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【完結】溺愛ってなんですか?平凡令嬢はただひたすらに見守りたい  作者: にむ壱
第3章 学園祭そしてさようなら
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恩人を探しに

あっという間に週末のお休みとなった。

この日はホリデー終わりにセラドと約束をしていた、

魔法騎士団の見学に行くことになっていた。



複雑な話だが、セラドももれなく記憶を書き換えられている。

だが、書き換えられる前に約束をしてくれた、『リリーナを助けてくれた隊員を探しに、

騎士団の演習見学をする』と言うことは成立していた。


どうやら、助けた内容が『木々の暴走から助けた』のではなく、

『過労で倒れたリリーナを運んでくれた』ということになっている。

そこまで複雑に記憶操作できるとは、あの能力はやはり国宝級だなと思った。



(と言うことは、もし助けてくれた方が見つかっても、倒れたところを助けていただきありがとうございましたって言えばいいってことよね?木に狙われてお怪我はなかったですか、なんて絶対に口にしてはいけないっと…ようし)



改めて頭の中を整理した。






そういう複雑な理由もあったため、今回はメリンダを誘うのをやめておいた。

もしかしたら…と少し懸念している事も理由の一つではあったのだが。



迎えの馬車に乗り、10数分揺られたところで早くも

魔法騎士団の演習場に到着した。

馬車をおり、セラドの元へ案内をしてもらう最中に、

1箇所に釘付けになってしまった。



目線の先には先輩隊員から、魔法剣の手解きを受けている新人らしきの姿。



(新人さん… …ん …ん??

…レオン様!??)



見たことある顔だな、と思ってから気づくまでに時間がかかってしまった。

彼がここにいるとは思いもしなかったから。


まだ学生では、よほど優秀でない限りは演習に参加できないからだ。



唖然とした顔で見ていると、目線が強かったのか、レオンがリリーナに気づいて驚いた。



「リ…リリーナ…!」



彼はバツの悪そうな顔をした。

不思議に思ったリリーナは深く聞くのはやめようと、

お辞儀だけをして、その場を後にした。


レオンもその方が都合が良かったのか、はたまた

演習場では下っ端な為かいつものように、絡んでは来なかった。





円形の演習場を囲むように造られた廊下を通り、広場まで降りると

そこではセラドが第二隊のメンバーに向かって指示をしているところだった。



「魔法発動と斬撃の間に、隙が見られることがある。

この時間をほぼゼロにするように!

本日はこの部分を徹底して鍛錬してくれ。」


「はい!」



いつも会う時の優しく包み込むようなセラドとはイメージが違い

厳しく毅然とした態度だった。



(さすが隊長様…気が引き締まるわ…)



側で見ていると、リリーナの存在に気づいたセラドがこちらへやってきた。

流石にこの場所ではいつもの抱擁はないが、

少しいつもの彼の表情に戻り、なぜか少しホッとした。



「あぁ、無事に来れたみたいだね。今は第4隊も演習が始まったところだから

早速見に行ってみるかい?案内するよ。」



「はい。ありがとうございます。お願いできますか?」



「では行こうか。」



それまで案内をしてくれた隊員とはここでバトンタッチ。

セラドが第4隊の演習場所まで案内してくれることになった。

リリーナは軽く会釈をして、セラドについていった。



2人は廊下まで上がると、先ほど歩いてきた方向とは逆、つまりさらに先の方へ進んだ。

円形の1/4ほど先に歩いたところで、演習場の雰囲気が変わってきた。

これまでは更地だったのに対して、この辺りは岩場や崖になっており、

かなり足場が悪い状態の場所だった。


演習内容としては、ハードな内容をこなすための所なのだろう。



「この辺りならよく見えるかな?」



セラドはそう言い、隊員が見渡せる場所で立ち止まった。



「きゃ…ぷ」



演習場所に気を取られて、彼が止まったの気づかず、

顔から彼の胸に突っ込んでしまった。



「わ、も…申し訳ありません!つい演習に気を取られてしまって…」



するとセラドはそのまま、両手をリリーナの頭に乗せ、

頬へとずらしていき、優しく言った。



「こら、ちゃんと前を見なさい。」



「ふ…ふぁい…」



両方のほっぺをセラドの手に包まれながら答えた。

ふと目線を演習場にやると、数人の隊員の目線を感じた。

少し顔を赤らめている者もいるようだ。


リリーナは途端に恥ずかしくなり、演習場から目をそらした。すると今度は入り口付近のレオンと目が合う。


こっちもダメ!と

外らしたら外らしたで、今度はセラドの薄グリーンの瞳が

飛び込んできて、また緊張する。


リリーナは思わず目を閉じて情報を遮断。



「か、か、確認しましょう…!」



「…ああ、そうだな。ほら、ここで見てごらん?」



セラドはようやく頬から手を離し、見やすい場所へ促してくれた。

リリーナはそこに立つと、岩場の隊員を一人一人確認した。

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