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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第3章 学園祭そしてさようなら
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探し人じゃない人現る

(ちがう…わ…)



何度確認しても、助けてくれた隊員の特徴を持つ人物は見つけられなかった。


リリーナは、はっきり顔を見たわけではないが、

趣味の演劇で観察眼は培われていた為、

意識がはっきりしない状態でも、おおよその特徴は掴めていた。

だが、演習中の隊員は、その特徴に合う者がいなかったのだ。

俊敏さやローブから少し見えた顎のライン、体型などが微妙に違う。



「どう?いそうかい?」



黙り込んでいるリリーナを心配して、セラドが尋ねる。



「それが…いないようです…」



「そうか…。第4隊の者はあれで全てだと思うが…」



「…ということは…魔法騎士団の方ではなかった…のでしょうか?」



「ふむ…、非番の者がいないか聞いてこよう。」



「あ、いえ、今じゃなくても…」





と言いかけた時だった。

リリーナたちがいる廊下のすぐ脇にある、特別通路から

よく知っている男女が隊員に案内されてやってきた。



(!!…嫌な予想が…的中した。)



その女性の方がこちらに目をやると、

嬉しそうに微笑みながら隣の彼と話し、それから

こちらに向かってやってくる。



「セラド様…!…と、リリーナ様…!」



(いま…付け足したような気がするのだけど…)



計ったかのようなタイミングで現れたのは、

ユーストスとマリエナ。


マリエナはこちらに気づいた際、少し驚いていたが、

またリリーナがいたことが、決められたストーリーとは違ったのだろうと思った。

セラドの元に着くと、マリエナは素敵な笑みを浮かべたまま



「セラド様、お久しゅうございます。お元気なようで、私は嬉しいです!

今日は、ユーストス様と魔法騎士団の演習の見学をしにきました。」



「直近に連絡してすまないな。」



少し遅れてセラドの元に着いたユーストスも声をかける。

どうやら、察するに、演習場への訪問は急に決まったことのようだ。



「ようこそいらっしゃいました、ユーストス様、マリエナ嬢。

ユーストス様がいらっしゃればこの者だけで十分ですね。

どうぞご注意いただきながら、ご覧ください…」



セラドは今まで案内してきた彼に、引き続き案内をするように

促したのだが、マリエナはもじもじとして

彼に甘えるような口調で言った。



「あの、セラド様にご案内いただきたいのですが…」



と、上目遣いでセラドを見た後、ちらっとリリーナにも目線を送る。



(私に回答を委ねるの…??)



こんなの、YESしか選択肢はない。

マリエナの連れは王太子だ。

”だめです”なんて言ったら不敬罪になりかねない。



「あ、えっと、私、他の隊も見てみようと思うので、どうぞご案内してください!」



「え、リリーナ様いいんですか…また、怒ったりしませんか…?」



(またこのパターン…だから怒ってなんてないのに…)



マリエナ口調に気持ちがざわつきながらも、リリーナは精一杯の笑顔で応える。



「まっっったく、怒ったりもしてませんので、ごゆっくり見てきてください…!」



「本当ですか?ありがとうございます。ではセラド様よろしくお願いいたします!」



「ああ、行こうか。ではこちらへ…」



「リリーナ嬢、失礼するよ。」



辛うじて、ユーストスが紳士の挨拶をしてくれはしたが、

セラドの方はすでに、先程の上目遣いの際にやられたのか

マリエナの魅了が効いていたらしく、無口になっていた。

リリーナの言葉は果たして聞こえていたかは不明だが、

そのままスッと、3人で行ってしまった。



あの時の体験がプレイバックして、少し目が潤んでしまった。







リリーナは大きな円形の演習場を1周半、見学しながらゆっくりと回った。

時間をかけて見てみたが、黒の隊服ではない人たちの中にも、

目指す特徴の人物は見当たらなかった。


そろそろ帰ろうと思ったのだが、一言お礼を言いたかったのに、

未だにセラドは解放されないでいた。

遠目で3人で談笑をしている姿が見える。



やがて、いい加減待つのも辛くなってきたので、もう帰ろうと決意した。

馬車で10分と少しの距離は歩けなくはない。日があるうちに行動しよう…!

と、演習場の入り口にひとり向かい始めた。



(お礼はお手紙を書くことにしよう…)



入り口の隊員に声をかけ、外に出る。

一応帰りますということをことづけておいて、とぼとぼと帰路についた。

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