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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第3章 学園祭そしてさようなら
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学園祭:なんとか閉幕

次に離された時はロニの毛はボサボサになっていた。



「やっぱり、何か起こると思って助けに来てくれたの?」



”そうだな、実はリリが家に帰ってきた時から、よくない何かを感じてて

こっちに戻ってくるときにこっそりついて来たんだ。”



「そうなの?何か合図みたいなのを出してたのかなぁ…。

でもよく今まで見つからずにいられたわね。」



”まあ、一応俺もいくらか魔術は使えるからな。姿を消すことは容易いよ”



「すごい!そんなの人間でも軽くできることじゃないよ?」



”まあな。だけど最近魔力も減ってきたし、コントロールもうまくいかないことが

出てきた…。本当は、ずっと見つからずにいたかったんだけどなぁ。”



「えっ… … ロニ大丈夫なの?うまくいかないとか、体の調子が悪いの…?

あ、そう言えば、ホリデーの時も調子悪かったわよね…!?」



撫でる手が止まり、悲しい表情を浮かべるリリーナ。

ロニはその手に顔を擦り付けて言った。



”大丈夫だ、お前がこうして撫でてくれると良くなるんだ

リリが生きているうちは俺は離れないよ。”



そうして照れ隠しなのか、前足で右耳をふいっと触った。



「ありがとう…ロニ…!」



ここにきて、ようやく安堵の表情を浮かべられたリリーナ。

一時はゼロになった味方が1人増えたことに安心できたようだ。

しばらく無言で撫で続けた。




「…明日から気が重いな…」



リリーナがぼそっとつぶやくと、ロニは耳をピクッと反応させた。



”はー、やっぱりリリの記憶は残ったままかぁ。覚えてるんだね。”



「え?あの3人から色々言われたこと…?」



”そう、それ。…実を言うと、さっきこいつの姿で会場に行ったの、俺。

憑依させてもらってたわけ。”



そう言い、ロニはすうすうと寝ているアローに顔を向ける。



「そ、そうだったの…!?確かに、いつものアロー様じゃないなって思ってたの…

すごいね、ロニ…。

私、もう動けなかったからすごく助かったよ…ありがとう。」



”最後にあそこにいた全員の記憶を書き変えたんだけどな…

リリには耐性があるみたいだね。もしかしたら、くつろぎの会の植物暴走事件も

覚えてるんじゃないのか…?”



「あ、え…と?なにそれ?知らないかな…」



話の流れで知っていると答えそうになったリリーナだったが、

裏切られてもあの時のヴェクトルとの約束は破れない。

ロニには知らないふりをした。



”ふーん、まあいいや。明日については気にすることはない。

皆の記憶では何もなかったことになっているから。

…ともかくだ、俺はさっき魔力を大量に使ったから、そのおかげで実はヘトヘトだ…”



もたげていた頭の力を抜き、リリーナの右手に重さを預ける。

それに気づき、リリーナは左手で一生懸命撫でてあげることにした。



「いいよ、いいよ。しっかり休んで。たくさんなでなでするからね。」







”あ!そうだ。”



しばらくおとなしく撫でられていたロニは

何かを思い出したように顔を上げてリリーナに言った。



”セラドからもらったキャンディをくれ!”



「え!!猫ちゃんはキャンディなんて食べちゃダメだよ!」



”うーん…厳密に言うと、俺は猫の姿をしているが、

魔術が使える魔獣みたいなものだから大丈夫だ。”



「そうなのね。わかった。…はい、どうぞ。」



ポケットから小瓶を取り出すと、蓋を開けて

ロニに差し出した。


ロニは、手で手繰り寄せようと試みたが、手を戻して言った。



”リリの手からキャンディをくれないか?その方が回復するから。”



「そういうものなの?甘えん坊さんだね!…はい、あーん。」



コロリ。



ロニのくちにキャンディを転がした。

口に広がる甘さに、ロニは幸せそうな表情を浮かべた。



バタバタバタ…



急に廊下の方が騒がしくなり、何人かの足音が聞こえた。

その足音はだんだんと近づいて、とうとう医務室の前に止まって

会話をし始めたのがわかる。



「このあたりです!」


「この部屋じゃないか…?」


「確かに…気配がプンプンする…!!」



”やべ!リリ、姿を消すのが間に合わない…!!ひ、ひとまず、何かって聞かれたら

俺はリリの使い魔ってことにしてくれるかな…!”



「んあ?え?どういう…」



バタン!!バタバタバタ…!

シャッ!



「観念しろ!!魔獣!!……え?」



「あ?」



医務室のドアが開かれ、ベッドを隠すカーテンも開けられ

3人ほどの魔法騎士団員とベッド上のリリーナとロニが対面。

ロニ以外は何が起こっているのかわからず、頭に?が飛び交う。


そんなこう着状態の中、ロニがわからないようにリリーナを突いた。



「あ、えっと、私の使い魔に用事でしょうか…?」



「ニャーゴ」







「で、この魔獣は君の使い魔で、実家に預けていたのに寂しくて追いかけてきた…と。」



「はい。」



「それで学園まで来たものの、迷子になってしまい、ちょうど巡回中のに騎士団員と

鉢合わせしたことから、魔獣騒動になった…てことか。」



「そのようです。大変ご迷惑をおかけ致しました…。」



「うん、気をつけてね。討伐しなくて良かったよ。」



「はい、申し訳ありませんでした。」



リリーナは騎士団員に平謝り。

団員が優しく声をかけてくれたので幾分か気持ちが楽になる。



「では、私たちはこれで失礼するよ。

魔獣登録は明日学園でするようにね。」



「わかりました。必ずいたします…!」



そう言い、彼らは引き上げていく。

その時、一番後ろにひょこっと見えたのはレオンだった。

今は騎士としての任務中なので、あえて話しかけないようにした。

彼もそのほうが良かったようで、去り際に左手をパッと上げ、リリーナに合図をした。

リリーナもそれに応えるように笑顔で見送った。



(レオン様…がんばってますね!)



”…なあ。あいつと親しいのか?”



2人のやりとりを見ていたロニが、少し怪訝な顔をしてリリーナに聞いた。



「え?レオン様?幼馴染だよ。と言っても、ロニがお家に来る前に

お引っ越しをしてしまったから知らないかもしれないけど…」



”レオン…!?…ほう、あいつ…ふーん…”



「どうしたの?」



”いや、守りがいがありそうだなって、思っただけだ。”



「え、私ってそんなに鈍くさかった?…いや、お勉強はまあそうかもしれないけど

魔法は割と飲み込みが早いって褒められたりするよ…?」



(そう言うことじゃないんだけどなぁ…そこ、鈍感だよな…。)



ロニは苦笑いをしながら思った。



「それより、なあに、騒ぎを起こしてたのね、ロニ…!!」




”わ、待って、仕方なかったんだって、ほらリリを助けるのに急いでたし…な?”



「うぅう…それは…ん…」



理由が理由だけに強くは出られないリリーナは

口ごもってしまった。




いろいろな騒動があった学園祭。


メリンダは目的通り学園を去った。

リリーナは断罪の危機をロニに救ってもらい事なきを得た。

マリエナはリリーナの断罪が起きなかったのを不思議に思った。

ヴェクトルは頭にモヤモヤを抱え始めた。

ロニは何かを決意した。


こうして、イベントは幕を閉じた。

いつも見てくださりありがとうございます!

次回より第4章に突入いたします。

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