取り敢えず5回回す。……おばあちゃん先生のフィギュアが一体に、おじいちゃん先生のフィギュアが4体出た。まあ、こんな時もあるさ。ダブったのは誰かにあげよう。


おや、隣に『魔法の杖』のカプセルトイが置かれている。杖を作っている人の写真が貼られており、鋭い眼光で木を削る様子に、妥協しない職人魂が垣間見えた。魔法使いフィギュアに持たせたいな。回そう。


『ガチャガチャ…ポン!』


あれ?


出てきたカプセルを開けると、杖が出てきた。杖は杖でも、思っていた魔法の杖とは違う。松葉杖のような形の杖だ。


『持つだけで万能治癒術を使用できる杖』


なる程。これは当たりだ!魔法の杖は必ずしも形が決まっているとは限らない。こんな杖もあって良い。


もう一回回すと、ビビットピンクの花柄四点杖が出た。近所の人が使ってるやつだ。


『持つだけで魅惑の魔法が周囲に影響を与える杖』


良いな。二つとも気に入った!


おじいちゃん先生のフィギュアに四点杖を持たせてみる。合いすぎて、この為に作られたのではないかと錯覚させられた。


おばあちゃん先生には松葉杖を持たせてみる。ああ、なんて事だ。優しい微笑みが白衣の天使に見えてきた。これは癒される。推しが増えて幸せだ。

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