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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第3章 学園祭そしてさようなら
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学園祭:黒毛の子

「ん…」



リリーナがゆっくりと目を開けると、いつか見た天井が

目に飛び込んできた。

天井から下がる仕切りカーテンがひかれ

半個室状態となっている。

ここは医務室だ。



(ああ、気を失ってしまったのね。

…ん…痛く……ない…けど…)



胸に意識をやると、痛みが収まっているのを確かめた。

それと同時にリリーナは違和感を感じたのだった。



胸が苦しい



… …ふとんが重い。




そう感じた後すぐに、鼻先をふわふわしたものが

何度もかすめていく。


右に左に動くそれを視界に捉える。

それは見覚えのある黒いふわふわ…。




「ロニ!?」



目をしっかり開け、目線を胸元にやると

香箱座りをしている猫の薄グレーの瞳と目が合った。



「ニャゴ!」



応えるようにロニは鳴いた。



「ええ、ちょ、やだ、本当にロニなの?

…どうしてここに…?

まさか、私のことを察してお家から来ちゃった…とか?

いや、まさかねー…」



リリーナは、両手でロニの顔を包み込み、

親指でこねこねと撫でると

ロニは気持ちよさそうに喉を鳴らしている。



「まあいいか!ロニが来てくれたから癒されよう!」



顔を撫でていた両手を首元、脇の下そして全身に移して、ワシワシと撫でる。

それからお腹に顔を埋めて、もふもふを確かめた。



「んーー!ロニー!!」



「… … … ニィ…!」



「はぁ〜、もふもふ気持ちいい…!」



ぺしぺしぺしぺしぺしっっ…!!



癒しに集中していたため、つい彼の『もう終わりだぞの合図』を

逃してしまい、案の定猫パンチがリリーナにクリーンヒットした。



「あたたたた!しまったぁ…!ごめんロニ。」



リリーナは顔を離すと、起き上がり、膝にロニを座らせた。

ふと、隣に気配を感じたので、カーテンの隙間からを見ると

アローがカーテンも開けっぱなしでスースーと寝息を立てて寝ていた。



(あれ…さっきアロー様が運んでくださったような…

夕方からお休みになっているわよね…だったら違う気が…あれ…夢??)



少し考えるも、あの時は意識も朦朧としていたため

はっきりとは思い出せず、考えるのはそこでやめた。

それに考えることで先程の自分への断罪と味方が誰もいなくなったこと、

その悲しい気持ちがぶり返しそうになったから。



「ロニ、…もう一回だけモフらせて。お願い…」



「ニャ…」



彼も察したのか、同意してくれるように優しく一声発した。

リリーナは彼を抱き上げて、再び顔をお腹に埋める。



「ん〜〜!!」



「ニャ…ニャゴ!」



モフモフモフ…



「はぁ〜〜、いい…!」



「…ニャ…!」



モフモフモフモフモフ… …



”ちょ…!”



「ん〜〜!癒し〜〜!…ん?」



”ちょ…ちょーっと、リリ!”



「ん…ん!?ロニ…!?」



”しまっ…”



「ニャーゴ!」



リリーナは顔をあげ、ロニをじーーーっと見つめる。

ロニは『猫語』で鳴くと、尻尾を異常に早く左右に動かしている。

尚もじっと見つめるリリーナに観念したのか…



”バレたか…”



と、はっきりとわかる言葉がリリーナの頭に入ってきた。



「ロニ、話せたのね…!」



”ああ、そうだよ。”



リリーナはこの事実を知り、気持ちが高揚するのを感じた。

暗闇で泣いているところに光が差したような

そんな感覚だった。



「嬉しい!ロニ!!」



嬉しさのあまりロニに抱きついた。



”キツイってば!お、お、おいリリ!くす、くすぐった…”



「来てくれてありがとう!」



”お、おう…てか、待ってもう…だから、体格差〜〜!!”

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