学園祭:気になることがある
雪の結晶は、チェーンを付けて
アクセサリーやバッグマスコットとして使えるように加工ができるので
2人もそのように加工してもらった。
わいわいと騒がしいワークショップ会場をやっと抜け出した2人は
中庭のベンチで休憩をしていた。
「ねえ、リリーナ。あなた…休みの間に何かあった?
あなたの魔力がとんでもないことになっていると思うのだけど…」
メリンダがじーっとリリーナを見て言った。
その目線に、疑いを晴らすように慌てて答える。
「な、何かって…この間お話しした、レオン様が幼馴染だった事、
マリエナさんが来た事、くらいですが…ええ?ど、どうされたんです?」
「ふぅー、当の本人は全く気づかずね…」
正面を向き、おでこに人差し指をやるメリンダを見て
焦ったリリーナは尋ねた。
「私、さっきのワークショップで何かあったんでしょうか…?
スティックに魔力を流して、次に目を開けた時からみんなが
見てくるな…と思っていたのですが…」
「そうなのよ、みんなが目を見張るほどのことがあったのよ?あなた…
雪の結晶に変化する時に光るでしょ?あの色って、魔力測定と同じ原理で
紫の魔力量の私は、紫色に光ったはずよ。」
「はい、確かにそうでした。」
「リリーナはね、七色に光る白金。言うなれば…プラチナだったのよ。」
「プ…プラチナ?それって、魔力量の対象カラーじゃないですが…」
「そうなの、そこ。金→紫→青→赤→白→黒の対象カラーで考えて
もしあれを白と捉えるなら、赤の下、つまり魔力量が赤ちゃんレベルにまで下がっている
と言う事。」
「え!!!」
「でも、休み前に青に上がったし、急激に白に下がるとしたら大病を患うとか、
大怪我をするとかだけど、あなたは元気だし違うと思うのよね。
…だから、対象カラーに属さない新たな色って事だと思うの。それがもしかしたら
金よりも上なんじゃないかって思って…」
「そんなことあります?私の身体的には何も変化ないですし、金の特徴の”魅了”みたいな
特別な効果が周囲に起こっている様子もないですし…
直前に雪玉を作ってしまいましたし、もしかしたらあの時は気が乱れて、一時的に魔力が変になったのかもしれません…」
「…じゃあ、これに試しに魔力を流してみて?」
そう言い、メリンダはポケットから六角柱の水晶を取り出した。
「いつもコンディションをはかるときに使っているの。これで魔力量がわかるはずよ。
試しに私が先にやってみせるわね。」
そう言って、両手で水晶を包むと、目を閉じて深呼吸をした。
それに反応しで水晶はじわじわと湧き出るように紫色に変化した。
「紫色です…」
「…ね、こんな感じでやってみて」
そういって、水晶を預けた。
リリーナは渡された水晶を同じように両手で包み、
目を閉じて深呼吸をする。
じわっとした温かみを感じるようになった時
メリンダが口を開いた。
「青…だわね…」
リリーナが目を開けると、困惑した表情のメリンダが目に入った。
手に包んでいる水晶に目をやると、青白い光を発していた。
「ほら、ですから、あの時はたまたま不思議な色になったって事じゃないですか…。」
「そうみたいね…まあ、そうね。」
納得がいった表情ではないものの、結果が出ているので
それ以上は考えるのをやめようと吹っ切った様子で
水晶をポケットにしまうと、リリーナの方に向いて言った。
「はい、これ。お友達の証よ。」
差し出されたのは先ほど作った雪の結晶のチャーム。
薄い紫色に太陽の光が当たり、キラキラと輝いている。
「わぁ…嬉しい!嬉しいです…ありがとうございます!
…あの、実は私もこれ、メリンダ様にお渡ししようって思ってました。」
同じように先ほど話題になったリリーナのチャームも差し出した。
二つの雪の結晶がクルクル、キラキラと輝きとても綺麗だった。
「ありがとう。素敵ね…!」
お互いのチャームを交換し合った後、
まじまじと結晶を見つめる2人。
「メリンダ様のこれからの幸せをお祈りしながら作ったんです。
あ、もしかしたらそう言う想いが一時的に溢れて、不思議な色になったのかもしれませんね。」
「ふふ、だとしたら私はすでに幸せね。こんなに思ってくれるお友達がいるんですもの。」
「ふふ!私もです。」




